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平成26年9月6日(土) 晴れ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
7月の磐梯山の帰り道、車内で先輩のIさんがボソッと発した言葉。
「俺よ~、一つだけ心残りがあってよ~。谷川岳さ登てみっだいんだ~。」
谷川岳、名前はよく聞く有名な山ですが近くはないはずです。話を聞くと新潟と東京を結ぶ関越道の途中に水上温泉という所があり、そこに宿泊した際に観光で天神平のロープウエーに乗った時に谷川岳が近く見え、登れそうだと思いながら帰って来たのを今でも悔やんでいるとの事。場所的には関越道の途中にある長い長いトンネルの近くだそうです。
「一つだけ心残り」
還暦を過ぎた人間のこの言葉には暗に、
「実現に協力してほしい」 (と言うか俺を谷川岳に連れてけ)
というメッセージがありありと伝わり、その要求を断ることを許さぬ逃げ場のない会話の流れが成立しつつあります。「関越道の長いトンネル・・・」、長野市や草津や白根山など日帰りでブラブラしに行った事は何度かあるので、経験上車で5時間あれば行けそうです。ロープウエイで上まで行ってすぐ横に見えるなら行動時間は4時間くらいとして日帰りできるかな?などと頭の中でプチシュミレーション(その時間約1秒)をしていると、
「いいっすよ!行きましょう!」
と後ろの席から後輩Tの力強い返事が、後に別の後輩Kも参加する事となり4人での谷川岳挑戦が決定しました。結局、いつものとおりおらが一番の足引っ張りにはなりましたが・・・・・。
(行程)
山形市内出発(4:00) → 水上IC(8:20) → ロープウエー下駅(8:50) → ロープウエー上駅(9:40) → リフト天神峠駅出発(9:50) → 熊穴沢避難小屋(10:35) → 肩の小屋(12:30) → トマの耳(13:00) → 肩の小屋で昼食(13:20-14:00) → 熊穴沢避難小屋(15:00) → ロープウエー上駅(15:40) → 水上IC(17:00) → 山形市内到着(22:45)
ロープウエー使って楽チンな山登りなんて邪道じゃないのか?物事に取り組む姿勢を重んじる( 型にこだわって機会を逸する)おらは当初そう思っておりましたが、調べれば調べるほどすごいゾ!谷川岳。
・遭難者が多く世界一(ギネス認定)。
・「魔の山」「人喰い山」「死の山」とも呼ばれる。
・日本三大急登と言われる西黒尾根がある。
・つい最近、山頂の標柱が落雷で壊れたらしい。
日本百名山にも名を連ねおらでもその名は聞いたことがある有名な山ではありますが、まさかこんなに危険の多い山だったとは。ちょっと後悔しました。BSの「日本百名山」でも見ましたが、ロープウエーを使わないととんでもない山登りになりそうです。しかもおがだっつぁまも近くにいるなんて、空の上にも無事を願わないといけないとは。
Iさんは新潟に一泊して飲んで来たかったようでTも乗り気ですが、次の日の予定が入っているのと今後も無理無理参加のお出掛け予定がいくつか控えているので、節約の必要なおらはどうしても余計な出費を避けなければなりません。Iさんの唯一の心残りの山登りを純粋に実現してもらおうとギリギリ精一杯のおらの計画です。「谷川岳ば甘ぐ考えてねが?」とは言いますが、近くの温泉とかでなく夜の明るい新潟で飲みたいIさんの思考が透けて見えるようです。。後輩2人は進んで車の運転をしてくれるしおらも片道ならノンストップで運転できる自信があるので、他のメンバーには気の毒ですが日帰りで計画を作らせてもらいました。おそらく4人の中では一番燃費がいいであろうおらの車を使う事にし、高速代・ガソリン代・ゴンドラ代合わせて一人6千円の集金でお出掛けです。
先輩方からの「○○に行きたいな~」の一言で人集めや計画を任され、実現するのがいつもおらの務めです。来月ももう一つ計画を作り上げなくてはならず、「いい人」で生きるのも辛い時もあります。しかも週間天気予報では水上地方にはずっと雲と雨マークが付いていたので、雨の場合のバリエーションなどこの一週間気が気ではありませんでした。
AM2時半、目ざましで起床したおらは昨日のうちに握っておいたおにぎり(朝食・昼食)を冷蔵庫から出し、妻が寝る前に漬けてくれたなす漬けをタッパーに入れ持ち出します。天気予報は雲と晴れマークに変わっているのを確認し、他の準備も整え3時に自宅を出ました。途中でIさんを拾い、集合場所に到着です。他の2人も時間通り集まり予定通り山形市内を出発しました。
晴れを予感させる深い霧の中を走り、新潟の荒川胎内IC手前のローソンで買い物をして高速に乗ります。ここでKに運転を代り、おらは後部席で少し寝させてもらいました。8時20分、水上ICを出ました。ここはインターと一般道に出てからの道がちょっと分かりずらかったです。インター出てすぐの看板で「生温泉」のあるホテルを発見、「生」に惹かれた男4人は全員一致で帰りに入ることにしました。途中のセブンイレブンに最後の買い物のために立ち寄り、県外ナンバーの登山の格好をした山仲間達の中をロープウエー目指してTに運転を変わり出発しました。
8時50分天神平ロープウエーに到着、道路から右に下るとすぐ1Fの入り口があり、ここで500円を払います。おんちゃんの案内に従い立体駐車場の中を3Fまで進み、駐車しました。最初混乱しましたが建物が斜面に沿って作ってあるので1Fから5Fまでが駐車場で、売店や切符売り場のある6Fにエレベーターで上がっても、そこにはバス乗り場と正面入り口があり普通に地上1Fみたいになってます。
ロープウエーも混むと並ばなければならないようなので、急いで車を降り準備に入ります。無駄遣いを避けるため2千円をポケットに入れ財布を車の中に置いて、重いリュック(前日体重計に載せたら10kgあった)を背負いエレベーターで6Fに上がりました。Tに会計をお願いし集金したお金でゴンドラのチケットを4人分購入してもらっている間に、おらは登山届を書いてポストに入れます。この登山届にはミシン目の切り取り線がついていて、上が登山届で今ポストに、下が下山届で下山後にポストに入れるようにデザインされています。紙も厚めで費用もかかるでしょうがギネス認定の山は管理も徹底しています、その気持ちに応えるべく丁寧に記入しました。用紙を記入する台の前には「熊出没注意」の文字が。
