
やっぱり高瀬さんのお話は面白い! 4つ★~4つ★半
【収録作品】
「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」の5つ。
その中で「お返し」は以前読んでいましたが他はお初。
★以下、ネタバレ全開であらすじと感想書いていますので注意!★
「花束の夜」
指導役の上司が退職する送迎会。
もらった大きな花束を彼女に要らないからと渡して去って行った上司とはこっそり関係を結んでいた。彼には恋人もいたし、なんとなく・・・な関係だった。
家に花瓶が無いし、花束を捨てようにも捨てる場所もなく、汗をかきながらさまよい、最後は彼の部屋の前に置いて帰るというオチ。そう来たか。
陽気で堅苦しくない彼だったけど、実は会社での本当の評判はあまり良くもなく・・・。
送迎会の後、速攻で彼が電話を不通にしていたっていうのもね、なんか嫌な男だな。
「お返し」
やっぱりこれは短編だけど、来るねー。
覚えておいてもらう、という処に重きを置いている処がおおっ!と思わせられるお話。
以前書いた感想のコピペをはります。
群像2022年12月号
小学校時代に毎年バレンタインにチョコをくれた一つ年下のユウハ。最初は母親同士が親しくてそれ繋がりで遊んだりしていたが、小3くらいから距離が出来てしまったのに、それでもずっと毎年くれていた。高校が別になって一時それが途切れていたのに、高3卒業目前のバレンタインにやって来た。正直、嬉しいよりも面倒な様な気持ちだった。ホワイトデーのお返しの時の母親の手助けとか色々・・・。
その後何年も経ち、現在自分も同じ会社の女性と結婚して息子がいるし、ユウハは大学卒業して就職し、大きな子供のいる男性と早々に結婚したらしい。
昔のバレンタインの出来事を話したら、彼女が返答した言葉が凄く印象的。
「なんか子どもの頃って、好きって気持ちの終点が、必ずしも両想いになることじゃなかった気がするんだよね。好きな人の意識にのぼること、記憶されること、忘れられないことの方が重要だったかも。
「でもあなたは、結局こうして、その子のことをずっと覚えているわけでしょ」 きっぱりした声で言い切られ、言い返そうとした言葉 が、喉の奥で詰まる。 「最後に渡したチョコって、それで想いをかなえられるか もって期待を込めたものじゃなくて、だめおしだったんじゃないの。 最後の。ここまでしたらさすがに忘れられないだろうっていう」
と、はっきり記憶し続けてるなんて、すごいじゃんね。わ たしだったらホワイトデーにどんなに豪華なお返しをもらうのより、そっちがいい。ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」
確かに。そんな風に記憶にしっかり強く残るっての、凄いなあと思ったな。
「新しい恋愛」
これは最後のオチが!
娘を用事で妹に預けたお姉さんは、夫が好きになった女性と会っているという、びっくり仰天。
あと現在の中学生の感覚も新鮮で面白かった。
お見合いやマッチングアプリでの結婚って、大きく外したりはしないと思うから、私的には良いんじゃないかな?と思います。周りに結構多いし。
「あしたの待ち合わせ」
ストーカーじみた男性との10数年。
ちょっと怖いね・・。また、ブラックな高瀬さん節(同性と仲良くするために、わざとちょっと品のない男性視線での評価を下げるような行いをしたり・・)
「いくつも数える」
これ!すごい、って思ったわ。
年の差が離れているカップルを題材にしたお話なのだけれど、男女とも逆の立場での両方の考えが解る作りになっているのが絶妙な小説でしたよ!
主人公の男は現在38歳。入社したばかりの頃から12歳上の女性と仲良く飲み友達だ。
会社の上司に50歳でカッコ良くて慕われているイケオジがいるが、彼が26の女性と結婚することになり、周りの評価がガタ落ち(えー!そんな事で・・?と思った)ちょっと驚く気持ちも解るけど・・・
同僚のキツイ女性は「気持ち悪い」と言う。(こういう女子、高瀬さんのお話には結構登場してきますよね)噂話で気持ち悪いと言った時にいたパート社員の女性の夫が亡くなり、その夫婦も実は26歳くらい年の離れたカップルだったことが解る。今更だけど彼女の前であんな発言をしたことを悔やむ。
その後、上司は移動になる。自ら志願して少し楽な部署に移動し育休をもらう為だったが、周りは勝手な推測で会社側が今回の結婚の件で人望を失ったからじゃないか?と誤った噂をしていた。
ところで主人公は最近婚活パーティーで知り合った23歳の女性と良い感じな雰囲気である。
自分も若くて可愛くて、スレてない若い彼女が可愛いが、それは若いからか?とかなり悩む。でも彼女と交際すると自分の評価が下がるであろうことも想像がつく。
それと自分は12歳上の女上司とも長年交友関係がある。いつも食事をおごってくれて、一線を越える様な事は無かったが、、今迄の間全くそういう気持ちが無かったわけではなかったこと、彼女の視線やちょっとした行動に冷や汗をかいたことを思う。
ラストは無事赤ちゃんが産まれたという上司からの知らせが届くところで終わっていました。
最近は芸能人(殆どの場合男性がかなり年上)が若い女性と‥って時に、そんな若い子をget出来るなんてやるなー!という言葉と、嫌悪感を感じる人の声がSNSでよく聞かれますよね。
そうそう、昔は大人や大学生と高校生とか、まだ10代中盤の女の子と大人の男性の恋愛って内容も普通に転がっていたと思うのだけど、今では犯罪、やばい・・とか言われる様にと変わってきた気がします。映画の「レオン」なんかは久しぶりに再見すると、うーん、ちょっとマズいか・・?って思う様に気持ちが変わったし・・。
12歳と30歳だと、え!!って思うけど、20年経つと32と50と、違和感減りますよね。
年の差婚だと年上の側の人がお金があるから成功者だから、と言われがちですが、川上弘美さんの「センセイの鞄」みたいな感じの恋愛ってあると思うし。
そういえば、高瀬さんがU-NEXTの月1回連載のネット掲載のエッセイをやっていました。
こわいものをみた

高瀬さんの次回作も楽しみにしています!
