kurogenkokuです。
327冊目は
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「反原発」の不都合な真実
藤沢 数希 著 新潮新書
原発反対の著書が大半を占める中、原発を肯定した数少ない本です。
いきなり原発が起こした負のデータが登場します。参考になるものが多いのでそれはそれで良いのですが、「火力発電所がもたらす大気汚染の影響と比べれば原発の方が小さい(極端な話ですが)」みたいな比較はやや乱暴かなという印象を受けました。
一方で、「経済と命はトレードオフの関係に無い」と書いてありましたがそのあたりは賛成です。むしろ経済と命(安全性)を如何に両立すべきかということを考えていかないと、日本の国力を失うことになりかねません。最終的には原発依存から脱却すべきという方向性に私も賛成しますが、冷静に考えるとそこに到達するまでの課題は並大抵のことではないのは新聞や本を読めば読むほど実感します。
計画停電。昨年度我が地域で経験しました。我々は、例えば暑いのを我慢すれば良い、とか充分に統制可能なものでした。しかし製造業はそうはいきません。1日1時間くらいだからいいだろうと安易に考えがちですが、一度ラインを止めてしまうと復旧までに相当な時間がかかります。ある会社では、結局、計画停電の日は稼動できませんでした。
自然エネルギーについても発電の規模という点では、原発に取ってかわるには相当な時間を必要とするでしょう。本書では自然エネルギーのリスクにも触れていますので、そのあたりは一読の価値があるかもしれません。
【目次】
第1章 原子力で命を守りたい
第2章 放射線のリスクとは?
第3章 自然エネルギーの不都合な真実
第4章 化石燃料と地球環境問題
第5章 救える命の数は経済の豊かさに比例する
第6章 原子力を理解する
第7章 エネルギーの未来
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