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チケットの購入も終わり、飾ってある写真を見ながらゴンドラ乗り場へのスロープを歩きます。乗り場が見えたその時、Iさんが
「あっ!」
と声をあげました。何事かと様子を見ると、靴の底がペラペラと剥がれています。ギャグにしてはあまりにも出来過ぎたこんなタイミングで。「これでは山歩きは無理だ、どうしよう?」多分4人とも同じ言葉が頭をよぎったと思います。Tが自分の履いてきたスニーカーならあるという事でIさんとTの2人は車に戻ることになりました。「カギは?」と車のキーを要求され、
「あっ!」
と今度はおらが声をあげました。運転を任せて来たので車の施錠を忘れてきていることに気が付きました。「ゴメン、鍵も頼む」を施錠を託しKと2人で自動販売機の前のベンチにリュックを置いて待つこと1分・・・
「あっ!」
またおらの声。握ってきた昼食用のおにぎりをリュックに入れるのを忘れていることに気付き、おらも車に戻ることにしました。再度準備も整い6Fにエレベーターで着くと、
「あっ!」
と次はTが声をあげ、どうしたのか尋ねると「忘れ物した」とだけ言い残しそのまま食堂の方に歩いて行きました。その間に売店を覗くと登山靴が置いてあります。Iさんがどうせ帰ってから買うのならここで買っても同じだべと店員さんに値段を聞いたところ1万6千円強との事。きれいな回れ右で戻ってきました。Tはコンビニで水分だけ買っておにぎりを買うのを忘れて来たようで、食料を購入してきたようです。ロープウエーに着いてから大分時間を使ってやっとゴンドラに搭乗!
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10分位で天神平に到着しました。
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リフトに乗り、「皇室アルバム」で見た事があるようなスキー場を眺めながら天神峠駅に到着。リフトに乗ってすぐTが「あっ落ちた」と後ろで叫んでリフトから飛び降ります。持ち物を落としたようです、そこはすぐ地面に足が届きそうなくらい低い所だったので余裕で降りましたが、係員に怒られたと言って上がってきました。降り場からは谷川岳や遠くの景色がよく見えます。いい天気!いざ、出発!
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天神峠の標高1,500m、山頂が1,960m位なので約500m弱の登りです。「山頂まで3kmか、ちょろいな」またも浅はかな思考で歩き始め、岩場を下ります。途中、所々で何回も同じような谷川岳を写真に収めながら下ります。Kははしゃぐように走って皆の前に出て自慢の一眼レフカメラでパチパチと皆の写真を撮っています。前方に見える岩山の山肌が「やる気あるなら来いよ、別に待ってる訳じゃないから」と言っているようです。
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ぬかるみ等もありズボンの裾を汚さないように慎重に下ります。リフトで稼いだ高度を歩いて下げていることに途中で気がつきました。やがて天神平からの道と合流します。
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合流してからは木道の上を歩きますが、段差がハンパじゃありません。足が短く、くびれのないウエストからベルトとズボンが下がって脚が思うように広がらないので、はんばかるのに苦労します。しゃがんで脚を伸ばす度に太ももに負担がかかっているのも分かります。前のペースが速いので(おらと比べて)必死に手で支えたり木の枝を握りながら通過しました。ここでも大分高度を落としているようです。
次は鎖のある所が現れました。鎖は使わなくてもよさそうですがこういうものには理由があるはずです、念には念を入れて鎖をつかんで慎重に通過しました。このコースは時々山頂が見える場所があるのでついつい写真機を向けてしまいます。
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しばらくそんなことを繰り返して熊穴沢避難小屋を通過。熊・穴・小屋どれも熊の住処の様なネーミング、不気味です。
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あまり広くない場所に人がたくさんいてゆっくりできそうもありません。でも水分補給と脚を少し休めるべきでした。
「まだ休まねで通過すっべ」
との仲間の言葉に、
「いいよ」と即答し、休んでいる人達を横目にスタスタ歩いて通過しました。
それから間もなく、ホントにすぐに地獄の1丁目はやってきました。
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山ガールのスカートが女子高生のスカートだったらどこまでもついて行ったのに
。なんていつものチャラい発想はここでは頭の中をかすめることもありませんでした。
「こんなところは初体験だ、一つの間違いも許されない」
珍しく気が引き締まりました。上下のリュックの紐を締め身体に密着させ、BS日本百名山の谷川岳でみた3点支持を実践しながら岩登りに挑戦です。鎖をつかむより楽にクリアできました。ロープや鎖のあるこんな場所が3、4か所はあったでしょうか?岩場の登りがどこまでも続きます。後ろを振り返ると、天神峠を見下ろせる高さになってきました。
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燧ヶ岳?