新しい恋愛 2024/9 高瀬隼子
高瀬隼子
「新しい恋愛」
「め生える」
「うるさいこの音の全部」
「いい子のあくび 」
「お供え」「お返し」「末永い幸せ」「うるさいこの音の全部」
「おいしいごはんが食べられますように」
「犬のかたちをしているもの」
「水たまりで息をする」
【収録作品】
「花束の夜」「お返し」「新しい恋愛」「あしたの待ち合わせ」「いくつも数える」の5つ。
その中で「お返し」は以前読んでいましたが他はお初。
★以下、ネタバレ全開であらすじと感想書いていますので注意!★
「花束の夜」
指導役の上司が退職する送迎会。
もらった大きな花束を彼女に要らないからと渡して去って行った上司とはこっそり関係を結んでいた。彼には恋人もいたし、なんとなく・・・な関係だった。
家に花瓶が無いし、花束を捨てようにも捨てる場所もなく、汗をかきながらさまよい、最後は彼の部屋の前に置いて帰るというオチ。そう来たか。
陽気で堅苦しくない彼だったけど、実は会社での本当の評判はあまり良くもなく・・・。
送迎会の後、速攻で彼が電話を不通にしていたっていうのもね、なんか嫌な男だな。
「お返し」
やっぱりこれは短編だけど、来るねー。
覚えておいてもらう、という処に重きを置いている処がおおっ!と思わせられるお話。
以前書いた感想のコピペをはります。
群像2022年12月号
小学校時代に毎年バレンタインにチョコをくれた一つ年下のユウハ。最初は母親同士が親しくてそれ繋がりで遊んだりしていたが、小3くらいから距離が出来てしまったのに、それでもずっと毎年くれていた。高校が別になって一時それが途切れていたのに、高3卒業目前のバレンタインにやって来た。正直、嬉しいよりも面倒な様な気持ちだった。ホワイトデーのお返しの時の母親の手助けとか色々・・・。
その後何年も経ち、現在自分も同じ会社の女性と結婚して息子がいるし、ユウハは大学卒業して就職し、大きな子供のいる男性と早々に結婚したらしい。
昔のバレンタインの出来事を話したら、彼女が返答した言葉が凄く印象的。
「なんか子どもの頃って、好きって気持ちの終点が、必ずしも両想いになることじゃなかった気がするんだよね。好きな人の意識にのぼること、記憶されること、忘れられないことの方が重要だったかも。
「でもあなたは、結局こうして、その子のことをずっと覚えているわけでしょ」 きっぱりした声で言い切られ、言い返そうとした言葉 が、喉の奥で詰まる。 「最後に渡したチョコって、それで想いをかなえられるか もって期待を込めたものじゃなくて、だめおしだったんじゃないの。 最後の。ここまでしたらさすがに忘れられないだろうっていう」
と、はっきり記憶し続けてるなんて、すごいじゃんね。わ たしだったらホワイトデーにどんなに豪華なお返しをもらうのより、そっちがいい。ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」
確かに。そんな風に記憶にしっかり強く残るっての、凄いなあと思ったな。
「新しい恋愛」
これは最後のオチが!
娘を用事で妹に預けたお姉さんは、夫が好きになった女性と会っているという、びっくり仰天。
あと現在の中学生の感覚も新鮮で面白かった。
お見合いやマッチングアプリでの結婚って、大きく外したりはしないと思うから、私的には良いんじゃないかな?と思います。周りに結構多いし。
「あしたの待ち合わせ」
ストーカーじみた男性との10数年。
ちょっと怖いね・・。また、ブラックな高瀬さん節(同性と仲良くするために、わざとちょっと品のない男性視線での評価を下げるような行いをしたり・・)
「いくつも数える」
これ!すごい、って思ったわ。
年の差が離れているカップルを題材にしたお話なのだけれど、男女とも逆の立場での両方の考えが解る作りになっているのが絶妙な小説でしたよ!
