「化物園」恒川光太郎
ケシヨウという謎の生き物。サバトラの猫?が共通する存在として登場してくるが、時代も場所もバラバラな短編。
面白かったです。3つ★半~4つ★
「猫どろぼう猫」
空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げる途中、奇妙な老人に出会う。老人は、やっとケシヨウを見つけた!これから自分がしとめる!と意気込んでいた。
NHKの撮影取材だと嘘を言って、その場をやり過ごすのだが・・・。
「窮鼠の旅」
高学歴ニートの男。父が突然死したのを、そのまま隠蔽しようとする。
しかし、自宅を離れ、浮浪者になっていたところ、とある女から1日1000円で簡単な食事とねぐらを与えてもらう。その後、その女と一緒に自殺しようと持ち掛けられるも、女が先に飛び降り自殺してしまう。結局男は自宅へ戻って来た・・・。
「風のない夕暮れ、狐たちと」
DVを受けていた女性が、辺鄙など田舎で住込みのお手伝いさんとして働くことになる。そのお屋敷には、一人息子で大人なのに幼い男と後妻さんで物分かりのとても良いマダムが暮らしていた。そこでの暮らしは良かったのだが、ある日突然解雇通告を受ける。元の生活に戻ると、前の生活がどれほど良かったか?が身に染みるのだった。
お屋敷に頻繁に出入りしていた謎の男から、「何もかも欲しくなったら連絡して」と言われていたのを思い出して連絡する。
と、その数か月後マダムが病気で亡くなって、一人息子と結婚し、みごとお屋敷に暮らす生活が手に入るのだが、幸せどころか虚無感と、そこから逃げ出したい気持ちが募り、どんどん屋敷は雑草だらけになっていく・・・
「十字路の蛇」
子供の頃、いつも同じ場所に同じ服装で座っていた謎の男。
塾帰りに友人が彼にからむと、彼は友人の名前を知っていた!その後友人の父が突然亡くなり・・・謎の男が何でも屋で、友人の母からの依頼で父を殺したのでは?と勝手に想像。。
その後、友人は不登校から、連絡がとだえ、後に亡くなってしまい、何十年物年月が経った。
謎の男は娘がこの場所でクリーニング屋が運転する車にはねられて亡くなって以後、ここで弔いを続けていたことを知る。毎日ここを犯人が仕事のために通る時に、彼がいるということで、事件を忘れさせないという為に。
もう何十年も経って平気だろうと、つい過去の話を気軽に洋食屋の店員にしゃべってしまった後、自分の現在住む町で、あの謎の男から連絡が! 何故か植木という女性と浮気していることを謎の男は知っていて、これからその事で全てを失いそうである・・・。
「胡乱の山犬」
幼い頃から残虐嗜好のある男。弟を後ろから石で殴ったことで、男の置屋に飛ばされる。そこで幼い男だけが好きなおりくと知り合い良い仲になるが、青年になったら捨てられ・・・
「日陰の鳥」
リュクという少年。言葉も解らず、何もわからず、嫌われていじめにあっている。
「音楽の子供たち」
小さい頃から閉鎖的な処で育って来た。
似た様な少年少女が12人暮らすうちに、カップルが出来たり、食事のために強制的に行う演奏が上達して行ったりするが・・・。
化物園 2022/5/23 恒川光太郎
ケシヨウという謎の生き物。サバトラの猫?が共通する存在として登場してくるが、時代も場所もバラバラな短編。
面白かったです。3つ★半~4つ★
「猫どろぼう猫」
空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げる途中、奇妙な老人に出会う。老人は、やっとケシヨウを見つけた!これから自分がしとめる!と意気込んでいた。
NHKの撮影取材だと嘘を言って、その場をやり過ごすのだが・・・。
「窮鼠の旅」
高学歴ニートの男。父が突然死したのを、そのまま隠蔽しようとする。
しかし、自宅を離れ、浮浪者になっていたところ、とある女から1日1000円で簡単な食事とねぐらを与えてもらう。その後、その女と一緒に自殺しようと持ち掛けられるも、女が先に飛び降り自殺してしまう。結局男は自宅へ戻って来た・・・。
「風のない夕暮れ、狐たちと」
DVを受けていた女性が、辺鄙など田舎で住込みのお手伝いさんとして働くことになる。そのお屋敷には、一人息子で大人なのに幼い男と後妻さんで物分かりのとても良いマダムが暮らしていた。そこでの暮らしは良かったのだが、ある日突然解雇通告を受ける。元の生活に戻ると、前の生活がどれほど良かったか?が身に染みるのだった。
お屋敷に頻繁に出入りしていた謎の男から、「何もかも欲しくなったら連絡して」と言われていたのを思い出して連絡する。
と、その数か月後マダムが病気で亡くなって、一人息子と結婚し、みごとお屋敷に暮らす生活が手に入るのだが、幸せどころか虚無感と、そこから逃げ出したい気持ちが募り、どんどん屋敷は雑草だらけになっていく・・・
「十字路の蛇」
子供の頃、いつも同じ場所に同じ服装で座っていた謎の男。
塾帰りに友人が彼にからむと、彼は友人の名前を知っていた!その後友人の父が突然亡くなり・・・謎の男が何でも屋で、友人の母からの依頼で父を殺したのでは?と勝手に想像。。
その後、友人は不登校から、連絡がとだえ、後に亡くなってしまい、何十年物年月が経った。
謎の男は娘がこの場所でクリーニング屋が運転する車にはねられて亡くなって以後、ここで弔いを続けていたことを知る。毎日ここを犯人が仕事のために通る時に、彼がいるということで、事件を忘れさせないという為に。
もう何十年も経って平気だろうと、つい過去の話を気軽に洋食屋の店員にしゃべってしまった後、自分の現在住む町で、あの謎の男から連絡が! 何故か植木という女性と浮気していることを謎の男は知っていて、これからその事で全てを失いそうである・・・。
「胡乱の山犬」
幼い頃から残虐嗜好のある男。弟を後ろから石で殴ったことで、男の置屋に飛ばされる。そこで幼い男だけが好きなおりくと知り合い良い仲になるが、青年になったら捨てられ・・・
「日陰の鳥」
リュクという少年。言葉も解らず、何もわからず、嫌われていじめにあっている。
「音楽の子供たち」
小さい頃から閉鎖的な処で育って来た。
似た様な少年少女が12人暮らすうちに、カップルが出来たり、食事のために強制的に行う演奏が上達して行ったりするが・・・。
化物園 2022/5/23 恒川光太郎
あるものの、なかなかバラエティに富んだ
作品集でしたね。
久しぶりに恒川さんらしい世界観にどっぷり
浸った感じがしました。
コメントありがとうございます。
ケシヨウという謎の怪物が共通しつつも、それぞれ違った味わいや内容の短編でしたね。
恒川さんに、こういうタイプのお話を望む人はやっぱり多いんでしょうね、でも作家さんの立場になってみると、さすがに一杯書き続けていると違った作風にもトライしてみたいでしょうし、難しい処ですね。