少し前に映画の「悪童日記」を面白く見て、小説も読んでみようかな・・・という気持ちになりました。
映画版で既に内容を知っていたため、驚き等は特に無かったのですが、小説版での過激な?性描写は部分的にカットしていたものの、イメージといいストーリーといい映画は小説をリアルに再現することに成功していましたね。
「悪童日記」を読んだ後、続編と言われている2作「ふたりの証拠」「第三の嘘」も立て続けに読みました。
こちらも引き込まれて読みました。
でも、かなりこちらも・・・。暗いというか重く辛い内容で、ここまで悲惨な小説も、そうそうないんじゃないかなあ・・・と思いました。
最近ボケが酷いので自分のためにも内容を抜粋的に残しておこうと思います。
全て内容ネタバレで書いていますので、注意です!
「ふたりの証拠」
悪童日記のラストで地元に残った側の子(リュカ)のその後のお話です。
当時15歳。書店の男ヴィクトールの紹介でペテール(党書記)が色々助けてくれる。
或る日ヤスミーヌという美しい若い女性とその息子で障害のあるマティアスと知り合い、2人を家に同居させてあげる。
ヤスミーヌは実の父親と関係を持ち、その間に出来たのがマティアスである。
またリュカは図書館の女クララとも関係を持つようになる。
リュカは記述や描写は無いがヤスミーヌを殺したようで(最後の方に、おばあちゃんの家の近くで土の下から遺体が見つかり、その次の日からリュカが失踪することからも、たぶんそうなのではないだろうか)マティアスと2人で暮らしていく。
マティアスは成長するに伴って知能や知的な所はとても優れているが、外見的なことから学校でイジメに遭う。
アニェスがリュカの前に久しぶりに現れ、また美しいアニェスの弟の登場により、リュカがその美しい弟に目が釘付けになったりすることに耐えられず、なんと7歳で自殺してしまう。
8章でいきなり50才の、「悪童日記」のラストで国境を越え村を出て行った方のクラウスが登場。
村には35年ぶりにやってきて書店でペテールに会う。最初ペテールはクラウスをリュカと間違う。
ペテールはリュカから預かっていた日記をクラウスに渡す。
ペテールは死んだんじゃないか?と思われていたクララと暮らしていた。彼女は収容されていいて戻って来ていたのだった。
年老いたクララは口うるさく半分ボケていて、ペテールをメイド扱いし、今でも殺された夫トマのことを思い続けているのだった。
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「第三の嘘」
前2作とは違った内容で、え???って驚きます。どうやらこれが本当で、前2作は創作だったのかもしれない・・と思わせられる。
「悪童日記」で国境を越えて出て行ったのはリュカ(ピストルの流れ弾で、片足を引きずる様にになっている)
現在心臓を患っている50歳の男。
4歳の時、母が父をピストルで撃ち殺す事件で流れ弾に当たって昏睡状態になり、病院で長く暮らす。悪さをしまくり、修道女に連れられて、とある田舎の見ず知らずのおばあちゃんの家に暮らすことになる。
ペテールの妻はクララといい、リュカの初めての相手で自殺している。
リュカは40年ぶりに帰って来た。ペテールは2年前に病気で亡くなっている。
実は、国境を越えた時、一緒にいたのは父ではなく、知らない男だった。
そして国境を越えた時に年齢を15歳から18歳と、また名前をクラウスと偽って長年生きて来ていたのだった。
そして後見人がペテールだった。
かたや、残った方(クラウス)は人嫌いで母と二人暮らし、詩人になっている。
第二部
残った方のクラウスの日常が語られる。
リュカから久しぶりに電話が来て家に訪ねて来るも冷たい対応をしてしまう。
半分狂った母の面倒を長年ずっと一人でしているのだが母は冷たく、4才で行方不明になったリュカ(母はピストルの流れ弾でリュカを殺してしまったと思っている)の事ばかりを考えているのだった。何かにつけ、リュカ、リュカ・・・と言い、クラウスはメイド扱い。
残ったクラウスは母が存命であること一緒に暮らしていることを久しぶりに再会したリュカに隠しとおすのだった。
昔、父は身ごもった愛人アントニアという存在がいて、母は怒って父をピストルで撃ち殺してしまい、精神病棟に入ったのだった。
残されたアントニアはクラウスを引き取り一緒に暮らすのだった。
その後、出産し産まれた娘サラと3人で暮らすも、サラとクラウスは恋仲に。異母兄妹なので、なくなく諦める。
7年後、クラウスは母と再会し同居を始める。そして印刷所で働き「クラウス・リュカ」という名前で本を出す。
久しぶりに兄弟再会の後、本国に強制送還される直前、リュカは飛び込み自殺をする。
そして出てった方のリュカは日記を残った方のクラウスに残して去って行った。
その続きをクラウスは現在書いている。
リュカは大使館あてにクラウス宛の手紙を送っていて、その中には「両親のかたわらに埋葬してほしい」とあった。
列車、いい考えだな・・・と、クラウスはつぶやくのだった。
おしまい。
2人が、それと気がつかずにすれ違っているというか、同じ町にそれぞれいて、すぐ側に暮らしていたことが分かる部分などがあって切ないです。(窓の外から、夜、居酒屋に出入りしている男(実は兄弟)を見ている・・)
そうか、latifaさんは原作未読で映画を観られたのね。
↑の粗筋を読ませてもらったけど、忘れてるわ~。
読み進むうちに混乱してきて、何が真実かわからなくなるよね。。
私、才能って絶対に埋もれないものだと思っているんだ。
アゴタ・クリストフのような人について知ったら、ますますその思いが強くなる。
彼女にとって、書くことは生きることそのもの、だったんだろうね。
そうなのよ、今まで全く読んだ事がなかったんだよねー。
前からタイトルにインパクトがあることや、話題性があって、全く知らなかったわけじゃないんだけど、読もうって気になってなかったの。
映画を見てから、小説に・・って順番だったんだけど、これは先に小説を読んだ方からも、映画版も良く出来てたって、評判だったよね。
今年読んだ本の中でもトップクラスに衝撃的で印象に残る本でした。
こないだぱらぱら~、ってめくったら、時間が経ったのか、「ふたりの証拠」の直後よりは重さがすこーし減ったように感じました。
昔読んだときは勢いに乗って読めたけど、今回「ふたりの証拠」のマティアスの痛みが何かもうきつくて・・・
あと、「満願」、借りてきました~。
いや、「沈黙」を借りに行ったら、臭そうなのと、でかすぎるのとあって、他の図書館で探そうと思って、そいで他の借りようと思って思い出しました。
そうそう、私は、火村シリーズ、読破してしまいました・・・まさか全部読むとは。
うん・・・確かに、ふたりの証拠が、一番暗くてきつかった気がします。
私も同じく、マティアスのところが!
あまりに可哀想で・・・。
火村シリーズ、結局読んでいないんです。
先にドラマを見てから、また小説に行くかも。
シリーズ最初の巻のは、図書館に大きな文字のが無かったので諦めるしかなかったです。(たまには購入するって事を考えなくては、自分・・・)
満願は、気楽に楽しく読めますよー。