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群馬方面の山々
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デブポッチャリの象徴である汗がポタポタと滴のように落ちて止まりません![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
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。この辺りから仲間について行くのがキツくなってきました。途中10分の大休憩をとりましたが、汗が止まらず身体の熱もとれません。この時すでに500mlのペットボトルの3本目の水に突入しておりました。車を降りる前にポカリスエットを300ml位一気に飲んできたのをはじめ、ここまで水と大豆行動食と塩飴を摂取してきましたが、胃の調子も変です。休憩を終え、もし遅れ始めても自分に構わず山頂まで行っててくれと仲間に伝え歩き始めました。
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疲れのせいか後続の人の足音がずっと背後近くに聞こえるのが気になり、おらにくっついて歩くので落石等に気を使います。写真を撮るふりして振り返って「どうぞ」と譲るとその人は先に行きません
。また歩き始めると間もなく後ろにくっついてきます。ここで敢て仲間との距離をとり、ここからは自分のペースで歩くことにして通路わきに一旦退避しました。後続の人をやり過ごし、マイペースで岩を選びながらゆっくりと登り始めます。
これがなんと歩きやすかったことか
。前について行くのを諦め一人で歩き始めたとたんに楽に歩けるようになり、はずむ息も安定してきました。さっき追い抜いて行った人達が休んでいるところを休まずに登り続けられます。登りがきつく長いので、スイスイとはいきませんが時々写真を撮ったりして足を止めながら登りました。いい天気です。
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花の写真を撮るために前屈みになるとめまいのような気が遠くなる感覚が襲ってきました。自分は今体調が悪いんだと自覚して、倒れないよう気を強く持ち、さらに小さな歩幅でゆっくりと進みました。気がつくとさっきは見上げていた西側の尾根が脇に見えています。岩場の連続で、岩の大きさに合わせて脚を広げなくてはいけないので歩幅の管理が大変です。おらの脚がズワイガニの様に細く長かったら・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
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間もなく天神のザンゲ岩で仲間が休んでいるところに追いつきました。Iさんはせっかちなのでみんな先に行っててと伝え、自分は休みながら写真を撮ったりしていました。標柱を写真に収めたかったのですが、他の人が標柱を抱えています。
「おい、邪魔だよ!」
心の中で叫ぶと、
「グー」
その人からいびきが聞こえてきました。そういえばさっき通路の真ん中でいびきをかいて休んでいた人も同じ人です。シャリバテじゃなければいいけど。
とりあえず腕の下の標柱を写真に収めました。
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この先岩登りがなさそうなので、ここでストックを持つことにしました。ストックの準備をしているとイビキの彼が突然立ち上がり、急ぐように登って行きました。
ここからまもなく階段状の上り坂になります。ストック歩きは予想以上に楽で、最初から使っていればおらの脚もここまでヤラれずに済んだかも。途中で休んでいるイビキの彼をパスしました。今度は階段の試練です、右脚の太ももがツリそうです。階段に右脚をかけ一段乗り上げるごとにソレはやってきます、そのツラさといったら・・・。休みながらの階段歩きとなりました。するとイビキの彼が追い抜いて行き、そこに下の岩場から時々見かけたカップルも混じえてツリそうになって止まるおらと抜きつ抜かれつの三つ巴のデッドヒート(?)となりました。
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12時半にようやく肩の小屋脇に到着、下からずっと見えていた風見鶏の様な標柱も上に見えます。小屋の周りには昼食を食べる人がたくさんいました。
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小屋の周りには仲間はいないので、山頂に登っていると思われます。小屋裏の石祠にお参りして登り始めます。山頂はもう少し、というところでガマンの限界を悟りました。下っ腹の切なさ
がズネゴ付近に下りてきています。山頂でもしくは肩の小屋脇に下りてきてからか、いづれにしても昼食を終えるまでガマンで乗り越えられないことをこれまでの豊富な経験から熟知(?)しているので、ここまで来たのにせっかくですが肩の小屋まで下ります。トイレは2棟あり、列ができています。100円の協力金が必要なので小屋に入り500円のバッジを購入しお釣りを100円玉でもらいました。トイレを使用するのは女性が多いので2つだとなかなか進みません。次の順番になってから3分位待ってやっと便所にしゃがむことができました。この時太ももの痛みが気にならない所はさすがです。ニオイが目に滲みるトイレを後にし、再び山頂に向かいました。
紫色の花の写真を撮りながら歩いていると、トマの耳でKが上から一眼レフカメラを構えこちらに手を振っています。少し急いでトマの耳到着!西黒の狭く急な尾根が見下ろせます。
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標柱の前は記念写真を撮る人でごった返しています。撮ってくださいと頼まれた人がスマホを渡され戸惑う姿には、おらも他人事ではないことを経験しています。とりあえず人の間からパチ。新しいので雷が落ちたというのは本当かも。
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他の2人はオキの耳に向かっているようで、後を追って
「オキの耳行ぐべ」
とKに伝えると
「4時まで下りねどゴンドラ止まっからいいべはっす」
というので、ここでまったりとしている事にしました。
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富士山も見えるのかな?
