
93年韓国映画「西便制 風の丘を越えて」
やっと色のすすけたビデオが、ひっそり置いてあるのを発見!
いや~~~!この映画は素晴らしかったです!
もしかして今まで見た韓国映画で一番の映画だったかもしれません
(今見終わったばかりで興奮気味なので、落ち着いたらそう感じなくなるかもしれませんが)
有名な映画というのは知っていましたが、正直、ここまで良い映画だ
とは想像してませんでした。
そもそも、非常に自分が弱いツボが幾つも内容に組み込まれていたんです
(伝統芸能、何かの芸を極める、旅芸人、元は将来有望株だったのに、
何かをきっかけに現在落ちぶれてしまっている・・・みたいな内容に)
それプラス映像も凄く良かったです。これは映画館で見たら、もっと
もっと良かったに違いなかっただろうなー。
あ~あ!この当時映画館で見たかったな!13年遅れてしまった。
でも、今見ても、内容といい映像といい、秀作!きっとこの映画は
50年経っても、人の心を動かすことが出来るんではないかな?
何か・・旅芸人の記録(テオ・アンゲロプロス)を一瞬連想してしまう
処もありました。ヨーロッパで、非常に高く評価されそうな映画だと
思いました。何か・・最近の韓国映画とは何か雰囲気が違う気が・・・
私が今まで見た韓国映画の中で、日本では92年岩波ホールで上映された
「達磨は何故東へ行ったのか」(89年)の次、2番目に古い作品でした。
一番上の写真は、フランスサイトで見つけて来た写真。
う~ん・・これぴったり!って感じはしないな・・・
フランスタイトルは、Sopyonje La chanteuse de pansori (パンソリの歌手)
でも左下の日本版の写真はもっとダメ!だし、だからと言って、一番多く
ヒットした右の写真もどうかと思う・・・


私が、あ~!ここのシーンポスターにすれば良いのにっ!!って素敵な
シーンが一杯あったのに、惜しいっ。旅をして歩いているシーンがロングショットで
幾度となくあって(16回だそうです)そこのどれかを使えば良かったのにな!
この映画のポスターや写真は、写真世界各国あちこちを探しましたが
古い映画のせいか殆どヒットせず・・・(T_T)
しいていえば、映画じゃないけれど音楽CDの表紙になっているらしい
↓の写真の方がまだ良い様な。

((映画の内容 あらすじ))
かつては有名なパンソリ歌い手の師匠の一番弟子だったが、師匠の妾に
想われてしまって色々あって、師匠から破門され、今は貧しい旅芸人
として、2人の子供と旅芸人をしている、コボン(35歳位?)
後継者にしようと育てている娘と、息子(全員血は繋がってない)に
芸を厳しく教えつつも、やりきれない思いをはらす様に酒を飲む。
しかし世の中が変わるにつれ、どんどんパンソリよりも新しい音楽に
人の目は向いがちだ。
★以下ネタバレ、内容あらすじ全部に触れちゃってます 文字反転して下さい ★
ある日、貧乏暮らしにうんざりした息子(トンホ)は、家を出て行ってしまう。
ショックを受けた姉は、それ以来歌わなくなってしまう。
そして以前より父は、娘の歌に「恨」が足りない・・と思っていたのも
あって、、、目が見えなくなる薬草を飲ませてしまう。
歌をまた歌い出す様になった姉だが、しかし、父のおもわく通りに、
「恨」を表現する様な声にはならなかった。
父は、恨をも越える歌を歌う様になれ、と言う・・・
そして何十年か経った。
息子(トンホ)は、現在パンソリとは関係のない仕事をして、息子もいる
様だ。姉と父の行方を訪ねて、方々を回って、ついに姉を見つける。
「歌を聴かせて欲しい」と弟であることは伏せ、パンソリが好きな人間とだけ
言って、太鼓をたたく。(密かに、姉は、歌を歌いながら、太鼓の弾き手が
弟だと解る。)2人のコラボレートが素晴らしい。歌が終わり、お互い
結局何も告げず、弟はそのさびれた村を去る・・・
そして、姉は娘かな?を連れて、そのさびれた村から出て、また流浪の旅に
出るのであった・・・ネタバレ終了

このお父さん役「キム・ミョンゴン」が、結構私好みで、映画見終わった後
調べたら、「ソウル大学在学中に演劇活動を始めるが、西洋演劇に飽き足らず
パンソリの人間国宝に弟子入り」という凄い経歴の人でびっくり。
映画の中での歌は、本人がやっていたんですね。
ただね、唯一、ちょっと難は、弟役のトンホ!途中から姉よりも10歳年を
取ってるんじゃないの~?って位、老けてるんですね。
この弟役(キム・ギュチョル)って、ローズマリーの隣の家の旦那さん
(奥さんがガンの)や、おいしいプロポーズにも出てた人だよなぁ・・・
なんて既に知ってる人だったものだから、あら~昔は、こんな芸術作品に
出ていたんだなあ・・・なんて風に見てしまって、どうも弟役には感情移入
出来なかったのが残念だったな。
主演の姉役のオ・ジョンヘさんも、パンソリが上手くて立派でしたね!
