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ポビーとディンガン

2006-03-07 01:43:57 | 映画2006
 ティナ・ターナーではなくてティナ・アリーナ。母親がやってたクロスワードパズルは完成したのかどうか気になるところです。

 オパール鉱山という珍しい舞台設定。乾いた空気、埃っぽい岩地に青い空。この独特な雰囲気の町そのものがファンタジーを感じさせてくれます。この手の映画では空想上の人物自体がファンタジーとなりがちですが、かなり現実世界を重視しつつ「信じることの大切さ」を謳っている内容でした。

 空想上の人物、ポビーとディンガンが突如いなくなってしまったと心配になる妹ケリーアン。存在を信じているわけでもない家族も懸命に捜索するのですが、他人の鉱山を荒らしたとして父親が訴えられる。オパールを盗ったという事実がなければ不法侵入の罪だけのような気もしたのですが、大多数の町の人々は住人となって間もない家族をいじめ抜く。もしかすると、ポビーとディンガンが実在の人物として現れてこれを解決するのでは?と、ありきたりな展開を想像していると、意外な展開を見せてくれて、心が和んでしまいました。

 妹を真剣に思い遣る幼い兄ちゃんもいいキャラでしたが、イジメや報復といった問題もさらりと味付けして、空想に浸る9歳の少女に優しく現実へと目を向けさせる方法がもっと良かった。まるでカウンセラーの教則本のような最適の選択でした。裁判が行なわれたのは田舎町の簡易裁判所なのでしょうか、扇風機がカラカラと回り、暑そうな室内で住民たちも熱くなり、窃盗や不法侵入といった争点がいつのまにか「少女ケリーアンがポビーとディンガンの存在を信じているかどうか」という争点に変化していきます。映画史上、最も和む法廷モノ映画と言えるのかもしれません。

 それにしても子役が素晴らしかった。スーパーの店長夫妻も良かったし、突然弁護士になったオパール加工のおっさんが素敵でした。

★★★★・

コメント (18)    この記事についてブログを書く
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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自分は (zooquie)
2006-03-07 08:13:40
葬式のシーンで泣けてきました。

荒れた暮らしの中でささくれ立った人々の心も、何かきっかけさえあれば、優しく暖かな心に戻れるのだな、と。
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葬式 (kossy)
2006-03-07 08:21:31
>zooquie様

あのシーンは俺も泣いた・・・

信じることの大切さをここでも表現していましたよね。来る、きっと来る・・・

心が洗われる映画でした。
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こんにちは (M.)
2006-03-07 11:44:48
お葬式も泣けたけど、昔の恋人を思い出してるママに

アシュモルくんが「今のパパでよかった」って

なぐさめる場面には なんてエエ子やーとホロリ。

きっと人徳者になりますよね、あの子。

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パパ (kossy)
2006-03-07 15:21:38
>M.様

父ちゃん、良かった。

今の父ちゃんで正解!

妹、父、母、それぞれに深い愛情を持って接するなんて、簡単にできることじゃありませんよね。

見習おうっと・・・
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こんにちは♪ (ミチ)
2006-03-07 19:07:37
こんな片田舎の法廷シーンでさえハズレなしだなぁと感心しました。

あのあたりから加速をつけて良くなっていったと思います。

あのお兄ちゃんにはオパール採掘じゃなくて違うことをやってもらいたいなと思いつつ・・・。
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法廷 (kossy)
2006-03-07 22:34:45
>ミチ様

あの法廷って現実もそんなものなのかなぁ・・・機能的には満足できそうですけど、自治体の予算が無さ過ぎですね。ということは税収もあまりない町。ってことはオパールも全然採れてないんじゃ・・・(笑)

やはり夢の町だったんですね。

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Unknown (キャスト)
2006-03-08 10:55:09
あの法廷シーンのホノボノさは良かったですね。

なんか自分でも出来るんじゃないか?という気になりましたw

エンディングの空想の友達の絵、「ゆでたまご先生に送る、ぼくの考えた超人」みたいのも混じってて可笑しかったです。
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法廷 (kossy)
2006-03-08 12:57:36
>キャスト様

