リアルタイムでの大学生、就活生の日常がかいまみれて、とても興味深く、面白かったです。4つ★~4つ★半
「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウ君が早いもんで、就職活動をする年になり、今年から会社員として働いているとのこと。
そして、直木賞を受賞するほどの作家さんに!
桐島~を読んだ時にも思った事ですが、朝井リョウ君の人間観察の鋭さには目をみはります。
いつもこんな風に人を見ていたり、他人の言う言葉の本当の意味とか、裏などを探っていたら、さぞや疲れるだろうなあ・・・。
私は単純な性分なので、瑞月が会計係を自らかって出たユリナを見て言った「凄い」と同じ様に、人に凄いねーと言う時は、本当に凄いなーと思って言うし、あまり意味を含んで言葉を言う方じゃないので、逆に他人はこんな風に本音では思っていることもあるんだな・・・と、怖くもなったし、勉強にもなりました。
彼の文章は、じっくり読まないと、見逃してしまうような細かい表現というか・・・、直球じゃなくて、遠回りに何かを表現する言い回しが結構ありますよね。文章や表現が上手だなーと思いますが、適当に読めないので、結構読むのに時間がかかるというか、サラサラ読めない系の文ですね。
あと、私自身はツイッターとかフェイスブックはやっていないのですが、人のは見る事があるので、あ~解るなぁ・・・という部分が一杯ありました。
私には大学生の娘がいて、彼女を通して、その年代の人たちを見ていて思うことは、本当に大切な事は、ツイッターなどでは言わないんだなあ・・・ということ。
元々あまりつぶやかない人ならいざ知らず、一日に何度もツイートしている人が、その何か重要な事を書かなかったら、あたかもそれは隠した秘密の様に感じます。別につぶやくも、つぶやかないもその人の勝手なわけだけれど。
この小説の中でも、近しい存在なのに、友達なのに、重要な何かを知らなかった・・・という部分が何度か出てきます。
一緒に暮らしていて、とても親しい光太郎が、長年忘れられない女の子がいて、その子に出会えるかもしれない・・・という理由で、出版社に仕事を探していたこととか。
もしかしたら、光太郎の様な人に、朝井リョウ君は憧れるのかもしれないな・・・って思いました。自由奔放におおざっぱに振る舞って、ズバリな発言をしても、人から恨まれない、面白い良いヤツ、そういう人、魅力的ですよね。
なぜだかこの小説を読みながら、「ハチクロ」の事が頭に浮かびました。森田さんが光太郎で、竹本君が主人公で。
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
213頁からの瑞月が隆良にお説教?めいた事を言うシーンもギョっとしましたが、ラストはホラーでした。リカが、たくとに本音ぶちまけるシーン
たくとの別アカウントでのつぶやきが、ずらっと・・・。どれも周りの人達をけなしたりするブラックな言葉が並びます・・。
恐ろしいです。本音を友人に読まれていたなんて・・・。鍵をつけなかった理由も書かれていましたが・・。
でも、最後はたくとが、自分の格好悪い所を認められる様になったみたいだし、今度どうやらギンジの舞台を見に行くらしい・・・のかな?^^以上
それにしても、最近はこういった便利で楽しいはずのSNSが原因で、別れるカップルや夫婦がいたり、友人関係に亀裂が入ったりする事が結構あるとのこと・・・。
鍵をつけて、誰にも解らないアドレスで、辛辣な事をつぶやきまくっているのを、もしうっかり彼女や彼氏などに見られたら・・・一貫の終わり・・って感じですね。
この小説で、理系の大学院に行ってる先輩だけ、ツイッターもFBもやっていないという設定でしたね。むしろ、そういう生き方?の方が良いのかもしれないな・・・なんて、ちょっと思っちゃいました。
こんなぶちまけ系の小説を世に出すのは、朝井リョウ君は、勇気が要る事だったんじゃないかな。今後、周りの友達とかとのつき合いに支障が起こりそうというか、なんというか・・
朝井リョウ / 2012年11月30日発売
内容紹介
「あんた、本当は私のこと笑ってるんでしょ」就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
初のエッセイ集?「学生時代にやらなくてもいい20のこと」も楽しく読みました。
タイトルがナイスです。(普通は、~にやっておくべき10つの事とか、そういう表現が多いので)
朝井リョウ
桐島、部活やめるってよ
就活が得意であっても、その会社で、何がしたいのかわからないという。おかしいですよね。
そうそう、就活が得意なだけ・・・という表現が出てきましたよね。
難関大学や高校に通っている生徒さんが、謙遜して、自分は勉強が(ペーパーテストが)得意なだけ・・・というのは聞いたことがありましたが、就職もそうなのかぁ・・・と思いました。
私も読んだんだけど感想はほんとさらりで・・・。
朝井さんって、本当人間良く観ているよね。
なんか・・疲れないかなって思ったり。
就職は作者も経験していることだから
いろんなことが作品に反映していたんだろうね。
それにしても大学受かってもそのあとまた
就職でいろいろあって。子どもも大変よね。
まあ・・うちはその前に勉強しなくては・・・って感じだけどね
あっ、みみこさん、感想アップされたのかな?