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10分ほどでオキの耳に行った2人が戻ってきました。早い!と思ったら一足早く到着した2人がオキの耳に向かっている間に、おらはといえばクネクネと両膝をくっつけながらトイレに並んで用を足していたのでした(-。-)y-゜゜゜。小屋に下りて昼食です。途中、花を見つけて写真を撮っていると年上のお姉さん方が「これはリンドウだね、途中のはトリカブトだったかな」と話しているのが耳に入りました。近くにある紫の花はリンドウ、下の方に咲いている紫の花はトリカブト、勉強になります。
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谷川岳での山ラー
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帰りの時間が気になるのでランチを楽しむのも時間押せ押せです。醤油ラーメン一杯をIさんとおらで半分こし、残った汁におにぎりを浸して食べました。その間に沸かしたお湯でドリップコーヒーを入れて飲みました。Kが持ってきたジェットボイルはあっという間にお湯が沸かせる選れものでした。それを見て一瞬「これは凄い!欲しい!」と星のように目が輝きましたが、鍋をかけてラーメンを煮ることはできないようなので欲しいもの失格です。
山形のマックスバリュで調達しここで開けたミネラルウォーターの2Lのペットボトルが「TOPVALU 谷川山系の水」という商品名だったので、疲れ切ったおらとIさんは意味もなくペットボトルを前に笑っていました。ラテン系の陽気で不気味なオヤジ達です。
午後2時、下山開始です。いやー、率直によくこんなところを登ったもんだという急坂を恐る恐る下ります。急な岩場は一人一人下りるので混雑します。岩場の度に混雑を繰り返しながら、徐々に下りていきます。前のグループのおねーちゃんがなかなか岩を下りられず難儀しています。おらから見ると、ストック使わないで岩をつかんで下りた方が安全で確実だと思うのですが、おらも上級者ではないので無責任な事は言えません。そんなことを偉そうに考えているおらはといえば腹ばいで岩に手をかけて下りたりしています。スピタレでも無事に下山すればいいのです。
45分かけて天狗の留まり場に到着、休憩します。誰かが「あと半分だ」と言って先に行きました。
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ここからが登りで感じた地獄の一丁目です。下りでは鎖もロープも全て使わせてもらいました。後ろにいた登りでデッドーヒートを繰り広げたカップルのおねーちゃんがイラついているようで、我々と前のグループの間を一人一人グイグイと割り込んで抜いて行きます。別に平らな所で急いでいる人には道を譲るんだから、何もわざわざ岩場の下りで横をすり抜けて人が足をかけようとした石を先に奪って抜いて行くのは危ないので止めた方がいいと思います。彼氏も同様に着いて行かないでね。
熊穴沢避難小屋を通過し、行くときに苦労した段差の大きい階段を逆に登ります。ここでKの脚が限界のようです。休憩を入れながら分岐を天神平方面へ進みますが、途中の木道の大きな段差のところにボタボタという感じで血が落ちていました ∑(O_O;)。誰か怪我でもしたのでしょうか?我々も所々で誰かしら小石につまづくようになってきてます(/ω\*)、気を付けなくては。
分岐を過ぎ、天神平方面に進みます。またまた山を振り返っては写真を撮ってしまいます。
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ロープウエーの駅が見え間もなくして3時50分、ようやく天神平に到着しました。
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犬を連れた観光の人達に「頂上まで登ってきたんですか?すごいですねぇ」と声をかけられ、尊敬されてるかもとガクガクいっている脚を隠し、
「天気もいいしナカナカの山でしたよ」 ( 訳:暑くてバテバテだったしこの山をナメてました)
と、手術後の医者みたいに軍手を外してベンチに落とし、帽子をとってベンチに落とし、絞れるようなタオルで額を拭いながらクールに答えました。
「写真撮ってもらえますか?」と声をかけられ、
( 声をかけてきた目的はこれか!)と気づいたのと同時に、犬を抱くその手にチラチラと見え隠れするスマホ( それ撮り方わかんねーんだよ)が握られているのを見逃しませんでした。
「いいですよ(笑)」と不安なくせに心の中とは反対のセリフを返し、いつものように「ココ押すだけでいいですから」と突起のない画面のボタンの絵を指で教えてもらいます。案の定一発でカシャッとはいかず、予備も含めて何回かシャッターマークを触りなんとか役目を終えました。
代わりにこちらも4人で記念撮影してもらい、ゴンドラに乗って帰るばかりです。
下りの高度感
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駐車場に戻り、あとは生温泉に入って山形に向かうばかりです。車で駐車場の5階に上がり道路に出ます。そして生温泉、入口には「本日の日帰り入浴は終了しました」の看板が(´・ω・`)ショボーン、次に水上温泉街に入るもさびれた感じで日帰り温泉を見つけられず、そして次に向かった日帰り温泉の前には駐車場が空くのを待つ車の列と客が入浴していると思われる大型バスが(´・ω・`)ショボーン(´・ω・`)ショボーン。
諦めて帰ることにしました。次の心配は夕食です、高速をノンストップで荒川胎内まで進み113号線を山形方面に向かいます。8時も過ぎるとこの道路は営業中の店を探すのが困難で、灯りのついている家も少なくなってきます。小国町に入ったとたんIさんが、小国駅前で店を探そうと言い出しました。木枯らしが吹くような閑散とした駅前通りにはビジネスホテルの灯りだけが2つくらい灯っているのみで、9時になろうというこの時間駅前には人の気配や営業中の店がある雰囲気が失せています。
自分たちの車の音がどこまでも響きそうな程静かな街を後にしようとしたその瞬間、微かな灯りの看板をIさんが見つけました。飲んでる客が2人と大音量のテレビが流れる店内に入りカツ重をみんなで注文し、40分程待ってようやく晩飯にありつけました。自宅まで運転の必要のないIさんはビールを頼み、
「俺よ~、あど2つ心残りの山あるんだ~」
とつぶやき始めます。
「えっ、あと2つ?」
たぶんみんな同じことを感じたと思います。この人の心残りは1つ実現すると細胞分裂するのでしょうか?
