ポコアポコヤ

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「私の男」苦手でした・・・と、表紙の絵「マルレーネ・デュマス」

2007-12-14 | 小説・漫画他

私の男 (2007.10月出版) 桜庭 一樹
表紙に引き込まれたのと、本の評判が良さそうなので、図書館で借りてみました。
う~ん。近親相姦ものは気持ちが悪くて私は苦手なんですが、王様のブランチとかで「さらっとして嫌悪感が不思議とわかない・・・」などと言われていたので、もしかして平気かな?と思ったのですが、やっぱり残念ながら私はダメでした...これを書いたのが、女性というのに、びっくり。ただ、凄く文章力があって引き込まれて読みました。しかし個人的に、こういう設定が苦手だったのが残念でした。

私は桜庭さんの小説はコレが初めて。どんな方なのかな?とご本人の写真を見て、またちょっと意外。とてもとても、こんな小説を書く方には見えない(じゃ、どんな人なら書きそうなの?って突っ込まれると困るけど) それにしても、まだ桜庭さんのご両親がご健在だとしたら、勇気があるなー!。

で、この小説の舞台に、北海道の紋別と奥尻が出て来るのですが、両方とも随分昔ですが、行ったことがあります。この小説では、寒々しい場所で、まるで地の果て?みたいな雰囲気が漂っており(この親子の濃密な関係がここで始まった事やら、後にここらを「北」とよぶ事など・・)、普通に世間一般の人達にとっては、そういうイメージってことで、すっと入れちゃうんだな・・という事実に、個人的にちょっぴり悲しかったというか、なんというか・・・。
私にとっては両方とも、近しい場所であり、友達と夏にワイワイ楽しく遊びに行った明るい場所?であり、今も友達が住んでいる場所でもあり・・・。

★ネタバレです 以下文字反転して下さい★
途中からは、淳悟が中学の時に同居していた花の一家(花の母と・・)の部分が、すぐピンと来てしまって。で、そこの部分が後半で詳しく解るのかと楽しみにしていたら、触れられておらず・・・。なんだかすっきりしない。それとやっぱり9歳の子に、そんなことしちゃうだなんて許されないよー!以上

読みながら、淳悟を演じるなら、豊川悦司だなぁ~とか勝手に思っちゃいました。他の人達は誰が・・っていうのは浮かばないのに、不思議だなー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

表紙の絵を描かれたのは「MarleneDumas マルレーネ・デュマス」さんという女性の方。 マルレーネデュマスHP
日本でも以前展覧会があったみたいです。彼女の描かれた他の絵も幾つか見てみたんですが、やっぱり、何か惹かれる絵でした。何か、死や官能や怖さ?を感じる絵で、凄く線の太いエゴンシーレ?みたいな印象を受けました。(絵のことは全然解らないので、とんちんかんな事言ってると思います(^^;)


マルレーネ・デュマス プロフィール
1953年南アフリカ、ケープタウン生まれ。少数の白人が半ば支配?するそんな街で育ったことが、彼女のそういった人種差別的な事への嫌悪感を根強くさせたそう。ケープタウン大学で美術を学んだ後、アムステルダム大学で心理学を学び、70年代終わりからアムステルダムに拠点を置き活動。アメリカには行きたくなくて、選んだのが、オランダだったとのこと。


香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で、マルレーネ・デュマス-ブロークン・ホワイトっていうのを~1月20までやっているそうです。いいな~。

