先週
「来週の16日 私のお母さんの八周期の法要なのです」
「お坊さんを呼んだりはしないのですが、お参りに来て頂けますか?」
「もう そんなに経ったのですね、私でよろしければお線香上げさせていただきます」
仕事を終えタクシーに乗り込み メモを取り出し住所とマンション名を告げる
セキュリティーがしっかりしたマンションで、部屋番号をプッシュすると
「どうぞ お入りください」
ドアを開けると 女性独特の甘い香りと 線香の香がする
整理された8畳程のリビングで、食卓テーブルの上には 花が飾っており
テレビ、ミニコンポの横に 小さなテーブルの上には 遺札と
L2判ぐらいの母親であろう写真と お菓子が飾られてた。
「お忙しいところ ありがとうございます、散らかったますがどうぞ」
軽くお辞儀をし 手を合わせ 黙とうする
「お茶にされますか? それともコーヒー?」
「いや、おかまいなく」
「〇〇さんに聞いたのですが、赤ワインがお好きと言うことで」
「ワイン好きの友達から頂き物ですが」
「何も お気を使わなくてけっこうです、すぐに失礼させて頂きますので」
話の途中 すでにワインのコルクを開けてるのでした
2個のワイングラスに注ぎ 差し出す
「私・・・お母さん子だったのですよ」
「兄も居ますが 何処で何をしてるのかわかりませんが」
「兄のことは 訳がありまして 何も話したくはありません」
「父は田舎におりますが、小さな時からの暴力とお酒で」
「母の泣いてる姿を見て以来」
「今の私には 憎しみの感情しかありません」
「私・・・これからも ひとりぼっちなのです」
・・・・ 淡々と語りはじめたのです ・・・・
「こんなことを話す 私って変ですか?」
「決して変ではありませんよ、貴女はまだ若いですし」
「新たな出会いがあるかもしれませんし この先ずっと一人ではないと思いますよ」
「私 同年代の男性には興味がありません」
「私だって 女です、甘えたいときもあります」
「一回りぐらい年上の男性でないと 甘えられないと思ってるのです」
「前に居酒屋さんで聞きました」
「私は〇〇さんの家庭を壊そうとか 一切思っておりません」
「週に一回程度でいいんです、少しのお時間だけ頂いて 話を聞いてほしいのです」
「それ以上のことは望みません」
ワイングラスに注ごうとする彼女に 慌てて手を被せ阻止をした
ワインが手とテーブルを赤く染めた
私は立ち上がり 腕時計は7時半を差してた
「今日のところは・・・そろそろ・・・」
「イヤッ・・・まだ帰らないで」
頭の中は真っ白になり、心臓の鼓動が聞こえる
明日へ・・・つづく ちゃんと事実のみを暴露します
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