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経営法務(契約の効力発生要件)

今回は契約の効力発生要件について学習します。

【効力発生要件(条件と期限)】
契約が有効であっても、それだけでは契約の効力を主張できない場合があります。
条件や期限といった特約がついている場合です。
条件とは「将来発生することが不確実な事実の成否」にかからせているものであり、期限は「将来発生することが確実な事実」にかからせているものです。
ちょっとわかりにくいので例をあげます。
(条件の例)
・中小企業診断士に受かったら車を買ってあげる。
*中小企業診断士に受かるかどうかは不確実ですよね。
(期限の例)
・今年の2月22日に車を買ってあげる。
*日付は確実な事実にあたりますよね。

【双務契約の効力】
売買契約に代表される双務契約(契約の当事者双方が債務を負い、それぞれが対価関係にある契約)では、当事者間の公平性を図るため以下のような効力が認められています。
①成立上の牽連(けんれん)関係
一方の債務が成立しないとき他方もまた成立しないという関係です。
②履行上の牽連関係
民法では、双務契約当事者の一方は相手方がその債務の履行を提供するまては自己の債務の履行を拒むことができると定めています。これを同時履行の抗弁権といいます。
③存続上の牽連関係
一方の債務が消滅したとき他方の債務もまた消滅するのかという問題があります。これを危険負担の問題といいます。
危険負担の問題は深いので以下にまとめていきます。

【危険負担】
危険負担とは、双方の債務が履行される前に、一方の債務が債務者に帰責事由がない履行不能により消滅したとき、他方の債務はどうなるかという問題です。
例をあげますと、火事が発生して売買されるべき建物が滅失してしまった場合、売主と買主のどちらがその損害を負担するのか、という場合です。
民法においては、債権者主義(相手方の債務は消滅しない)と債務者主義(相手方の債務も消滅する)が規定されています。
そして特定物に関する物権の設定または移転を目的とする双務契約については債権者主義その他は原則債務者主義をとっています(534条1項)。
たとえば、特定物の売買契約である上記の例では、買主が危険を負担し(買主の債務は消滅しないから)、売主に対し,売買代金を全額支払わなければなりません。
この債権者主義と債務者主義にはさまざまな論点があり、非常に難しいところです。あまり深追いしないでください。

ちょっと余談になりますが「危険負担」と「債務不履行」は全く違います。
上記の例で、火事の原因が、債務者(売主)の責めに帰すべきとき(タバコの火の不始末など)は、債務不履行の問題になります。よって、買主である債権者は、契約解除と損害賠償請求ができるとされています(415条)。

次回は契約の瑕疵と不能、債権の消滅について整理します。

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