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「東京ヒゴロ」 (1.2.3)松本大洋 ネタバレ

2024-04-30 | 小説・漫画他

東京ヒゴロ3巻が少し前に既に出版されていたのをGWに読みました。

去年の4月に1,2巻を読んでいたのに結構忘れていて、その状態で3を読んだので、あれ?この人ってどういう人だったっけ?って忘れていることにショック。
それでもやっぱり凄く良くてね・・・。
毎号それぞれ単独でお話になっている?短編からなっているお話なのだけれど、どれも良くて、涙腺がやばかったです。年だからかなあ・・・
3巻読んですぐ、1巻からまた再読しました。
やっぱり続けて読まないと気がつけない部分があるから、最初から再読して3を読むべきだな・・。
(1巻で十五さんの大きな人形が塩澤さんちにあったり、猫山先生の漫画が古本屋で売られてるシーンがあったり・・・)

やっぱり松本大洋さん、いいなー、好きだなーって改めて今回も思いました。
絵も上手いし、電車や街の絵とかの風景とかも好きだし、哀愁あるのよね。
そして絵だけじゃなくて、お話がね・・・鼻の奥がツンとなる。 

ただ、3巻で終わりだったの?という衝撃が。
最初のお話は、お初で登場する漫画家さんですよね?こういうお話が出て来るってことは、まだまだ続く気配があったのに・・・
なんだか、あっという間に終わられてしまった感があって(別に不自然ではないし、ちゃんとシッカリオチもあったんだけど)もっと読みたかったので、ちょっとがっかり。

とはいえ、漫画が長くズルズル続く事が多い中、スパッと終わるのも悪くない・・のかな。
3巻全部好きだったので、5つ★

★以下ネタバレ★

長作のところ良かったなあ・・・。娘ちゃんが好きな女性作家さんの処に一緒に行って、娘の喜ぶ様子を横で見ている・・・切ないねえ・・・。
娘ちゃんは友達と今上手く行ってないみたいだけど、父のヒット作だったボロの人形を今でも一番の友達として大事にしてるのよね・・・ううう・・。
アーティストさんの産みの苦しみって大変ですよね。
長作は日々喫茶店にこもってるけど書けない・・・。気分転換に外に出て歩いていた時、ピンとひらめいたのね?慌てて店に戻って描いて。
そのお話は久しぶりに良いマンガだったみたい。良かった!青木も喜んでいた。
塩澤さんが作る本、どこも置いてくれなくて・・・、でも老舗のおじいちゃんのお店では、この本の漫画家さんたちの良さをちゃんと解ってくれていて、塩澤さんの前回作った本のことも好きだったそうで、喜んで置いてくれると! そして電話をかけた息子さんは、今や大きなカメリア書房を経営する社長になっていて、そこでも扱ってもらえることに。椿・カメリア→すぐ気がつかなかったよ。
そしてその本が販売開始。評判も良く売れてるみたい、本当に良かった!
ラストは嵐山先生に会いに行った処で終わる。きっと描いてくれるんだろうなー。
全て上手く行き過ぎって思われる方もいるかもしれないけど、こんな世知辛い世だから、こういう明るい温かいラストで終わるのは、私は良いと思いました。
以上
・・・・・・・・・・・・・

以下は2023-04-06 に書いていた分(今読み返したら、上と殆ど同じ事言ってる・・・恥)

松本大洋さんのファンなのに、うっかりしてた。
既に2年位前から、こんな連載が始まって漫画本も出てたとは。
そういや最近雑誌の「ダヴィンチ」も読んでなかったな(情報そこから得る事多かったから)

いやー、やっぱり好きだわ松本大洋!
絵が好き。街の風景とか凄く好きだなー。
あと本作はストーリーも凄く染みる内容で、何度もぐっと来ちゃいました。

真面目な編集者の塩澤さん。
文鳥と暮らしてる。売れずに2年で廃刊になった雑誌を作った責任を感じて会社を自主退社する。家にあった大量の漫画本を売ろうとするも踏みとどまる。
やっぱり漫画が好き。捨てられない。
買い取りに来たオッサンも怒らず理解してくれるのよね。

そして、退職金で自分が好きな作家さんを集めた雑誌を作ろうと決め、漫画家さん達の処に訪ねて行く。
その多くの人が、かつて光っていたけど、長年ずっと停止中。
訪ねて行くと現在のその人達の暮らしぶりが・・・。
みんなそれぞれ楽じゃない暮らしをしてる。
でも塩澤さんが覚えていてくれたことを喜ぶ人が多い。
そして無理かも・・考えさせて、、と言うものの、ほとんどの人がまた描くのよね・・・。

また「ピンポン」を引き合いに出して申し訳ないけど、なんだろうな・・・「ピンポン」の月星コンビ部分を抜かした後日談の部分の感じ?なんか、それに似た雰囲気をこの作品も感じるのですよ。
ラストシーンで、現在はほとんどの人が卓球とは違う処や仕事で生きてるというのが解るのよね。ああいう哀愁ある感じ・・・こういうのにめっぽう弱いです。

才能無いと解って一度は辞めても、それでもやっぱり卓球が好きだからと何度もあがいて卓球をするアクマ。ドラゴンの学校の卓球部の副部長とか、あの辺りを連想させられる処もあるし(これ、私が勝手にそう感じただけ)

★以下2巻のネタバレ★
2巻ラストの青木。文句や暴言が多かった彼。人気が出れば楽しく生きられると思ってたのに。
売れっ子になっての彼の現在の苦しい様子がね、もう見ていていたたまれなかった。故郷に帰った時の様子とか・・・。自分が売れてみて初めて気がついた。って・・・・
以上

漫画家って本当に大変なお仕事ですね・・・。漫画って言っても芸術家と同じですからね(と、私は思ってる。画家さんとか数年に一つ作品出す、みたいな人もいらっしゃるけど、週刊とか月刊誌の連載とかで追い立てられる様な漫画家はより過酷なんじゃないか?と思うな。雑誌内での人気投票みたいのもあるし・・・)

東京ヒゴロ (1) (ビッグコミックススペシャル) コミック – 2021/8/30
松本大洋
東京ヒゴロ (2) (ビッグコミックススペシャル) コミック – 2022/9/30

肩書きを失った編集者が漫画家を訪ねる。
自信を失った漫画家が旧知の編集者と会う。
進むべき道に迷った若者が本当の自己を見つめる。

最近はこれと、ドラマの「エルピス —希望、あるいは災い—」一気再放送(ネット配信で)にハマってました。

「こんとん」
夢枕獏さんとのコラボ絵本も見ました。どこかの謎の中央アジアの国のファンタジーな内容
子供でも読める内容だけど、ちょっと難しい内容かもです。


松本大洋の他の本の感想等

「かないくん」谷川俊太郎・松本大洋 アニメ・ピンポン sunny

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