いいですよね~村の寄り合いみたいな雰囲気で。

あんな法廷なら緊張しないですみそうです。



友達の絵は楽しかったです。

俺も小学生の頃、超人図鑑みたいなノートを作ってました。あぁ懐かしい・・・
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信じる心 (かのん)
2006-03-09 11:07:42
嘘はいけないというけれど、誰かの心を救ったり幸せにできる嘘は嘘とは言わないのかもしれないとこの作品から教わりました。サンタさんを信じたって別に人に迷惑かけるわけじゃないですしね。法廷シーンから心揺さぶられはじめ保守的な人々の気持ちを突き動かしていく様子にはひたすら感動しちゃいました。
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ディンガンのイラストもお願い^^ (COO)
2006-03-09 13:17:03
法廷シーン、判事さんが愛ある審判を下してくれて本当によかったと胸をなでおろしましたよ。。



それと、棺おけの中が気になりました。

蝿が辺りを飛んでるのが妙にリアルで(笑)
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信じます (kossy)
2006-03-09 22:59:34
>かのん様

サンタを信じることに喩えるなんてさすがです。この映画では大人もその信じる心に乗っかってるのですが、オパールを追い求めていることと同じだと気づいたんでしょうね~

あの判事さんが一番人の心をわかってたのかもしれませんね。



>COO様

判事さん、ちょっと心配してましたけど、観客と同じ心でいてくれました。俺もホッとしました。

中には何を入れたのかなぁ・・・あの義足らしきものだけかな。ハエはキャンティーにたかってたのかもしれませんね。

ディンガンのイラストは難しい・・・三つ編みの髪とか、男の子には不得意ですもん(笑)
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ですねー (更紗♪)
2006-03-10 20:30:43
>映画史上、最も和む法廷モノ映画と言えるのかもしれません。



そうですね。すっかり子供の気持ちを理解する法廷になっていました。

しかしこの裁判長は名裁きでした



私はお兄ちゃんの妹への思いがとてもほほえましかったですわー
返信する
法廷 (kossy)
2006-03-10 23:01:04
>更紗♪さま

判事さんは大岡越前クラス?

判決出すタイミングも素早かったですもんね~

誰にも文句を言わせないぞ!ってな感じで。



妹への思い・・・ほんと、素敵でした。
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チュッパチャプス (kino)
2006-03-12 01:05:48
前売り券を買ったら、オマケにチュッパチャプス2本

付いてたんです。

その時は意味不明だったけど、映画観終わったら

すごく特別なものに思えました。

お兄ちゃんがポビーとディンガンを探しに行くシーンで

ドキドキしました・・・いい映画です。
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RE:チュッパチャプス (kossy)
2006-03-12 09:34:21
>kino様

いいですね~チュパチュパ

ブルーベリー味だと最高です。

映画を観ながら舐めてると目がよくなるような気がします。

妹思いのお兄ちゃんはほんとに良かったですね~
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お邪魔します! (ミーナ☆)
2006-03-17 00:45:46
初めまして!tu y mi-na☆のミーナ☆です。

TB有難うございました。



そして、初めまして!と書いたのですが正しくは「初めまして」ではないんです!!

kossyさんのこの【ネタバレ映画館】には以前からお邪魔させて頂いてたんですが、

なかなかコメント・TBすることが出来ず・・・

なので、この機会にkossyさんからTBをして頂いて本当に嬉しい余りです♪

なんとも中途半端な私のブログですが、今後ともよろしくお願いします。
返信する
今後とも (kossy)
2006-03-17 00:57:04
>ミーナ☆様

はじめまして。

結構映画を観てるじゃないですか~

これからもどんどんTBしてくださいな♪

単純に喜ぶkossyですので、お気軽にどうぞ。
返信する
放火は罪にならないのでしょうか? (Aki)
2009-03-08 15:44:51
精神的なものだから病院では治せないとか、今のお父さんでよかったとか、弁護士を用意したり、鼠の死骸を自転車にひっかけられてもへこまなかったり、お葬式を実行したり、夜中の採掘場に探しにいったり、本当に優しくて、強い、最高のお兄ちゃんでした。
また判決もよかった。

夢を追う父ちゃんを筆頭に、夢想癖の娘、実はオパールが夢という息子。
お母ちゃんのスーパーでの収入だけで生計をたてるのは大変でしょう。
落盤事故や肺癌に注意して、はやく一山あててほしいと思います。

町の人が集まるエンディングは『ペイフォワード』を連想しました。
子供を大切にする文化は、心が温まります。
オーストラリアの真夏のクリスマスは、当たり前なのですが、視覚的に不思議な感覚でした。しかし、蝿の多さは以外でかなり不快。
オパールがでないことや、貧乏より、蝿にギブアップするかも…と思いました。
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