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プロレスラーかと・・・ (牧場主)
2007-12-14 17:09:46
私は、この方のは、三作目なんですけど、どれも、娯楽って言うことを意識した、需要に対して、誠実に供給しようというプロ根性があったんですね。
でも、私はあんまそういうのは、うん、ビームがこっちに来てないな、っていう感じでした。
今、ドストエフスキーで頭がいっぱいだから。(まだ読書中)
でも、近親相姦ってきいて、エロをどうする気だろう、開拓したファンの中にはガキも相当いるだろう、さあ、お手並み拝見っていう感じで、興味を持って手に取りました。
読んで、すごく、へぇ、やるじゃん、って思いました。
あのね、ストーリーの向こうに、書いたるで!! っていう根性が見えたんで、ホント楽しかったです。
初めからかっとばしてたでしょう。
前のめりでね、生々しくてね。
何て言うか、十代の頃の鬱陶しい女の子のダークサイドの匂いが懐かしい感じ。
彼氏のいない十代の子が読んだら、ああ、私も「夜の匂い」なんていうしゃれた香りがするお父さんとどこまでも堕ちていきたいって妄想するんかね、現実のお父さんはメタボリックで加齢臭がするんだけどな。
トヨエツか、最近のトヨエツはな、うん、フェロモンがないけど、あと、10キロ痩せたらいいんじゃないかしら。
でも、見たい気はしないな・・・

ところで、私も、この絵を描いた人にすごく興味を持ったんですよ。
ホントにステキな絵ですよね。
男は肌が黒い人というより、闇から立ち上る冷たい情欲と絶望の権化みたいな。
話は変わりますが、「ホルモー六景」の表紙はサイテーじゃないですか? 
鹿男はさ、まあ、よかったと思うんですよ。
でも、鴨川ホルモーの、あの、ビートルズっぽい表紙、なんか、素人くさいっていうか、ヘタウマの一番失敗した感じ。
で、これよ。
もう、何でこんなに下手なのかな? 多分同じ人が描いてると思うんですよね~。
また、落ち着いたら秘密コメントに遊びに来ますね~。
子供がゲロ吐くって言ってるんですよ。
食ったら吐くな、勿体ねぇ・・・latifaさんも胃腸風邪に気をつけて下さいね。
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Unknown (エビノート)
2007-12-14 21:55:58
こんばんは!
無条件に好きというには、ちょっと躊躇してしまうテーマですよね。
難しいところを、よくぞ描ききったと思います。
『桜庭一樹読書日記』の記述に、この本を執筆していた時のことがあったんですけど、物語の世界に入り込むようにして書かれてたんですね。
これほどのめり込むようにして書き上げた作品がこれだったのかぁ~と、感慨深くもありました。
あ、そのエッセイではご両親健在でしたよ(笑)
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Unknown (藍色)
2007-12-15 02:53:46
こんばんは。
なんと!桜庭さん、これが初読みだったのですね。
初読みにはかなりヘビーな作品、よく最後まで読まれましたね。
もう少し楽しめるのもありますので、他のもよかったらどうぞ。
北海道の紋別と奥尻、危うく小説のイメージのままにしてしまいそうでした(笑)。
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牧場主さん☆ (latifa)
2007-12-15 20:54:22
そうか~牧場主さんは、これ面白かったんですねー。ブロガーさん達の間でも、軒並み凄く評判良いです。amazonに至っては、ほぼ5つ☆に近いほどの評価なので、私がたまたまダメだっただけ・・って事だと思います。

なるほどー、桜庭さんって、プロ根性のある、面白い作品を書かれる方の様ですね。
これじゃない別のもいつか読んでみようかな、と思います。

>十代の頃の鬱陶しい女の子のダークサイドの匂いが懐かしい感じ。私も「夜の匂い」なんていうしゃれた香りがするお父さんとどこまでも堕ちていきたいって妄想・・・
 うはははは!!相変わらず、牧場主さん、凄い面白い事書くなぁ~^^
いや、確かにね、私も10代のころは、じじ好みだったんですよ、うん。だから、上記の文も、まんざら解らない訳でも無いです。

トヨエツが好みって訳じゃないんだけれど、この本で、背が高くて・・・って処とかで、ピンと来ちゃったんです。

で、うわ~~嬉しいな!!牧場主さんも、この絵を描いた人に興味を持たれていたなんて!
>男は肌が黒い人というより、闇から立ち上る冷たい情欲と絶望の権化みたいな。
そうそう!!そうなのーー!黒い肌の人って訳じゃなくて、そういうイメージって感じなのです♪(もちろん、別に黒い肌の人でも良いんだけども) やっぱり、牧場主さんだわ。私が言葉に出来なくて、でも思ってたことを、サクサクと文章で表現しちゃう。

