読んだ順番は、アヒルと鴨のコインロッカ―⇒グラスホッパー⇒死神の精度です。ちなみに、映画版の「アヒルと鴨の」が、何より一番最初でした。
アヒルと鴨のコインロッカ― (3つ★半)
映画→小説の順に読んだわりには、両方とも面白く見れました。トリックは最後まで解らなかったので、そうかぁ!!という意外感もあったし。ただ、このタイトルは、さほど・・納得!って程でもないけど・・。
でも、何かどこかが引っかかるのですよ。手放しに好き!とは言えない。
動物虐待をしていた狂気じみた若者達というのが、気持ち悪かったからかな・・?女の子のキャラがそれほど好きじゃなかったせいだろうか?優しいブータン人ドルジというキャラは結構好きだったな。
あと、何度も出て来る「ボブ・ディラン」、私は特に思い入れの無いアーティストだけど、ボブ・ディランを神様と思っているファンの人なら、より一層楽しめる小説じゃないかな?と思います。
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グラスホッパー (3つ★半)
思った以上に、沢山の人が死んでゆく小説でした。
裏世界事情などが、かいま見れて、大変お勉強になったし、凄い怖いなぁ~絶対かかわりたくないぞ!と思った。社会風刺もピリッと効いていたし、読み応えも凄くあり、引き込まれて一気読みしてしまったので、面白かったには面白かったんだけれど、最後の方で、鈴木・鯨・蝉が近い場所で合流する辺りから、前半ほどの面白さが減ってしまった感じかな。特に蝉の行動が、どうもしっくり来なかったな。
主人公の鈴木 何の罪もない妻を、とんでもない業者のバカ息子に、たまたま偶然轢き殺された事から、復讐のために、その業者に潜り込み、バカ息子に復讐しようとしている人の良い元教師。
蝉 一家皆殺しや、子供殺しなど、みんながやりたくない様な殺しをする下請け殺し屋
槿 道路で駅で人を押して殺す「押し屋」
スズメバチ 毒で人を殺す殺し屋
鯨 自殺に追い込む仕事人の殺し屋
色々な人がいるんだけど、中でも、鯨の仕事ぶりには呆然。自殺に追い込む作業が気持ち悪いやら、死んで行く人の中には気の毒な人もいたりして・・。
政治家の秘書なんて、あんな風にして死んで行った人も多いのかも・・と、つい思ってしまった位・・。槿の子供2人には、ビックリした~。本当にそんなの有るのかな?!
あと、鈴木さんと奥さんの出会いのエピソードなんだけど、こんな小さい処でケチつけたくは無いんだけど(^^;、バイキングで食べられない程盛って残す主義?ってのは、ちょっとね・・・
それと、岩西が何度も、ジャック・クリスピンの言葉を引用するのですが、ジャック・クリスピンとは、全くの架空の人物なんだそうです。な~~んだ・・・。
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死神の精度 (3つ★半)
金城武主演の映画のポスターを見て、なんか良い感じ♪と、惹かれて小説を読んでみました。(映画は未見。レンタルで見る予定^^)
なかなか面白かったのだけれど、短編なので、もっと同じ題材で長編のズッシリ来るやつを読みたいな~って思っちゃった。長編の続編なんかがあったら読んでみたいな。読みながら、映画「ベルリン天使の詩」がちょっとだけ頭をよぎりました。小説だけでは、死神の千葉に、それほど魅力とか感じなかったのだけれど、映画で見たら良さそうな予感
死神の精度 クレーム処理にうんざりする地味な女性の話
死神と藤田 任侠なやくざと死神の話。
吹雪に死神 吹雪の洋館での連続殺人事件
恋愛で死神 ブティック勤務のハンサムな青年が片想いしていた女性は、ストーカーに怯えていた
旅路を死神 無鉄砲な少年殺人犯と旅する羽目になる死神 その少年は過去に・・
死神対老女 美容院で働く老女に、死神と見破られてしまった。
★ネタバレです 白文字で書いています★
最初の話と、恋愛で死神と、最後の話がリンクしているというのが、一番この小説で、おおっ!!という喜びがあった部分でした。最後の話の美容院の老女が、あの女性の老後だったとは!そして最初の話しに出てきた地味なOLが後に歌手になった歌をレコードで聴いていたとは!
でも、恋愛で死神は、しょうがないけど、「可」にしちゃってましたよね・・・。なんだかあの女の子(後の老女)が可哀想だったなぁ~。偶然が重なり大切な人を次々と突発的な死で失う人生なんて・・・
そういや、あてずっぽうな電話セールスや、ピザの宅配からの場所探知など、怖いな~注意せねば。それにしても、あの青年が「ガン」だったなんて、ちょっとこじつけっぽいナw
ヤクザの話しは、どんな風にやってきて、どうやってあの場で死なずにおさめられるのかを見たかったな~!
