この二人の男、闘わせたくない。祈る想いで拳を握りしめる。どうせなら“猫いらず”と“ゴキブリ団子”で闘ってくれ!
かつてはアジア大会で銀メダルを獲得したことがあるのに、事業に失敗し落ちぶれてしまった男カン・テシク(チェ・ミンシク)。妻にも愛想をつかされ、何もかも失い、生活費を稼ぐために街中で“殴られ屋”をやっている。一方、ケンカに明け暮れ、カツアゲも日常茶飯事の若者ユ・サンファン(リュ・スンボム)。手っ取り早く金を稼ごうと高利貸しを襲ったところ、運悪くその爺さんが死んでしまい、5年の実刑。少年院内でボクシング部に入り、やがてテシクと闘うことに・・・
普通のボクシング映画というと、一方の人間ドラマを丁寧に描いて感情移入させるものですが、この映画では両者とも均等にドラマを描いているのです。この実験的ともいえる点でもハリウッド映画によくある典型的なプロットとは一線を画しているし、何しろ二人の男がパラレルに映し出され、まるで2本のボクシング映画を観ているような気にさせられるほどの満足感。たしかに、細かな設定や時系列は端折り気味で、「このカットにはどんな意味が?」などと疑問に思えるところもありました。まぁ、これは二人の人生を2時間で収めるのですから、多少のことはしょうがないし、二人とも考えるよりも手が先に出てしまうタイプなので、荒削りであるだけその粗暴な性格も伝わってきたのかもしれません。
もちろん、年代的にはチェ・ミンシクを応援したくなるのですけど、肉親の死に直面したり未来を掴み取る目的で闘っているリュ・スンボムのドラマのほうが泣けてきました。公開時コピーの「過去と闘え。未来と闘え。」という言葉もグサリと響いてくるのです。二人とも実在のモデルがいるらしいのですが、実際でも全く別のボクサー人生。闘わせたくなんかありません。
二人の中心人物以外でもいい演技がいっぱいありました。サンファンの祖母やテシクが知り合ったそば屋の店主。重いシーンが多かっただけに、それぞれ別の映画にした場合、観終わったら立ち上がれなくなるくらいに打ちのめされていたかもしれません。もちろん肝心のボクシングシーンでも、ラストの新人王戦ではリアルの打ち合いと演技の割合が8:2くらいの壮絶な撮影だったらしい。プロ並の特訓までしたというのだから、この試合の迫力は本当に凄かった。
惜しいと思ったのは、二人のウェイト。どう見てもチェ・ミンシクの方が重いように思えるのです(ともにスーパーライト級)。そして、プロとしての実績がないのだから、40歳超えてるとダメなような気も・・・(韓国での条件はわかりません)
★★★★・
かつてはアジア大会で銀メダルを獲得したことがあるのに、事業に失敗し落ちぶれてしまった男カン・テシク(チェ・ミンシク)。妻にも愛想をつかされ、何もかも失い、生活費を稼ぐために街中で“殴られ屋”をやっている。一方、ケンカに明け暮れ、カツアゲも日常茶飯事の若者ユ・サンファン(リュ・スンボム)。手っ取り早く金を稼ごうと高利貸しを襲ったところ、運悪くその爺さんが死んでしまい、5年の実刑。少年院内でボクシング部に入り、やがてテシクと闘うことに・・・
普通のボクシング映画というと、一方の人間ドラマを丁寧に描いて感情移入させるものですが、この映画では両者とも均等にドラマを描いているのです。この実験的ともいえる点でもハリウッド映画によくある典型的なプロットとは一線を画しているし、何しろ二人の男がパラレルに映し出され、まるで2本のボクシング映画を観ているような気にさせられるほどの満足感。たしかに、細かな設定や時系列は端折り気味で、「このカットにはどんな意味が?」などと疑問に思えるところもありました。まぁ、これは二人の人生を2時間で収めるのですから、多少のことはしょうがないし、二人とも考えるよりも手が先に出てしまうタイプなので、荒削りであるだけその粗暴な性格も伝わってきたのかもしれません。
もちろん、年代的にはチェ・ミンシクを応援したくなるのですけど、肉親の死に直面したり未来を掴み取る目的で闘っているリュ・スンボムのドラマのほうが泣けてきました。公開時コピーの「過去と闘え。未来と闘え。」という言葉もグサリと響いてくるのです。二人とも実在のモデルがいるらしいのですが、実際でも全く別のボクサー人生。闘わせたくなんかありません。