>「ホルモー六景」の表紙
いやぁ・・・。なんとも・・・(^^; 好みの問題ですんで、良いぞ!って思ってる方もいらっしゃるんでしょうな・・・。私的には、好きでも嫌いでもなく、ただ、センス良いな、とか好き!とは思わなかったです。でも、青い色とかあの漫画タッチ?な絵が、本屋さんに置いてあると一目を引くな、って思いました。鴨川~とかも、同じ方ですよね?似てますもん・・・。

ところで、娘さん、大丈夫ですか?胃腸風邪は、キツイっすよねー。私んちも、昔、次々とやられて、大変だったことがあります。洗濯物が地獄の様でした・・・。
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エビノートさん☆ (latifa)
2007-12-16 09:28:57
こんにちは~エビノートさん
>難しいところを、よくぞ描ききったと思います。
これは私も感じました。若い女性が書いてるっていうのには、びっくりしました。てっきり有る程度年齢がいった男性が書いてると錯覚しそうでした。

>『桜庭一樹読書日記』の記述に、この本を執筆していた時のことがあったんですけど、物語の世界に入り込むようにして書かれてたんですね。
 そうだったんですか・・・。心身入り込んで作りあげた作品だったんですね。
 うふふ☆ そうですか、ご両親ご健在でいらっしゃるんですね
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藍色さん☆ (latifa)
2007-12-16 09:36:22
藍色さん、こんにちは

そうなんですよ・・・桜庭さん、これが初読みだったんですよ。ゴシック?だっけな?とか、他にも本があるのは知っていたのですが、実際手に取って読んでみよう!と思ったのは、コレが初めてでした。
 で、それまで、この名前から、勝手に男性だとばかり思ってたんです(恥) 後から女性だと解った次第・・・

>北海道の紋別と奥尻、危うく小説のイメージのままにしてしまいそうでした(笑)
 やっぱりそうですか~ 
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ジジ好みですか・・・ (牧場主)
2007-12-19 15:41:15
うーん、私も、昔はすごく年上が好きで・・・そのまま結婚しちゃったな・・・

桜庭さんは、あの、ホントは日本人が好みそうなカタストロフィーをあえてやらなかったとこが面白かったんです。
主人公が結婚を決意しても、だらだらと渡辺淳一的に(よう知らんけど)性に溺れて、はい、心中、みたいにするとカッコがつくじゃないですか。
作者本人も自分は感性は若いけど、このテーマにはギリギリの力量かなていうことが分かってて、でも、ハードルを下げなかったでしょう。
語らないことの美学を貫き通す。
すごいプライドだな、って感心しました。
すごく、絡み合うことの「疲労感」が上手かったんですね、そこが予想外っていうか。
セクシャルなものって、すごく難しいと思うんですね、団鬼六じゃないし、じゃあ、何をどうすればいいか、ホントに戦いですよね。
私はあんま、作者のお父さんが健在っていうことはすごいと思わないですね。
作家って、そういうもんだって思うから。
ただ、作家の家族はイヤでしょうね、正月とか、コタツ囲んで、ミカン食べながら、「・・・また、重版かかったんだって?」 みたいな。
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牧場主さん☆ (latifa)
2007-12-19 16:30:30
そうかー!牧場主さんは、その願望を現実のものにかなえ、しかも結婚までしちゃったお方だったんですよね~~
家の子がね、「ハチクロ」のしゅうちゃん(はぐちゃんの面倒見てるかなり年上の先生)が、理想のタイプだって言ってるんですが、我が子ながら、ナイス♪って思ってるんです。
ああいう包容力があって、なんでも許してくれて、安心して一緒にいられる、そんな人ってイイナ~って今更ですが思います☆
勝手な想像なんだけど、牧場主さんの旦那様も、そんな感じの人なんじゃないかな~