私はあんまりパンソリとか全然詳しくないのにもかかわらず、これだけ
結構感動しちゃって、なんか結構泣いちゃいましてまいりました。
もしパンソリに詳しい方が見たら、ここのシーンで、この歌と来たか!って
深い意味も解って、もっと心に、ぐ~~っと来たに違いない。
知識不足でちょっと悲しい・・・
この映画93年映画なのですね。ラストシーンの寒々しい村(ロシア映画に
出て来そう風景)にしても、遠回しに親子が旅を続ける韓国のどこかの風景
(秋の紅葉や枯れ草・冬の雪など季節を盛り込んだ映像)、どれも美しく、
郷愁を非常に感じる風景で、ただ、それだけ見てても、じ~んとしました。
撮影場所 전남완도군 全南莞島郡?←翻訳で出た漢字なので違うかも청산도
そして、こちらも visit koreaさん

서편제-風の丘を越えて~西便制 Sopyonje
監督 イム・グォンテク 임권택
(凄く沢山映画を昔から作っていらっしゃいます。他には
『春香伝』「酔画仙」「下流人生」)
出演 キム・ミョンゴン オ・ジョンヘ キム・ギュチョル
僕も見ましたよ。
たぶん映画館で見たと思うのですが、
もしかしたらTVかも…。
内容もちょっと曖昧なのですが、
(弟のことを思い出せない…)
「すごい映画だな」と思ったのを覚えています。
パンソリもすごいし、目をつぶすというのも…。
ちょこっとお久しぶりで、うれしいです。
JUNさんも、この映画ご覧になられていたのですね。さっすがー!
映画館orTV・・・等の記憶が曖昧ということは、きっと随分昔にご覧になられていたんだろうな・・・。
何か思うことは、関西は、韓国映画とか、結構
放映してくれますよねー。夜中だろうと、放映してくれる頻度が絶対関東より、ずーっと多いです。
この映画、あまり期待しないで見たせいか、予想以上に凄くて、インパクト大でした。見てから3日経ってますが、やっぱり凄かったという気持ちは変わってないです
ピンク街にある小さな小さな映画館でした。
元から韓国民謡とか好きだったんですけど、パンソリはほんとに胸にどどん!!と入ってきて、話どうこうよりあの哀切なメロディーが聞こえてくるだけで涙涙。
何回見ても泣いてしまいます。
なんかlatifaさんが良かったって言ってくれて嬉しい(って別に私の映画じゃないけど
この映画の大ヒットによって国楽が一大ブーム、1994年が「国楽の年」に制定されました。
そして子供にパンソリを習わせる親が激増したそうな。昔、滝の前で歌う姿とか、日本のテレビでもやってましたよ。
あと一重がブームにもなりました(笑)
ぜひ一回生で聞いてください!!ほんとに鳥肌がたちます!!!
皆さんもオススメなんですね。
>色のすすけたビデオが、ひっそり
レンタル屋さんでしょうか?私も探してみたいと思います!