疲労のせいかな?カツ重がしょっぱくて血圧が上がったのかな?頭の中を不思議なモヤモヤが駆け巡りめまいを感じます。しかし先輩をシカトする訳にはいかず、地雷を踏む覚悟で
「それってどこっすか?」
勇気を振り絞り、後輩たちを代表して尋ねてみました。
「のりくらだけ」
Iさん、ネタ振りで有名どころを思いつきで言ってないっすよね
。 どこにあるとかどんな山とか、ましてやどうやって行くのかなんて誰も喰いつきませんでした。
Tが巧みな話術でマイルドにフェイドアウトする方向に話を進め、その後もう一つの心残りに話題が踏み込むことはありませんでした。
時刻は9時半をすでに回っており、11時に解散。その後自宅に着いたのが11時半頃でした。
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7月の磐梯山の帰り道、車内で先輩のIさんがボソッと発した言葉。
「俺よ~、一つだけ心残りがあってよ~。谷川岳さ登てみっだいんだ~。」
谷川岳、名前はよく聞く有名な山ですが近くはないはずです。話を聞くと新潟と東京を結ぶ関越道の途中に水上温泉という所があり、そこに宿泊した際に観光で天神平のロープウエーに乗った時に谷川岳が近く見え、登れそうだと思いながら帰って来たのを今でも悔やんでいるとの事。場所的には関越道の途中にある長い長いトンネルの近くだそうです。
「一つだけ心残り」
還暦を過ぎた人間のこの言葉には暗に、
「実現に協力してほしい」 (と言うか俺を谷川岳に連れてけ)
というメッセージがありありと伝わり、その要求を断ることを許さぬ逃げ場のない会話の流れが成立しつつあります。「関越道の長いトンネル・・・」、長野市や草津や白根山など日帰りでブラブラしに行った事は何度かあるので、経験上車で5時間あれば行けそうです。ロープウエイで上まで行ってすぐ横に見えるなら行動時間は4時間くらいとして日帰りできるかな?などと頭の中でプチシュミレーション(その時間約1秒)をしていると、
「いいっすよ!行きましょう!」
と後ろの席から後輩Tの力強い返事が、後に別の後輩Kも参加する事となり4人での谷川岳挑戦が決定しました。結局、いつものとおりおらが一番の足引っ張りにはなりましたが・・・・・。
(行程)
山形市内出発(4:00) → 水上IC(8:20) → ロープウエー下駅(8:50) → ロープウエー上駅(9:40) → リフト天神峠駅出発(9:50) → 熊穴沢避難小屋(10:35) → 肩の小屋(12:30) → トマの耳(13:00) → 肩の小屋で昼食(13:20-14:00) → 熊穴沢避難小屋(15:00) → ロープウエー上駅(15:40) → 水上IC(17:00) → 山形市内到着(22:45)
ロープウエー使って楽チンな山登りなんて邪道じゃないのか?物事に取り組む姿勢を重んじる( 型にこだわって機会を逸する)おらは当初そう思っておりましたが、調べれば調べるほどすごいゾ!谷川岳。
・遭難者が多く世界一(ギネス認定)。
・「魔の山」「人喰い山」「死の山」とも呼ばれる。
・日本三大急登と言われる西黒尾根がある。
・つい最近、山頂の標柱が落雷で壊れたらしい。
日本百名山にも名を連ねおらでもその名は聞いたことがある有名な山ではありますが、まさかこんなに危険の多い山だったとは。ちょっと後悔しました。BSの「日本百名山」でも見ましたが、ロープウエーを使わないととんでもない山登りになりそうです。しかもおがだっつぁまも近くにいるなんて、空の上にも無事を願わないといけないとは。
Iさんは新潟に一泊して飲んで来たかったようでTも乗り気ですが、次の日の予定が入っているのと今後も無理無理参加のお出掛け予定がいくつか控えているので、節約の必要なおらはどうしても余計な出費を避けなければなりません。Iさんの唯一の心残りの山登りを純粋に実現してもらおうとギリギリ精一杯のおらの計画です。「谷川岳ば甘ぐ考えてねが?」とは言いますが、近くの温泉とかでなく夜の明るい新潟で飲みたいIさんの思考が透けて見えるようです。。後輩2人は進んで車の運転をしてくれるしおらも片道ならノンストップで運転できる自信があるので、他のメンバーには気の毒ですが日帰りで計画を作らせてもらいました。おそらく4人の中では一番燃費がいいであろうおらの車を使う事にし、高速代・ガソリン代・ゴンドラ代合わせて一人6千円の集金でお出掛けです。
先輩方からの「○○に行きたいな~」の一言で人集めや計画を任され、実現するのがいつもおらの務めです。来月ももう一つ計画を作り上げなくてはならず、「いい人」で生きるのも辛い時もあります。しかも週間天気予報では水上地方にはずっと雲と雨マークが付いていたので、雨の場合のバリエーションなどこの一週間気が気ではありませんでした。
AM2時半、目ざましで起床したおらは昨日のうちに握っておいたおにぎり(朝食・昼食)を冷蔵庫から出し、妻が寝る前に漬けてくれたなす漬けをタッパーに入れ持ち出します。天気予報は雲と晴れマークに変わっているのを確認し、他の準備も整え3時に自宅を出ました。途中でIさんを拾い、集合場所に到着です。他の2人も時間通り集まり予定通り山形市内を出発しました。
晴れを予感させる深い霧の中を走り、新潟の荒川胎内IC手前のローソンで買い物をして高速に乗ります。ここでKに運転を代り、おらは後部席で少し寝させてもらいました。8時20分、水上ICを出ました。ここはインターと一般道に出てからの道がちょっと分かりずらかったです。インター出てすぐの看板で「生温泉」のあるホテルを発見、「生」に惹かれた男4人は全員一致で帰りに入ることにしました。途中のセブンイレブンに最後の買い物のために立ち寄り、県外ナンバーの登山の格好をした山仲間達の中をロープウエー目指してTに運転を変わり出発しました。
8時50分天神平ロープウエーに到着、道路から右に下るとすぐ1Fの入り口があり、ここで500円を払います。おんちゃんの案内に従い立体駐車場の中を3Fまで進み、駐車しました。最初混乱しましたが建物が斜面に沿って作ってあるので1Fから5Fまでが駐車場で、売店や切符売り場のある6Fにエレベーターで上がっても、そこにはバス乗り場と正面入り口があり普通に地上1Fみたいになってます。