以上
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3冊読んで思ったのは、伊坂幸太郎さんが凄く音楽好きな人なんだなぁ~ということでした。あと、伊坂さんの小説は面白いんだけど、偶然この3冊がそうだっただけなのかもしれないし、単にこの3冊を読んだだけの印象ですが、何かこう・・・読んだ後に、胸がぐっと来る様な処が余りないというか・・・何だろうか?それって、どういう処なんだろう?って暫し考えて見たのですが、、、何か人と人との深い愛情(男女のだけではなくて)とか、何か感情の大波みたいのが少ないのかな・・・?う~ん、解らないな。
例えばグラスホッパーでも、鈴木と車に轢かれて死んでしまった奥さんの2人の愛情の深さみたいのがあまり表現されていないが故に、鈴木の喪失感や、燃えたぎる復讐心みたいのがいまいち伝わって来ないというか・・。
まぁ、でも、この作家さんの場合、そういう感情の細かいひだみたいな描写よりも、トリックとか、そういう方に重きを置いている作家さんという感じも有るので、これで良いのかな^^。かえって、そういう、ベタベタしない、さらっとした感じが良いというか、持ち味なのかもしれないな。(私は人間の深層心理をドロドロ濃厚に描く小説が結構好きなので、そう感じただけなのかもしれません)
お大事にね~
latifaさんにTBを3つ送りたくて、『グラスホッパー』の感想をアップしちゃった(笑)
伊坂さんの作品って面白いよね~
読みやすいし、何かの魔力(?)があるようで、次々に手にとってみたくなっちゃう。
でもねぇ~latifaさんもお感じになったのね~
言葉に出来ない違和感というか何かを。
凄くセンスがいい作家さんだし、本屋大賞を受賞されただけのことはあって、魅力的なのよね~でも『何かが足りない』気にさせられる。
う~ん、何だろうねぇ~感情の問題かな?
latifaさんは、3作とも★3つ半なのね?
何だか分かるなぁ~
★3つにするには面白い。でも★4つにするにはパンチが足りないって感じかしら?
私はグラスホッパーが結構好きでした。
よく分からないけど惹き込まれたなぁ~
きっと伊坂さんの本には何かの魔力があるよ(笑)
文章にも行間にも振りかけてあると思うわ。
私はとりあえず、その魔力に惹きつけられているみたいです
こんばんは。体調、少しは、回復されたようですね。よかったです。
同じ作品ではないのですが…同じ作家さんということでTBさせていただきました。いつも行くレストランのお姉さんに借してもらって、話題の「ゴールデンスランバー」読みました。「上手いし、面白いけれど、超絶賛でもないなぁ」という微妙な感じで、しばらくは積極的にはこの人の作品を読まないような気がしていたのですが、latifaさんが同じ時期にお読みになっているのも何かの縁-と思い、ちょっと方針転換して、遠からず別の作品も読んでみます。
では、また!
伊坂幸太郎さんの作品には、感情を爆発させる登場人物ってあまりいないような気がしますね~そういえば。
深刻なことや重苦しいことも軽やかに描く、そんな感じが魅力かなと思ったりもします。
「アヒルと鴨の~」は映画を先にご覧になってたんですね。小説を先に読んでた方としては、どんな風に映像化されたのか気になってます。といいつつ、まだ観れてないんですけど(^_^;)
いや~由香さんの「何か足りない」発言を聞いて、ほんとに嬉しかったというか、何というか^^
今だ、それが何なのか?解らなかったりするんだけどもね。でも、面白い小説を書く作家さんだな~って思ったわ。結構、裏世界とか危険な商売のこととか勉強になるしね(知っていたら、そうならないように少し心構えが出来るし☆)
>★3つにするには面白い。でも★4つにするにはパンチが足りないって感じかしら?
