先日読んだばかりの「ラブカは静かに弓を持つ」が面白かったので、安壇美緒さんの他の本も読んでみようと手に取ったのがこれ。
どうやら、こういう経緯で本作を読む人が多いみたい。
これが最初のデビュー作だそうです。
さて、最初の数ページ読んで、登場人物のくだけた話し方や会社内の意地悪な女性達の描写で、これは挫折しちゃうかも・・・と思いかけたのですが、途中でなんとか大丈夫になり、途中からは面白く、どうなるんだ・・・?と一気読みさせられました。3つ★半
ただ、少々気になった処もあったけど・・・
主人公が小学校時代の過去のイジメや態度を、若干武勇伝っぽく語っている様な(反省はしてるっぽく書かれてるけど・・・なんとなくね・・)処はちょっとイヤだったな・・・。
この小説で一番良いなあ!と思ったのは「呆れた希望」の処。
主人公は幼い頃憧れていた野球の選手正岡がいたのだけれど、現在は薬物だの何だので評判は地に落ちて、あいつはもうダメだと言われているのよね。でも彼はいつか正岡が復帰することを信じたいと思っていて、その事を話した時、婚約者の女性のお父さん(教頭先生)が
君は正岡を信じることで、自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる。もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれているかもしれないって呆れた希望を持つことができる って感じの事を話すんだけど、なるほど・・・って思いましたよ。
★以下ネタバレ★
結局先輩は辞めちゃう。この後またもう一人子供が増えて、ここで働き続けるのは不可能かと・・。周りの女性社員意地悪で(お菓子配る時間とかね)ビックリしたけど、まあ彼女の穴を埋めるために深夜まで連日働いていたふみかさんはイラっとなるのも当然だと思うのよね。やっぱり上司というか会社の体質が悪い!人を増やさないとイカン!
で、まさかの突然のプロポーズからの結婚。本当に結婚しちゃって大丈夫なのかな・・・?なんだか不安だわ・・・。新婚前で既にこういう感じなのに、結婚後上手く行く気がしないぞ・・・。
それと、せっかく彼が親身になってあげた派遣の男性。あの後どうなったのかな・・・。どういう理由でやめちゃったのかはわからないけど・・・ これはガッカリするよね。
あと、天龍院亜希子のブログをこっそり読み・・っていうのは設定として面白かったのだけれど、思ったより出番が少なくて残念に感じちゃったな。以上
あと、これって2017年に出版された本だから、その時よりブラック企業体質や育休等が若干まし?になってると良いんだけど・・・。
天龍院亜希子の日記 安壇美緒 (2017)
【第30回小説すばる新人賞受賞作】人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生が書く穏やかな日常のブログだった――。
ラブカは静かに弓を持つ
どうやら、こういう経緯で本作を読む人が多いみたい。
これが最初のデビュー作だそうです。
さて、最初の数ページ読んで、登場人物のくだけた話し方や会社内の意地悪な女性達の描写で、これは挫折しちゃうかも・・・と思いかけたのですが、途中でなんとか大丈夫になり、途中からは面白く、どうなるんだ・・・?と一気読みさせられました。3つ★半
ただ、少々気になった処もあったけど・・・
主人公が小学校時代の過去のイジメや態度を、若干武勇伝っぽく語っている様な(反省はしてるっぽく書かれてるけど・・・なんとなくね・・)処はちょっとイヤだったな・・・。
この小説で一番良いなあ!と思ったのは「呆れた希望」の処。
主人公は幼い頃憧れていた野球の選手正岡がいたのだけれど、現在は薬物だの何だので評判は地に落ちて、あいつはもうダメだと言われているのよね。でも彼はいつか正岡が復帰することを信じたいと思っていて、その事を話した時、婚約者の女性のお父さん(教頭先生)が
君は正岡を信じることで、自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる。もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれているかもしれないって呆れた希望を持つことができる って感じの事を話すんだけど、なるほど・・・って思いましたよ。
★以下ネタバレ★
結局先輩は辞めちゃう。この後またもう一人子供が増えて、ここで働き続けるのは不可能かと・・。周りの女性社員意地悪で(お菓子配る時間とかね)ビックリしたけど、まあ彼女の穴を埋めるために深夜まで連日働いていたふみかさんはイラっとなるのも当然だと思うのよね。やっぱり上司というか会社の体質が悪い!人を増やさないとイカン!
