石鹸メーカーも、いよいよ落とす汚れがなくなったようです。
いままでは、泥汚れから、油汚れ、機械油のしつこい汚れをとるのに
一生懸命でしたが、それも、いまのメーカーにとっては過去の話。
さて、いよいよ、落とせない汚れがなくなって目を付けたのが
そう。除菌。
そもそも、生物が菌でできているので、除菌もなにもないのだが、
いらない菌があるのも事実。
そこで、手を洗ったら、ついでに除菌できてしまう石鹸を発売。
もちろん、必要なものまで落ちてしまうので、手はカサカサ。
油を足さなければいけないという本末転倒なことが起きてきた。
除菌すると、雑菌が減るので、体は雑菌に対する免疫も弱体する。
そうすると、少しの菌に抵抗できずに、やれ、下痢だ、風邪だと
体調をくずす。
そう。除菌した生活に慣れた人間は、無菌室に住む必要が出てくる。
除菌したマンションから一歩も出ることができなくなり、
宅配されたものはまず除菌。とにかく、雑菌をたたかなければならなくなる。
そういう生活が夢なのだろうか。
雑菌と闘って、その廃棄物が青っぱなとして排出される抵抗力をもたなければ
そうなるのも仕方あるまい。
石鹸など、そもそも、人間には必要のないものが生まれ、次第に強くなった。
しかし、その分、人間は汚れに弱くなり、善玉菌まで殺してしまう除菌作業を
するため、もはや、他人と暮らすことはできなくなるのである。
のではないだろうか。