ロープウエーも混むと並ばなければならないようなので、急いで車を降り準備に入ります。無駄遣いを避けるため2千円をポケットに入れ財布を車の中に置いて、重いリュック(前日体重計に載せたら10kgあった)を背負いエレベーターで6Fに上がりました。Tに会計をお願いし集金したお金でゴンドラのチケットを4人分購入してもらっている間に、おらは登山届を書いてポストに入れます。この登山届にはミシン目の切り取り線がついていて、上が登山届で今ポストに、下が下山届で下山後にポストに入れるようにデザインされています。紙も厚めで費用もかかるでしょうがギネス認定の山は管理も徹底しています、その気持ちに応えるべく丁寧に記入しました。用紙を記入する台の前には「熊出没注意」の文字が。
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チケットの購入も終わり、飾ってある写真を見ながらゴンドラ乗り場へのスロープを歩きます。乗り場が見えたその時、Iさんが
「あっ!」
と声をあげました。何事かと様子を見ると、靴の底がペラペラと剥がれています。ギャグにしてはあまりにも出来過ぎたこんなタイミングで。「これでは山歩きは無理だ、どうしよう?」多分4人とも同じ言葉が頭をよぎったと思います。Tが自分の履いてきたスニーカーならあるという事でIさんとTの2人は車に戻ることになりました。「カギは?」と車のキーを要求され、
「あっ!」
と今度はおらが声をあげました。運転を任せて来たので車の施錠を忘れてきていることに気が付きました。「ゴメン、鍵も頼む」を施錠を託しKと2人で自動販売機の前のベンチにリュックを置いて待つこと1分・・・
「あっ!」
またおらの声。握ってきた昼食用のおにぎりをリュックに入れるのを忘れていることに気付き、おらも車に戻ることにしました。再度準備も整い6Fにエレベーターで着くと、
「あっ!」
と次はTが声をあげ、どうしたのか尋ねると「忘れ物した」とだけ言い残しそのまま食堂の方に歩いて行きました。その間に売店を覗くと登山靴が置いてあります。Iさんがどうせ帰ってから買うのならここで買っても同じだべと店員さんに値段を聞いたところ1万6千円強との事。きれいな回れ右で戻ってきました。Tはコンビニで水分だけ買っておにぎりを買うのを忘れて来たようで、食料を購入してきたようです。ロープウエーに着いてから大分時間を使ってやっとゴンドラに搭乗!
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10分位で天神平に到着しました。
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リフトに乗り、「皇室アルバム」で見た事があるようなスキー場を眺めながら天神峠駅に到着。リフトに乗ってすぐTが「あっ落ちた」と後ろで叫んでリフトから飛び降ります。持ち物を落としたようです、そこはすぐ地面に足が届きそうなくらい低い所だったので余裕で降りましたが、係員に怒られたと言って上がってきました。降り場からは谷川岳や遠くの景色がよく見えます。いい天気!いざ、出発!
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天神峠の標高1,500m、山頂が1,960m位なので約500m弱の登りです。「山頂まで3kmか、ちょろいな」またも浅はかな思考で歩き始め、岩場を下ります。途中、所々で何回も同じような谷川岳を写真に収めながら下ります。Kははしゃぐように走って皆の前に出て自慢の一眼レフカメラでパチパチと皆の写真を撮っています。前方に見える岩山の山肌が「やる気あるなら来いよ、別に待ってる訳じゃないから」と言っているようです。
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ぬかるみ等もありズボンの裾を汚さないように慎重に下ります。リフトで稼いだ高度を歩いて下げていることに途中で気がつきました。やがて天神平からの道と合流します。
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合流してからは木道の上を歩きますが、段差がハンパじゃありません。足が短く、くびれのないウエストからベルトとズボンが下がって脚が思うように広がらないので、はんばかるのに苦労します。しゃがんで脚を伸ばす度に太ももに負担がかかっているのも分かります。前のペースが速いので(おらと比べて)必死に手で支えたり木の枝を握りながら通過しました。ここでも大分高度を落としているようです。
次は鎖のある所が現れました。鎖は使わなくてもよさそうですがこういうものには理由があるはずです、念には念を入れて鎖をつかんで慎重に通過しました。このコースは時々山頂が見える場所があるのでついつい写真機を向けてしまいます。
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しばらくそんなことを繰り返して熊穴沢避難小屋を通過。熊・穴・小屋どれも熊の住処の様なネーミング、不気味です。
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あまり広くない場所に人がたくさんいてゆっくりできそうもありません。でも水分補給と脚を少し休めるべきでした。
「まだ休まねで通過すっべ」
との仲間の言葉に、
「いいよ」と即答し、休んでいる人達を横目にスタスタ歩いて通過しました。
それから間もなく、ホントにすぐに地獄の1丁目はやってきました。
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山ガールのスカートが女子高生のスカートだったらどこまでもついて行ったのに
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「こんなところは初体験だ、一つの間違いも許されない」
珍しく気が引き締まりました。上下のリュックの紐を締め身体に密着させ、BS日本百名山の谷川岳でみた3点支持を実践しながら岩登りに挑戦です。鎖をつかむより楽にクリアできました。ロープや鎖のあるこんな場所が3、4か所はあったでしょうか?岩場の登りがどこまでも続きます。後ろを振り返ると、天神峠を見下ろせる高さになってきました。
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燧ヶ岳?