大人の年上の男の人ステキ~って10代の若い子が言う時、こういう「しゅうちゃん」的なタイプではなくて、ちょっとクールなそれでいてちょっとセクシーな魅力のある人を指してることが多い気がするんだけど、前者の場合は幸せになれそうだし、後者だと泣く未来が待ってそうな予感・・・

あっと、また話が勝手に暴走、ズレちゃってすいません。で、桜庭さんですが、私は渡辺淳一って、かなり苦手なんですよ(と言っても何冊も読んだわけじゃなく数冊読んだだけなんですが・・。でも、その数冊が肌に合わず、そしてインタビュー記事とか読んだ限りで)  で、また話がそれますが、私の現実のお友達で、普段本とかに全く興味が無い子が、最近読書にハマってて!とか言うんで、こちらはもの凄いテンション上がって、「わっ!何?何!どんなの読んでるの?」ってワクワク聞くと、、、渡辺淳一だった・・ってことが3度ほどあってね(3人ってことね)渡辺淳一の本なら全部持ってる!とか言うんですよ・・・ 別に渡辺淳一さんの文学どうこう言う資格とか全く私には無いんだけど、ただ、せっかく本の話題が出来る!って思った時に、よりによって、渡辺淳一かぃ・・・って悲しくなった・・って事で。

なんか、全然レスになってないな・・すいません。
わ~ 牧場主さんは、お父さんが健在とか、そういうの気にならないんですね?私は自分が作家だったら、親が健在なうちは、書くものとか、妙に意識しちゃってダメそうです。彼氏、旦那や子供がいてもダメか・・・。自分がもし天涯孤独だったら、思うぞんぶん、思ったまま好きにかけそうかな。

PS 重松さんの、アップしちゃいました
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予約したのよ (みみこ)
2007-12-20 09:56:10
こちらにも。私もこれ新聞評で最近知ったのですが。
latifa さんはう~~んちょっとだったのね。
トヨエツっていう名前もあがっているし・・・笑・・
北海道が舞台・・(なのよね?)ということもあって
俄然興味がでてきました。渡辺淳一ぽいの?
で・・ここからはそれるんだけどね。
たまたま昨日図書館で機械使ってこの本の予約を入れたのよ。「私の男」って入力してね・・笑
そのとき偶然友達に声かけられて・・・。
動揺して(別に動揺しなくてもいいけど・・・)
画面が全然もとに戻らなくなったのよ。
いつまでも題名が輝いていて・・・・。
なんだか恥ずかしかったな。別に意識する題名でもないけれど、どんな本って聞かれるのも嫌だったし。
(結局話題にはならなかった・・・)
小心者だな・・・・って思った出来事でした。
あ・・・ダラダラ書いたので暇つぶしに
読んでもらえればいいです。
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私、牧場主の男は (牧場主)
2007-12-20 15:31:36
ああ~、私の父がね、ひどいペシムズム男でね、もう、一緒にいるだけで心が被爆させられるような、生きることへのエネルギーが搾り取られていくような人間なんですよ。
で、いつも、いつも、すごく精神的に強い、絶対自殺しないかんじの男と、一緒になって、家族を作って、たんと子供を産んで、この男から解放されたい、って常に思っていました。
血が繋がっていても、私はこの男とは関係ない、っていうことを証明するために人生費やしても構わん、って思って、精神的に最もタフな男を見つけて、すぐ、くどいちゃいました。
「忍耐なら自身がある」って言ってのける男でね。
ああ、この男は絶対何があっても自分からは死なないな、みたいな、安心感がありました。
私は父に嫌悪感しかなく、勿論肉体関係もありませんが、堕ちていく男を振り切りたい気持ちは、よく、分かります。
私も父を殺さなかったし、この主人公も嫁に行ったんで、よく、分かります。
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