ピンポン その通り~。
でも、不思議なもので、映画もだけど☆がそれほど高くない作品でも、後々まで覚えてたり、再度見たくなったりする事もあるし。またその作家さんの他の小説も読みたくなったり・・・。
ゴールデンスランバー(ものすごい順番待ち中)と、重力ピエロ(由香さんがお好きなのよね?^^)を今度読んでみようと思っています
昨日はやっぱり通勤だけで大仕事だったのですね・・・
>いつもより長く電車に乗っていたのに、読んだページ数はいつもよりも、全然少なかったりして。
↑解るっ!!私もそういうタチなんです。例えば、病院の待合室で本を読んでいても、途中からはイライラしてきて「まだ呼ばれないのぉ?もう!!」と読書に没頭出来なくて・・たははは・・・。
順調にサクサク進んでいる電車とか、イライラしない状況での読書が一番幸せですね
ところで、図書館の順番待ちなんですが、149番でも、人気のある本は、市の中にある数軒の図書館が、それぞれ購入するので、全部で5冊ほどで、149番待ちって感じになるんだと思うんです。いずれにしても、いつ回って来るのやら・・・。
おりおんさん的には、ゴールデンスランバー、それほどでも・・・だったのですね♪
本屋大賞といえども、やっぱり好みや相性ってありますもん。以前、私は「夜のピクニック」が世間の方ほど、楽しく読めなくて、ガク~ッと落ち込んだことがありました。
>伊坂幸太郎さんの作品には、感情を爆発させる登場人物ってあまりいないような気がしますね~そういえば。
そうかー、そうなんですね。
>深刻なことや重苦しいことも軽やかに描く、そんな感じが魅力かなと思ったりもします。
やっぱり!むしろ、そういうのが彼の持ち味という感じなのね
私は、ごく普通の生活の中に潜んでいる毒っぽい部分をドロドロ描いてくれるような作品が好きだったりするのもあって、だから、伊坂さんのその魅力が逆に物足りない様な気持ちになっちゃっただけなのかもしれません~。
「アヒルと鴨の~」は映画も、なかなか良いですよ!
配役が合っていたと思います!
いつか機会があったら、是非エビノートさんもごらんになって見て下さい
PS これらを読む前に「悪人」を読んでいたんです。舞台が、北の方の九州を中心だったので、エビノートさんも、こういう可愛らしい方言で普段お話されているのかな~?なんて思いました。
近々、TB・コメントしに行きます♪ (既に感想は拝見させて頂いちゃってます☆)
ゴールデンスランバー、決して、つまらなかったわけじゃないんです。エンターテインメント性たっぷりで、後半は物語に引き込まれましたよ。なかなかの技巧派です。合格ラインは十分クリア(エラそうでスミマセン)。
レストランで、おいしいんだけど、でも、ちょっとだけ物足りなくて「スミマセン、コショウありますか?」って聞いちゃうような感じなんです。だから、この人が歳をとったら、もっともっと面白い本を書くんだろうなぁと思いながら、読んだのでした。
それでは、また。
かえっておりおんさんの言葉を、私が勝手にマイナス側にふりを大きく解釈しちゃってゴメンなさい^^ なかなか面白かったのですね?(合格ラインクリア~←いやいや私もそういうの普通に会話で使っちゃいマスw)
例えのコショウのお話、とても良く解りました
仙台に住む人で伊坂さんファンの人は嬉しいだろうな~と思います。よく地元が出て来るみたいですもんね
あのね、基本的にね、年が近いってこともあるかもしんないけど、読書体験が似てるかもしんないことが匂いで分かるんですよ・・・
でね、同じような時期に多分村上春樹に傾倒したんだと分かるんです。
自己形成をなす時期にね。
でね、会話パターンの美学とかね、最初の頃の作品で、「うわ、ハルキくさ!!」って思って、その後、しばらく読まなかったんですよ。
父親が好きだって言ったから読みたくなくなったってこともあるし。
で、先日やっと、「ゴールデンスランバー」を読んでね・・・
やっぱ、まだ少しハルキくさいんですわ・・・
確かに彼は彼なりの方法でエンターテイメントっていうものを大事にしてるし、村上さんの深度には到底潜れないし、(伊坂さんでなくとも)パクリとは言い難い。
でもね、私、腕一本で食ってくってことは、他人のふんどしでどうこうするっていうことをちこっとでも匂わせたら駄目って思ってるんです。
> 年が近いってこともあるかもしんないけど、読書体験が似てるかもしんないことが匂いで分かるんですよ・・・同じような時期に多分村上春樹に傾倒したんだと分かるんです。
おおお~~そうなんですか?!牧場主さんには、そのあたり、ビシバシ伝わって来たんですね。
私は、何か・・amazonだったかな・・・?伊坂さんが村上春樹に文体が似てると言われてる事で有名?ってのを、3冊読んだ後に聞いて、それほど私は似てるって思わなかったのだけれど、やっぱり読む人が読めば、似てるっていうのが解るんだなぁ~~。私は小川洋子さんが村上春樹が好きで影響を受けたっていうのは、解るんですよ。(多分牧場主さんの言うとおりに、私と小川さんはほぼ同年代で、かつ、同じ頃に村上春樹を愛読してたから、それが解るのかな?と思ったりして・・)
お父さん、伊坂さんがお気に入りでしたもんね、解ります、そういう微妙な気持ち。私も似たようなところがありますよ。なんというか、親と同じのを好きになりたくない・・みたいな、あまのじゃくな部分♪