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群馬方面の山々
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疲れのせいか後続の人の足音がずっと背後近くに聞こえるのが気になり、おらにくっついて歩くので落石等に気を使います。写真を撮るふりして振り返って「どうぞ」と譲るとその人は先に行きません
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これがなんと歩きやすかったことか
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花の写真を撮るために前屈みになるとめまいのような気が遠くなる感覚が襲ってきました。自分は今体調が悪いんだと自覚して、倒れないよう気を強く持ち、さらに小さな歩幅でゆっくりと進みました。気がつくとさっきは見上げていた西側の尾根が脇に見えています。岩場の連続で、岩の大きさに合わせて脚を広げなくてはいけないので歩幅の管理が大変です。おらの脚がズワイガニの様に細く長かったら・・・
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間もなく天神のザンゲ岩で仲間が休んでいるところに追いつきました。Iさんはせっかちなのでみんな先に行っててと伝え、自分は休みながら写真を撮ったりしていました。標柱を写真に収めたかったのですが、他の人が標柱を抱えています。
「おい、邪魔だよ!」
心の中で叫ぶと、
「グー」
その人からいびきが聞こえてきました。そういえばさっき通路の真ん中でいびきをかいて休んでいた人も同じ人です。シャリバテじゃなければいいけど。
とりあえず腕の下の標柱を写真に収めました。
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この先岩登りがなさそうなので、ここでストックを持つことにしました。ストックの準備をしているとイビキの彼が突然立ち上がり、急ぐように登って行きました。
ここからまもなく階段状の上り坂になります。ストック歩きは予想以上に楽で、最初から使っていればおらの脚もここまでヤラれずに済んだかも。途中で休んでいるイビキの彼をパスしました。今度は階段の試練です、右脚の太ももがツリそうです。階段に右脚をかけ一段乗り上げるごとにソレはやってきます、そのツラさといったら・・・。休みながらの階段歩きとなりました。するとイビキの彼が追い抜いて行き、そこに下の岩場から時々見かけたカップルも混じえてツリそうになって止まるおらと抜きつ抜かれつの三つ巴のデッドヒート(?)となりました。
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12時半にようやく肩の小屋脇に到着、下からずっと見えていた風見鶏の様な標柱も上に見えます。小屋の周りには昼食を食べる人がたくさんいました。
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小屋の周りには仲間はいないので、山頂に登っていると思われます。小屋裏の石祠にお参りして登り始めます。山頂はもう少し、というところでガマンの限界を悟りました。下っ腹の切なさ
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紫色の花の写真を撮りながら歩いていると、トマの耳でKが上から一眼レフカメラを構えこちらに手を振っています。少し急いでトマの耳到着!西黒の狭く急な尾根が見下ろせます。
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標柱の前は記念写真を撮る人でごった返しています。撮ってくださいと頼まれた人がスマホを渡され戸惑う姿には、おらも他人事ではないことを経験しています。とりあえず人の間からパチ。新しいので雷が落ちたというのは本当かも。
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他の2人はオキの耳に向かっているようで、後を追って
「オキの耳行ぐべ」
とKに伝えると
「4時まで下りねどゴンドラ止まっからいいべはっす」
というので、ここでまったりとしている事にしました。
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富士山も見えるのかな?
