18日、とっぷりと日が暮れたグラウンドに大声が響いた。久留米商(福岡)の練習は、全員で校歌を歌って終わる。歌いながら、主将の長隆成(3年)は思う。「最近、一日が過ぎるのが早いな」。1球も無駄にしたくない。そんな心境で練習に集中している。
小学3年生から野球を始めて10年目。卒業後の進路は公務員を考えており、野球に打ち込むのは、これが最後だろう。野球は高校まで、と考える仲間はほかにもいる。そんな自分たちにとって、第100回大会の夏はまさに集大成になる。
この日、守備練習では、同じ3年生の若宮凌がノックバットを握っていた。2週間ほど前から、メンバー入りは難しいと悟った3年生が自ら練習の補助に回ってくれている。そんな時期が来たのだ。「終わりが近づいている」。長は改めて身が引き締まる思いだ。
打線は仕上がった。6月の練習試合の平均得点は8点以上。過去2年と比べても打力はある。あとは投手陣の調子がもう一つ上がってくれば、申し分ない。
自分たちの代になって、何か一つ徹底してみようと話し合った。決めたのは練習前の清掃。10分から15分。ごみや小石を拾い、草を取る。このチームは実直だ。その半面、いい意味ではじけ、テンションを高めきれないところもある。勝負事はときに威勢のよさも必要だ。
「雰囲気が悪くなったとき、自分たちで流れを変えるかどうか。声を出し、気持ちでやるだけです」。長の目に力がこもった。(隈部康弘)
小学3年生から野球を始めて10年目。卒業後の進路は公務員を考えており、野球に打ち込むのは、これが最後だろう。野球は高校まで、と考える仲間はほかにもいる。そんな自分たちにとって、第100回大会の夏はまさに集大成になる。
この日、守備練習では、同じ3年生の若宮凌がノックバットを握っていた。2週間ほど前から、メンバー入りは難しいと悟った3年生が自ら練習の補助に回ってくれている。そんな時期が来たのだ。「終わりが近づいている」。長は改めて身が引き締まる思いだ。
打線は仕上がった。6月の練習試合の平均得点は8点以上。過去2年と比べても打力はある。あとは投手陣の調子がもう一つ上がってくれば、申し分ない。
自分たちの代になって、何か一つ徹底してみようと話し合った。決めたのは練習前の清掃。10分から15分。ごみや小石を拾い、草を取る。このチームは実直だ。その半面、いい意味ではじけ、テンションを高めきれないところもある。勝負事はときに威勢のよさも必要だ。
「雰囲気が悪くなったとき、自分たちで流れを変えるかどうか。声を出し、気持ちでやるだけです」。長の目に力がこもった。(隈部康弘)