で、まさかの突然のプロポーズからの結婚。本当に結婚しちゃって大丈夫なのかな・・・?なんだか不安だわ・・・。新婚前で既にこういう感じなのに、結婚後上手く行く気がしないぞ・・・。
それと、せっかく彼が親身になってあげた派遣の男性。あの後どうなったのかな・・・。どういう理由でやめちゃったのかはわからないけど・・・ これはガッカリするよね。
あと、天龍院亜希子のブログをこっそり読み・・っていうのは設定として面白かったのだけれど、思ったより出番が少なくて残念に感じちゃったな。以上
あと、これって2017年に出版された本だから、その時よりブラック企業体質や育休等が若干まし?になってると良いんだけど・・・。
天龍院亜希子の日記 安壇美緒 (2017)
【第30回小説すばる新人賞受賞作】人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生が書く穏やかな日常のブログだった――。
ラブカは静かに弓を持つ
今日は、寒いですね。 でも暑いより、寒い方が好きだったりする。
安壇さん、そうそう他のも読みたいな~と思いつつ、まだ読めてません。
本書・・・なんだか微妙な感じ?
でも↑に書かれた、お父さんの言葉。じっくり読みたくなったなぁ
やっぱり読もうかしら??考え中~~~
最初に読んだ時は意味がつかめなくて、何べんか読み返してやっと理解できたのでした。6年前に読んだ割には、今でも心に深く残っています。”呆れた希望”という表現は、優れた感性にオリジナリティが光っているよね! 「呆れた希望」とはあきれるほどとてつもない希望、そんなことあり得るはずがないと考えれば儚く消える。でも信じたら、苦境に陥った時自分を奮い立たせてくれる武器となるはず。いつの間にか片隅に追いやっていました。再び心に刻み直しましょう。
「ラブカは静かに弓を持つ」の方が知られている作品。いつか読んでみようかな
コメントありがとうございます。
昨日まで寒かったのに今日から暑くなるらしい。全くもう・・・ 布団とか変えるの面倒
ラブカとは全然違った雰囲気や内容の本でしたよ。職場内イジメとか、小学校時代のイジメとか出て来るし、特に職場の殺伐した感じやブラック具合とか読んでいて気持ちが良くないけど、でもぐいぐい読ませられるというか。
文章は上手で引き込まる力もあって、最初から力のあった作家さんなんだなーって思ったわ。
お父さんの名言は、とっても良かったよ
もし気が向いたら、読んでみてね
コメントありがとうございます。
いやー、しずくさんを別の場所?で偶然発見すると、おお!という驚きと嬉しさがありましたよ。
呆れた希望
私も一度じゃ頭にすっと入って来なくて、じーっとそこだけ繰り返し読んで、頭で熟考して、やっとわかった次第。
しずくさんと同じ風に解釈していました
かつて好きだった人が事件を起こし、もうダメだと誰もが思っていても、それでも自分だけは信じたいっていうの、すごく良いなって思ったわ。私もそういうの信じたいって思う人なので・・・。
それが巡り巡って自分のためにもなる、っていう考えが良いなーって思ったな。
まだ新人のころに、安壇さんの本を読まれていたとは!
私の図書館では、これとラブカと、女子高生のお話と3冊しかなくて、女子高生の方は最初の方だけ読んでみて、挫折するかも・・・な処です。
ラブカも、もし気が向いたら是非。
ただ、前回の本屋大賞2位で待ち順番が凄いかも・・・。
この職場。産休・育休の人材を補充しないとダメだろ~~~。休んでる人に嫌がらせをするのはダメだけど、イヤがらせをしたくなる気持ちも少し分かる。
お互いが気持ち良く仕事をするには、人材の補充を!ですよね(現実的に無理なのかも知れないけど)
あと、この二人の結婚ね。多分、上手く行かないよね~~~。
義父の言葉は、良かった!このお父さん、良いですよね。
思ったより天龍院さんの出番が少なくて残念。最後、ご本人に会えるかと思ってたのに~~~。
なかなか面白い本を紹介してくれてありがとうございます。義父さんの言葉に出会えただけでも幸せです。 小説としても私は、嫌いじゃ無かったです。主人公の男は嫌いだけどね(笑)
わーい!読んだのねー。
嬉しいなー
そうそう!あの会社ダメだよね、そもそも酷過ぎるから、意地悪に走ってしまったわけで。
それと結婚だけど、やっぱり上手くいかないよね?わぐまさんもそう思ったか。
それで、義父さんの言葉!
ここだよねー。この部分だけで★1個つけちゃうくらい、良い言葉だった。
わぐまさんと分かち合えて、すっごく嬉しいです。
そうそう、ご本人の出番が少なくて残念だった。
結局その後、安壇美緒さんの本読んでいないんだけど、新刊が出たら是非読んでみたい作家さんです。