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『脱資本主義宣言』 鶴見済

2012年10月07日 | 読書日記
脱資本主義宣言: グローバル経済が蝕む暮らし
鶴見済
新潮社

¥1,200+税 新潮社 2012/6/20発行
ISBN978-4-10-332461-4

タイトルの割には、内容はわかりやすい。
わかりやすいうえに、実に好み。
ビンボー人が喜ぶ内容です(笑)。

そして世の中二極分化で貧しい人が増えている。
ということはつまり、こういう本を待っていた、という人が増えている。
今のままの世界ではおかしい、間違ってる、と思う人が増えている。

一握りの金持ちが自分たちに都合のいいように世の中を動かして、多くの人々は搾取される一方。
それが通用する時代は終わりつつある。
情報は独占できない時代になっている。

 

…………なのに、なぜかわざわざ自分の首を絞めようとする連中もいるんだからワケわからんけど。ねー、みんな、「テレビで見た人」に投票するのはやめようよ。声が大きいだけの人に投票するのはやめようよ。



国内でいちばん電力を消費しているのは製造業の40%。家庭消費は29%、オフィスや商店の業務用は28%。
だから原発事故後の省エネ旋風の中、家庭がせっせとエアコンの設定温度を上げたりして節電に励んでいるけれど、それはもちろんいいことなのだけど、製造業がちょっと生産を減らせばそれで済むんだよね。
だけど企業はそんなことしない。それどころか、原発を再開させて湯水のように電気を使いたくて仕方がない。
自動車の製造が仮に一割減ったとして、自動車業界には打撃でも、人が生きていくためには本当は必要なんてない。
そういうと、自動車業界で働いている人は多いんだから、その人たちが路頭に迷ってもいいのかとかいろいろ言い出す人がいるんだけど、それは「生産」とは別の話。一緒くたにして論じてはいけない。

> 「脱資本主義」などというと、「社会主義にするのか」「カネを使わないのか」「昔に戻るのか」などと極端な反論が飛んできそうだが、どれも違う。少なくとも自分は、とりあえず理想とする方法に向かってみて、その先のことはその都度考えればいいという立場だ。なぜなら、どういう社会にすべきかは、それぞれの場所によって違う答えがあるはずだから。(214頁)

それぞれ違う。
そう、その筈なのに、画一的に社会を推し進めようとする「経済活動」というものは、そういう意味でも不自然なのだ…。


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