先日、小学校の先生を対象にした教員研修を行いました。
予め先生方に聞きたいことをうかがっておき、
それにこたえる形で説明をしていきました。
色々な子どもや保護者がいます。
どうしても先生たちは今までの経験から
「この子はこういうタイプだ」と決めつけてしまいがちですが、
問題行動を解決するためには、
その子自身の特性、家庭環境、今までの関わり、現在の環境等を
ていねいに見ていって、問題行動の原因を特定していく必要があります。
本人を理解するためには、
「教室を出ていって困るんです」などもやもやっとしたイメージではなく、
「算数の時間になると教室を出ていく行動がみられる」など、
どんな時にどんな行動をしているのかを注意深く見て理解していくことが大切です。
昔は、もっと地域が豊かで、子どもも家庭も学校も、その地域に守られていました。
子どもたちは小学校に入る前に、地域で「しつけ」をされ、
集団生活ができるようになって新一年生になっていました。
学校は学ぶところとして位置づけされ、
保護者は「先生の言うことは聞きなさい」と子どもを指導していました。
だから、先生は教育者として子どもたちに勉強を教えてあげるだけで良かったのです。
ところが、時代が進むにつれて地域はなくなり、
それぞれの家庭が個々の価値観で子どもを育て、その子がそのまま小学校にあがってきます。
そして今では、今まで地域が担ってきた子どものしつけや子どもの居場所を
全て学校に求めるようになってきています。
先生たちは、保護者の役割、地域のおじさんやおばさんの役割を担わされています。
おまけに保護者の愚痴や不安を聞いたり、時には攻撃対象にされたりなど
子どもの対応に加えて保護者の対応にも苦慮する例が増えてきています。
スクールカウンセラーとして、そんな先生たちを支えるとともに、
心理学の知識をお伝えすることで、少しでも楽になってくれたらいいなと感じています。(つづく)
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