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10分ほどでオキの耳に行った2人が戻ってきました。早い!と思ったら一足早く到着した2人がオキの耳に向かっている間に、おらはといえばクネクネと両膝をくっつけながらトイレに並んで用を足していたのでした(-。-)y-゜゜゜。小屋に下りて昼食です。途中、花を見つけて写真を撮っていると年上のお姉さん方が「これはリンドウだね、途中のはトリカブトだったかな」と話しているのが耳に入りました。近くにある紫の花はリンドウ、下の方に咲いている紫の花はトリカブト、勉強になります。
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谷川岳での山ラー
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帰りの時間が気になるのでランチを楽しむのも時間押せ押せです。醤油ラーメン一杯をIさんとおらで半分こし、残った汁におにぎりを浸して食べました。その間に沸かしたお湯でドリップコーヒーを入れて飲みました。Kが持ってきたジェットボイルはあっという間にお湯が沸かせる選れものでした。それを見て一瞬「これは凄い!欲しい!」と星のように目が輝きましたが、鍋をかけてラーメンを煮ることはできないようなので欲しいもの失格です。
山形のマックスバリュで調達しここで開けたミネラルウォーターの2Lのペットボトルが「TOPVALU 谷川山系の水」という商品名だったので、疲れ切ったおらとIさんは意味もなくペットボトルを前に笑っていました。ラテン系の陽気で不気味なオヤジ達です。
午後2時、下山開始です。いやー、率直によくこんなところを登ったもんだという急坂を恐る恐る下ります。急な岩場は一人一人下りるので混雑します。岩場の度に混雑を繰り返しながら、徐々に下りていきます。前のグループのおねーちゃんがなかなか岩を下りられず難儀しています。おらから見ると、ストック使わないで岩をつかんで下りた方が安全で確実だと思うのですが、おらも上級者ではないので無責任な事は言えません。そんなことを偉そうに考えているおらはといえば腹ばいで岩に手をかけて下りたりしています。スピタレでも無事に下山すればいいのです。
45分かけて天狗の留まり場に到着、休憩します。誰かが「あと半分だ」と言って先に行きました。
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ここからが登りで感じた地獄の一丁目です。下りでは鎖もロープも全て使わせてもらいました。後ろにいた登りでデッドーヒートを繰り広げたカップルのおねーちゃんがイラついているようで、我々と前のグループの間を一人一人グイグイと割り込んで抜いて行きます。別に平らな所で急いでいる人には道を譲るんだから、何もわざわざ岩場の下りで横をすり抜けて人が足をかけようとした石を先に奪って抜いて行くのは危ないので止めた方がいいと思います。彼氏も同様に着いて行かないでね。
熊穴沢避難小屋を通過し、行くときに苦労した段差の大きい階段を逆に登ります。ここでKの脚が限界のようです。休憩を入れながら分岐を天神平方面へ進みますが、途中の木道の大きな段差のところにボタボタという感じで血が落ちていました ∑(O_O;)。誰か怪我でもしたのでしょうか?我々も所々で誰かしら小石につまづくようになってきてます(/ω\*)、気を付けなくては。
分岐を過ぎ、天神平方面に進みます。またまた山を振り返っては写真を撮ってしまいます。
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ロープウエーの駅が見え間もなくして3時50分、ようやく天神平に到着しました。
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犬を連れた観光の人達に「頂上まで登ってきたんですか?すごいですねぇ」と声をかけられ、尊敬されてるかもとガクガクいっている脚を隠し、
「天気もいいしナカナカの山でしたよ」 ( 訳:暑くてバテバテだったしこの山をナメてました)
と、手術後の医者みたいに軍手を外してベンチに落とし、帽子をとってベンチに落とし、絞れるようなタオルで額を拭いながらクールに答えました。
「写真撮ってもらえますか?」と声をかけられ、
( 声をかけてきた目的はこれか!)と気づいたのと同時に、犬を抱くその手にチラチラと見え隠れするスマホ( それ撮り方わかんねーんだよ)が握られているのを見逃しませんでした。
「いいですよ(笑)」と不安なくせに心の中とは反対のセリフを返し、いつものように「ココ押すだけでいいですから」と突起のない画面のボタンの絵を指で教えてもらいます。案の定一発でカシャッとはいかず、予備も含めて何回かシャッターマークを触りなんとか役目を終えました。
代わりにこちらも4人で記念撮影してもらい、ゴンドラに乗って帰るばかりです。
下りの高度感
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/41/1914867608a7b262972b2de4f3e09406.jpg)
駐車場に戻り、あとは生温泉に入って山形に向かうばかりです。車で駐車場の5階に上がり道路に出ます。そして生温泉、入口には「本日の日帰り入浴は終了しました」の看板が(´・ω・`)ショボーン、次に水上温泉街に入るもさびれた感じで日帰り温泉を見つけられず、そして次に向かった日帰り温泉の前には駐車場が空くのを待つ車の列と客が入浴していると思われる大型バスが(´・ω・`)ショボーン(´・ω・`)ショボーン。
諦めて帰ることにしました。次の心配は夕食です、高速をノンストップで荒川胎内まで進み113号線を山形方面に向かいます。8時も過ぎるとこの道路は営業中の店を探すのが困難で、灯りのついている家も少なくなってきます。小国町に入ったとたんIさんが、小国駅前で店を探そうと言い出しました。木枯らしが吹くような閑散とした駅前通りにはビジネスホテルの灯りだけが2つくらい灯っているのみで、9時になろうというこの時間駅前には人の気配や営業中の店がある雰囲気が失せています。
自分たちの車の音がどこまでも響きそうな程静かな街を後にしようとしたその瞬間、微かな灯りの看板をIさんが見つけました。飲んでる客が2人と大音量のテレビが流れる店内に入りカツ重をみんなで注文し、40分程待ってようやく晩飯にありつけました。自宅まで運転の必要のないIさんはビールを頼み、
「俺よ~、あど2つ心残りの山あるんだ~」
とつぶやき始めます。
「えっ、あと2つ?」
たぶんみんな同じことを感じたと思います。この人の心残りは1つ実現すると細胞分裂するのでしょうか?
疲労のせいかな?カツ重がしょっぱくて血圧が上がったのかな?頭の中を不思議なモヤモヤが駆け巡りめまいを感じます。しかし先輩をシカトする訳にはいかず、地雷を踏む覚悟で
「それってどこっすか?」
勇気を振り絞り、後輩たちを代表して尋ねてみました。
「のりくらだけ」
Iさん、ネタ振りで有名どころを思いつきで言ってないっすよね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
Tが巧みな話術でマイルドにフェイドアウトする方向に話を進め、その後もう一つの心残りに話題が踏み込むことはありませんでした。
時刻は9時半をすでに回っており、11時に解散。その後自宅に着いたのが11時半頃でした。
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