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「笹の舟で海をわたる」角田光代 ネタバレ

2022-02-07 | 小説・漫画他
角田さんのファンですが、この本うっかり読んでいなかったことに今更気が付いて読んだのですが、出版されたのが2014年ということで、今2022年読むと一昔前感が・・・。

本作は昭和の違ったタイプの女性2人を長年描いた長編。
2人は子供の頃に疎開先で一緒だった繋がり。
左織は記憶があまり無いのに、活発で美人で行動的な風美子は詳しく憶えていて近づいて来る。やがて2人は友達になり、なんと親戚になる。それぞれ男兄弟の妻になったからでした。

2人は私の母親世代(昭和10年前後の人?)で、娘百々子が私と同じくらいの年代ということもあって興味深く読みました。
でも左織も風美子も、どちらも好きなタイプではなく、感情移入は出来ませんでしたが、それでも引き込まれて面白く読ませてもらいました。3つ★半

今、この小説を若い世代が読むと、昭和の普通(よりちょっとだけレベル高い?)の専業主婦代表みたいな左織が、どんだけ恵まれてるんだ、のんきだなーって思う人も少なくない予感。

★以下ネタバレ★
ラストも優雅で高額そうなシニアのホームで悠々と暮らしていくところで終わっているし。結婚後、左織の様な生活を送れるだけでも恵まれてるって思われそう・・。
特に何も取柄とか名を残す様な人間にはなれなかったけれど・・みたいなネガティブな思いを彼女自身は持ってるみたいだけども。
お料理の人気著名人になった風美子にやたらなついた百々子。母とは相性が良くなかったっぽいけど、あそこまで母を嫌ってしまうのは悲しいな・・・。勝手に日記とか手紙を読むのはやっちゃイカンよ。溺愛していた息子はゲイだったのね。
左織が疎開先で閉じ込めた女の子は、どうやって亡くなったんだろう・・。まさか閉じ込められたまま・・って事は無いのだろうか・・怖 
以上

笹の舟で海をわたる 角田光代 2014/9/12
終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。
風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。
陰湿ないじめに苦しむ自分を、疎開先で守ってくれたと話す彼女を、しかし左織はまるで思い出せない。その後、左織は大学教師の春日温彦に嫁ぐが、あとを追うように、風美子は温彦の弟潤司と結婚し、人気料理研究家として、一躍高度成長期の寵児となっていく…。平凡を望んだある主婦の半生に、壮大な戦後日本を映す感動の長篇。「本の雑誌」2014年第1位。

角田光代
銀の夜
「希望という名のアナログ日記」
私はあなたの記憶のなかに
「坂の途中の家」
「平凡」
「私のなかの彼女」
「空の拳」
「口紅のとき」
「それもまたちいさな光」「月と雷」感想
「異性」「紙の月」
「曾根崎心中」「かなたの子」
「なくしたものたちの国」「ツリーハウス」
「水曜日の神さま」
「福袋」
「くまちゃん」面白かったです
「森に眠る魚」(ネタバレです 注意!)
「何も持たず存在するということ」
角田光代さんの小説色々感想まとめ
「三面記事小説」「マザコン」
「ロック母」
「薄闇シルエット」凄く共感、良かった 角田光代
「いつも旅のなか」「誰かのことを強く思ってみたかった」
「presents」「夜をゆく飛行機」
「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」 「恋するように旅をして」の感想
「対岸の彼女」感想と、全あらずじ 
「ドラママチ」 「太陽と毒ぐも」「12星座の恋物語 」感想
「八日目の蝉」 角田光代 凄く引き込まれて一気読み
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2 コメント

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昭和でしたね! (yori)
2022-03-12 17:56:30
latifaさん こんにちは
地味な作品でしたが長い時間を描いた大河小説として、昭和に育った私としては、とてもいい小説だったと思います!!
読み始め、風美子は絶対に詐欺師だと思ってて読んでいましたが 笑
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yoriさん☆ (latifa)
2022-03-13 09:39:03
こんにちは、yoriさん
そうそう、ちょうど私達の親世代のお話なんですよね。
昭和時代を生きて来た私には馴染めるお話でしたが、若い世代の方が読んだら違った感想を持たれそう・・。

この小説が発表になった頃より現在の方が、コロナだのウクライナとか、国内でもますます高まる老後の不安とか、若い世代の税負担とか、暗い感じの気が・・・。

私も風美子は絶対に詐欺師とか、なんか曰く付きの人なんじゃないか?と思って読んでました。
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