kurogenkokuです。
399冊目は・・・。
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アメリカは日本経済の復活を知っている
浜田 宏一 著 講談社
著者はエール大学の名誉教授。アベノミクスの金融政策のキーパーソンです。
そのため本書を読めば、いまの日銀が何をしようとしているのか理解できます。
キーワードはリフレ政策。
リフレ政策とはデフレ脱却を目指し、安定的で緩やかなインフレ率に戻すための政策のこと。その主な手段が積極的な金融緩和です。
ゼロ金利の状態では「流動性の罠」に陥っているため、貨幣の増加はすぐに比例的に物価に影響するわけではないと学んできましたが、これについて著者は、『ゼロ金利下では短期国債ではなく、長期国債や民間株式、債券の購入、あるいは外為市場における円売り介入を行なえば、デフレに有効』と主張しています。
さらに『ゼロ金利のもとでは金融緩和は有効とはいえ効果が弱くなる。効果を強くするためには、人々を通貨にしがみつかせないため、「期待」に働きかける必要があるのだ。』というところをポイントとしてあげています。
日本は世界中で最大の対外資産を持った国であり、変動相場制をとっているので仮に日本政府が破産しても国民は破産しないという、おなじみのフレーズも登場します。
本書を通じて、著者はかつての教え子であった白川前日銀総裁とこれまでの日銀の金融政策を痛烈に批判しています。どちらが良いとか悪いとかはこれからはっきりするでしょうし、kurogenkokuも深い見識があるわけではないのでリフレ政策に賛成、反対双方の著書を読んで自分なりに考えていきたいと思います。
本書は経済学に通じていなくても、平易でわかりやすく書かれています。
反面、数字で根拠や裏づけが少ないと感じてしまうところもあるのですが、それは日本においてここまで大胆な金融政策を講じたことがないから充分なデータが備わっていないということなんでしょうね。
【目次】
序 章 教え子、日銀総裁への公開書簡
第1章 経済学200年の歴史を無視する国
第2章 日銀と財務省のための経済政策
第3章 大不況の真犯人
第4章 それでも経済学は日本を救う
第5章 2012年2月14日の衝撃
第6章 増税前に絶対必要な政策
第7章 「官報複合体」の罠
終 章 日本はいますぐに復活する
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