ポスターの写真、私も音楽CDの表紙になってるものの方がよいかと…
おいしいプロポーズに出てる男の人、どこかで見たと思ったらローズマリーだったんですね。すっきりしました♪
前にfuniさんが、この映画のこと、お好きだってお薦めしてくれたのを覚えていますヨ
あれで、絶対見なくちゃ、探してみよう、って気持ちをあらたにしたんですもん(大げさな・・・(^^;)でもほんと。それまではいきつけのTSUTAYAにはおいてない古い作品だったし、いつか機会があれば見たいな、って程度だったの) 私自身も、面白く見れて、嬉しいんですよ!!
DVDとか再版しないのかな・・・。私がやっとみつけたビデオは、ぼろぼろだったし、画像も多分劣化してていたのかもしれません。
94年にブームになっていたんですね!健康にも良さそうだわ。精神統一になりそうだし、お腹とか鍛えられそう^^ そうそう!一重ブームになったそうですね。私は昔から、男女ともに、一重の人、大好きなんだけどなあー。
生で聞いたら、鳥肌立ちそうですね!!いつか機会が無いだろうかーー?
大きな新しいDVDが多いTSUTAYAとかだと、無いかもしれないです・・・
昔からやってるビデオ屋さんだとあるかも。
是非ご覧になって、感想聞かせて下さいまし~~。
そうっか、、nekoさんも、あのおじさん(失礼
そしたら、およっ!あのおじさんの若い頃って、こんなんだったんだ~って、思うっちゃうはず!
(若い頃だろうに、全く若く見えないのが悲しい)
でも、ローズマリーの隣の家の旦那さんと奥さん、あの夫婦、泣けたわ・・・と、フォローしておく。
DVD・・・そういえば買おうなんて気にもならなかったけど、今度韓国行った時探してみようかな。ビデオは前にBSでやってた時のやつ録画したんですけど。
ちなみに・・・。
パンソリの有名な曲は「春香伝(チュニャンジョン)」「沈清伝(シムチョンジョン)」「興夫伝(フンブジョン)」などです。
クライマックスで歌うのは「沈清伝」だったはず。「ワルルルルル・・・・」っていうフレーズが頭離れません~。
田舎道をみんなで歌いながら進んでいく時の歌「珍島アリラン」も好き~。
去年かな?名古屋で主役のオ・ジョンヘさんが公演してたんそうです。行きたかったな。
前にBSでやっていたんですか?!家がBSつける前かなぁ・・・NHK放送してたんですね・・・
「春香伝」と「沈清伝」は、映画の中でやってたっぽいです(字幕に出てました)
そういや、「春香伝」つながりで、この映画の話題になったのかも・・・。「春香伝」は、動機が不純で、チョスンウ君目当てだったんですが、まあ普通に見たって程度だったのだけれど、何故か「西便制」は、ずぼっと来たんですよ。
オ・ジョンヘさんって、立派そうな人とご結婚されたそうですね・・・今もパンソリでご活躍中なんですね!
>田舎道をみんなで歌いながら進んでいく時の歌「珍島アリラン」
ここのシーンは凄く良かったですね!ここのシーンが表紙orポスターだったら良かったのにな。
当時は、キノで上映してました。
なんか、映画館を出てからも、胸が一杯で「悲しい」
とか「可哀想」とかそういう単純な感想では、表現
できない、、、なんというか、ようするに、もっと
深い部分で感動した記憶があります。
「恨」って言う言葉の意味も、そんな単純なものじゃないんだ、、っていうことも、少しだけ分かったような気
がします。
内容は重いのに、あのいつまでもいつまでも続く道と
パンソリが、見た後なんともいえない明るさと切なさを
感じました。
今、こういう韓国映画ってほとんどないですよねぇ。
すべてが力強いと思いました。
実はこの映画は自主上映で取り組み、
私はその実行委員のメンバーでした。
当時は韓流ブームなどまったく考えられない
中で「韓国映画にもこんなに素晴らしい映画
があるので見てください」と今では信じられ
ないような状況で、必死の宣伝活動でした。
しかし、上映会は大成功でした。
その意味でもこれは思い出の映画です。