。。。しばし時間経過
あ~~っ!そうだったんだね、今、検索してみて解ったよ。
この前、お邪魔した時は、朝井リョウ君のインデックスのところを探して、見つからなかっただけで、余裕が・・・のところに感想アップされていたんだね。
私ったら、ほんとに抜け作で・・・
やっぱり、みみこさんも朝井君、凄い人間観察だな~って思ったんだね。
そうそう、疲れそうだよね。
職業病?なのかもしれないよね。
別に普通の大学生だったら、ここまでじゃなかったんだろうけど、文筆家兼学生としては、いつも日々の暮らしの中で、ついネタを探してしまったり、つい人を観察してしまったりしたのかもね。
そうだよね~大学受かっても、また数年後には就職で気をもむわけで・・・
大変だよね・・・
就職してもさ、そこに一生勤め続ける人は、最近は凄く少ないそうだし、そうなると、転職する時も相当悩みそうだし・・・
私も先日、「何者」を読みました
図書館に行ったら運良くこの本があったのですかさず借りてしまいました^^
TB送らせていただきました。
それまで傍観者的立場で色々批評していた拓人が、その心の内を見破られ糾弾されるラストはたしかにホラーでしたね
その前の、就職活動をしない(実はこっそりしていましたが)隆良の言葉に対して、瑞月が長く長く語って諭す場面も印象的でした。
理香も最後はちょっと見直しましたが、やはり痛々しい人物だと思いますし、読んでいて心がザワザワしてくる物語でした。
毎日凄く暑くて、キビシイですね・・・
明日から、台風が接近するとかで、少し温度は下がる様子ですが・・・。
何者、さっそく読まれたのですねー。
朝井リョウ君、なかなか才能のある作家さんだなーと思います。
いまどきの大学生の就活をかいま見れて、興味深かったです。
これからしばらくはオリンピック景気?で、就職率なども少し上がって来そう。
朝井リョウさん、初読みでした。面白く、興味深く読ませていただきました。
仰るように、朝井さんの人間観察力というか、人物模様の描写はちょっと凄まじさすら感じますね。しかもそれが自分の身にも突き刺さるリアルさで飛んでくるのだから、とても痛い小説でした。
僕自身もフェイスブックを使っていますが、確かにね、書く内容には注意しています 笑
わー!これ、読まれたんですね。
久しぶりに自分の書いた感想を見て、この当時の事よみがえってきましたよ。
>ツイッター等で本当に大切な事は言わない
って書いてますが、そこ後で訂正しようかな。 そんなことは無いな、言うな、って今は思うので。。。
朝井リョウ君、確かこの作品で直木賞を取ったんじゃなかったかな・・・
今や、実力・人気ともに一流小説家になられた感じです。
そうそう、彼の人間観察力は凄いものがありますよねー。そのリアルさと痛さには毎回驚かされるし、楽しみでもあります。
yoriさん、フェイスブックされてるんですね。 まあ、我らは長年ブログやっていますので、色々他人事とは思えない部分もある小説でしたね。