ぐいぐいと引き込まれて一気読みさせて頂きました。いやぁ~面白かったです。4つ★半
もう45過ぎの女だというのにもかかわらず、無人島に流れつき、男ばかりの島に一人女で逆ハーレム状態。島に流れついた日本人の若者達は、ヤシの繊維から服を作ったり・・と、物づくり系に熱心になり、ホンコンと呼ばれる中国人の人たちは生命力に溢れ、色々な食材や獲物を捕って美味しい料理などを作り暮らしているという差も面白かったです。
元々、無人島に行く前の40数年の清子というのは、黙って夫に寄り添う様な良い妻であったのに、こんな状態に陥ったらば、すっかり逞しく動物的になった・・というのが面白いですね。その夫が病に伏せる様になってからは、若い男カスカベとあんな状態になり、、夫が亡き後は2年ごとに夫をチェンジするというシステムになり・・
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
ただ、最初はみんなが清子を求めていたのに、段々彼女を求める男が減って行ってしまい、ちょっ不安を感じるものの、記憶喪失で自分に泣きつく男GM=ユタカと結婚し幸せを感じる様になる。その時ホンコンから島を一緒に出ないか?と誘われ、その夫を捨て島を抜け駆けして出て行くも、また東京島に戻って来てしまう。 自分が出て行った事により、すっかり元の自分を思いだし、自信たっぷりにリーダー格になった元夫。そして以前の仲間は自分に冷たく接する様になってしまい、このままじゃマズイ・・・と思った矢先、妊娠していることが判明。 父親はきっとホンコンのリーダー、ヤンに違いない・・・と解っていつつも、現在のリーダーであるユタカにはあなたの子だと言い放つ。妊娠したことで、また地位は復活。
その後、偶然、フィリピンからの漂着民達が生き残りのホンコン達と暮らしていること、ボートを修理して島を出て行くつもりであることを知る。(このフィリピン女性達もがいた・・という展開は、なんだかちょっとがっかり・・。)
でも、ラストは清子と双子の子供のうち女の子と、キム、ムンがボートで逃げる事が出来て、日本に住んでおり、人気の占い師になっている・・・。そして東京島ではもう片方の双子の息子がプリンスになっている・・。ワタナベは何度も島のぎりぎりまで船で来ては、ざま~みろ・・とからかっては去って行くというのを繰り返している。以上
また清子だけじゃなく、ワタナベという、貧しく育ち、世間でも東京島でも嫌われ者の男の視点が面白いです。 このしょうもないワタナベが、清子の最初の夫が残した日記をむさぼり読む。その中に書かれている「最後に残るとしたら彼だ、君は無人島が良く似合うね、凄い男がいたものだ」という一節に満足する・・。
それにしても、これを読んで最初に思ったのが、みんな元気だわ・・って事。そりゃ~病気などで死んで行く人もいるけど、たいがいみんな元気なんですよね。特に清子。丈夫ですよねぇ~婦人科系とか。
途中に、こんなものを食べたい・・と亡き夫が日記に残した、山崎パンを食するバリエーションや、ケンタッキーのクリスピーチキンを食べたいと書かれているところなんかは笑いました。
で、映画なんですが、小説では太った中年女って設定だったのが、なんと!映画じゃ木村多江さんっすよー!!こんな色っぽい人が清子だったら、あなた!最後まで列をなすに決まってます。
で、外見も内面も気持ち悪くおつむの軽いワタナベが、なんと!窪塚洋介ですかーー?!オイオイ・・・これじゃあ、話が変わって来ちゃうというか、違うでしょー!?むしろ柄本佑君の方がワタナベに合ってる気がする・・。
他のキャスティングを見たところ、ヤンもそれほど気持ち悪い人じゃなかったし・・。
ただ、GM(ユタカ)は、竹ノ内君はやっぱり無理だったとみえて、のだめの黒木君こと福士誠治君が演じるんですね。結構合ってる気がします。
東京島 映画 公開日2010年
公式サイトhttp://tokyo-jima.gaga.ne.jp/
キャスト木村多江 (清子)
窪塚洋介 (ワタナベ)
福士誠治 (GM/ユタ...)
柄本佑 (オラガ)
木村了 (犬吉)
染谷将太 (マンタ)
山口龍人 (カスカベ)
保科光志(シマダ)、 清水優(アタマ)、 阿部亮平(ジェイソン)、 塩見大貴(フレディ)、 中村無何有(ウッス)、 テイ龍進(ヤン)、 趙民和(ムン)、 石田佳央(チェン)、 張天翔(ウォン)、 張沫(リー)、 孫良(シュウ)、 鶴見辰吾(隆)
内容(「BOOK」データベースより)
清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える―。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。
これは強烈でした(笑)。
みんなホント元気なんですもん。
この作品、映画化されたんですね。見たいような怖いような。
それにしてもすごいキャストですね~。渡辺のキャスティングには爆笑しました。
私は結構いいと思うんですけど(*^_^*)
そんなに気持ち悪いキャスティングではないのは、
やっぱり小説の世界そのままだとあまりに絵にならないからかも・・。
いやはや、ほんと強烈でしたね。桐野さんのお話に出て来る女性は逞しい人が多いのかな?
今まで読んだ本でも、最初は弱そうだけど、せっぱ詰まると強かったりするような・・・。
でも、そういうのは読んでいてとても楽しいです。
ワタナベのキャスティング、juneさん的には結構良いですか?
自分勝手で我が道を行く・・・って感じは窪塚君にあるかと思うんですが、あの子凄く美形でしょう? ワタナベの外貌があんなにカッコ良かったら、回りのワタナベへの視線ってのも違うんじゃないの~?とか思っちゃったりしましたが、確かに映画にする際、見栄えの良い俳優さんがやった方が良い様な気もするような・・・(観客動員数、興行成績という点でも・・)
縁がなかったと思っていたけど、映画の宣伝の木村多江さんがすがすがしい顔つきでいたので読みましたが・・・
本は・・・さくさく進むけど、女と男の根底にあるものがみえて、やっぱ疲れた時にはどうも・・・
映画はいずれ見ますけど、本より、映画は薄味そうですね・・・
何故お洒落なスカーフ(?)を?
その後お元気でいらっしゃいますかー
アイス、作っていますか?
これ、読まれたんですね?
木村多江さんって、すんごい私立の賢いお嬢様学校出身の方だったことを最近知ってびっくりしました。その学校の側に仕事の関係でたまに行くんですが、通ってるお子さまが一般庶民とは明らかに違うっていうか、なんかこう、品が良いっていうか、綺麗な子が多いんですわ。そういう学校が私んちの近所には皆無なもんで、結構カルチャーショックでしたわ。
と、無関係な方へ・・(^^ゞ
映画は私も是非見たいです。でも映画館までは行かなくていいかな。レンタルで見ます。
そうそう、エルメスと提携してるとか。なんでまた??と、ちょっとびっくりでした。