二人の中心人物以外でもいい演技がいっぱいありました。サンファンの祖母やテシクが知り合ったそば屋の店主。重いシーンが多かっただけに、それぞれ別の映画にした場合、観終わったら立ち上がれなくなるくらいに打ちのめされていたかもしれません。もちろん肝心のボクシングシーンでも、ラストの新人王戦ではリアルの打ち合いと演技の割合が8:2くらいの壮絶な撮影だったらしい。プロ並の特訓までしたというのだから、この試合の迫力は本当に凄かった。
惜しいと思ったのは、二人のウェイト。どう見てもチェ・ミンシクの方が重いように思えるのです(ともにスーパーライト級)。そして、プロとしての実績がないのだから、40歳超えてるとダメなような気も・・・(韓国での条件はわかりません)
★★★★・
それぞれの持つ悲しみに、途方にくれるほどでした。
後二人のウェイトあきらかに違うよね(笑)
ミンシクが意外と痩せていた!という映像があれば間違いなく満点でした(笑)
ロッキーシリーズだったか、最後に双方パンチを打ち合うというラストショットがあったっけかなぁ。俺だったら、勝敗を決める間際で終わらせる映画にしたいと思います。
kossyさんお元気でしたか?
さて、色々とkossyさんのブログを読んでたら
見てみたくなる映画がありました。
ちょっと調べて見てみようかな?なんて思ってます。
因みにこの作品も見てみたいです。
私は、最近、ゆれるを見て来ました。
ちょっと私がオバカなせいで、少し判らないところはありましたが、凄く気持ちが揺れる映画でした。
P.S.
・・・・・映画、京都では6月の思ってたようです。
DVDが出たら見てみます。
いつもありがとうございます。
拙い文章でもロビ子様の気持ちを動かすほどでしたか。うれしいです。
ちょっと男臭い映画ですので、お口に合うかどうかはわかりませんが、ちょっとでも不幸な人間に同情できればOKです。
『ゆれる』も早く観たいんですよね~こちらではもう少し待たねばなりませんが、それまでに体を揺さぶる練習でもしておきます(違う?)
二人のウェイト差に関しては全く気にもせず魅入ってしまいました(笑)
コメント&トラックバック、失礼致します。
この作品は、実在の人物をモデルにした見応えのある物語展開であり、チェ・ミンシクさんとリュ・スンボムさんをはじめとした出演者の方達の演技、監督を手掛けたリュ・スンワン氏の見事な映画作りが実った作品であると思いました。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
俺も途中までは大泣きでした・・・このまま願いが届けば文句なしのぶっちぎり評価だったことでしょう。
ウェイトの差はとりあえずネタということで・・・(汗)
>たろ様
どうもありがとうございます。
見応え充分でした!
これは映画館ならではの臨場感もプラス。
俳優も脚本も見事だと思います。
韓国で日本モノが映画化されているのが小ブームのようですが、韓国映画「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」をテレビ化した「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」が、今私のブームです。
この映画、昨年上海でも上映されていました。結構話題になっていたのではないかと思います。
ただ、やっぱり私は2人のウェイトの差が気になって仕方なったです。どう見てもチェ・ミンシクのお腹が…。(もうちょっと鍛えて欲しかった)
中国語版の字幕ではよく分からなかったんですが、スーパーライト級だったとは…無理がありませんかね。
今年は韓国映画の当たり年!
言われて気づきました。
純愛ものよりも、ずっと硬派の映画、アートな映画。いい映画が多いですよね~
マイボス・マイヒーローって知らないんですけど、機会があればぜひ観てみたいと思います。。。
>famifami様
こんばんは。
日本語字幕では63.5キロと書いてありました。
階級そのものは言ってなかったのですが、この数字から調べただけなのです(汗)
やっぱりミドル級あたりかなぁ~って感じでしたが、40歳超えると減量も厳しいのです・・・
満点評価の方が多いのですが、その価値はアリですよね。