主人公の男は現在38歳。入社したばかりの頃から12歳上の女性と仲良く飲み友達だ。
会社の上司に50歳でカッコ良くて慕われているイケオジがいるが、彼が26の女性と結婚することになり、周りの評価がガタ落ち(えー!そんな事で・・?と思った)ちょっと驚く気持ちも解るけど・・・
同僚のキツイ女性は「気持ち悪い」と言う。(こういう女子、高瀬さんのお話には結構登場してきますよね)噂話で気持ち悪いと言った時にいたパート社員の女性の夫が亡くなり、その夫婦も実は26歳くらい年の離れたカップルだったことが解る。今更だけど彼女の前であんな発言をしたことを悔やむ。
その後、上司は移動になる。自ら志願して少し楽な部署に移動し育休をもらう為だったが、周りは勝手な推測で会社側が今回の結婚の件で人望を失ったからじゃないか?と誤った噂をしていた。
ところで主人公は最近婚活パーティーで知り合った23歳の女性と良い感じな雰囲気である。
自分も若くて可愛くて、スレてない若い彼女が可愛いが、それは若いからか?とかなり悩む。でも彼女と交際すると自分の評価が下がるであろうことも想像がつく。
それと自分は12歳上の女上司とも長年交友関係がある。いつも食事をおごってくれて、一線を越える様な事は無かったが、、今迄の間全くそういう気持ちが無かったわけではなかったこと、彼女の視線やちょっとした行動に冷や汗をかいたことを思う。
ラストは無事赤ちゃんが産まれたという上司からの知らせが届くところで終わっていました。
最近は芸能人(殆どの場合男性がかなり年上)が若い女性と‥って時に、そんな若い子をget出来るなんてやるなー!という言葉と、嫌悪感を感じる人の声がSNSでよく聞かれますよね。
そうそう、昔は大人や大学生と高校生とか、まだ10代中盤の女の子と大人の男性の恋愛って内容も普通に転がっていたと思うのだけど、今では犯罪、やばい・・とか言われる様にと変わってきた気がします。映画の「レオン」なんかは久しぶりに再見すると、うーん、ちょっとマズいか・・?って思う様に気持ちが変わったし・・。
12歳と30歳だと、え!!って思うけど、20年経つと32と50と、違和感減りますよね。
年の差婚だと年上の側の人がお金があるから成功者だから、と言われがちですが、川上弘美さんの「センセイの鞄」みたいな感じの恋愛ってあると思うし。
そういえば、高瀬さんがU-NEXTの月1回連載のネット掲載のエッセイをやっていました。
こわいものをみた

高瀬さんの次回作も楽しみにしています!
新しい恋愛 2024/9 高瀬隼子
高瀬隼子
「新しい恋愛」
「め生える」
「うるさいこの音の全部」
「いい子のあくび 」
「お供え」「お返し」「末永い幸せ」「うるさいこの音の全部」
「おいしいごはんが食べられますように」
「犬のかたちをしているもの」
「水たまりで息をする」
わ~嬉しい、いっぱい思うことがあって、そぞれにコメしたいけど・・・(笑)
「お返し」が、幼い頃の淡い話かと思いきや、意外と深かった。
中学生の頃、好きな人と「付き合う」って何なんだろうね?と友達と話た記憶がある。
学校から家の方向が同じだったら「一緒に帰る」というデートが出来るけど、方向が違った場合、休日に会うしか無いの?って (その頃は、ケータイが無かった)
あ~感想が脱線してる~(笑)
でも確かにさ、中・高校の頃の恋愛って覚えてる。 思い出が綺麗だからかな?
最後の年齢差のカップルのね。
ん~~~他人が、どんな恋愛しようと勝手じゃない?と思った。
私の知り合いに、オジサンと若い女の子のカップルがいて・・・。私は、オジサンと知り合いで、あとからそのグループに若い女の子が入ってきたんだけど、カップルになったって知って「オジサン、やるじゃん!」って思ったのよね。
相手が未成年だったら犯罪になっちゃうからダメだけど、お互いが成人でお互いが好きならどーでも良くない?って思う。
レオンのジャンレノさんって30歳だったの??あぁ確かに30と12じゃ、ダメよね(笑) ね!32と50なら 問題ないのだけどね^^
高瀬さんエッセイも書くんだ~~。面白そう。
あ~まだまだいっぱい書きたいよ~~
3連休初日だけど雨だねー。
>学校から家の方向が同じだったら「一緒に帰る」 方向が違った場合
コレ!!重要よねー。これって同性の友達でもそうだけど、同じ方向って仲良くなりやすいし、親しくなりたい相手が同じ方向だと、やった!って内心ガッツポーズなんだよね。 まるで方向違うと、はあー無理かも・・って(私は)なっちゃってた。
私もケータイが無かったよ、家電だけで、しかも電話は1階の茶の間にあって、自分の部屋は2階で、最初に自分が取るとなると、用もないのに茶の間で待ってたりして、ほんとキツ過ぎたー!
と、私も話がズレズレ。
で、レオンの時ジャン・レノが何歳だったかは知らないんだ。ごめんよ。
でも、本当は2人のそういうからみのシーンがあったか?脚本であった?んだけど、後にカットしたそうで。私はそれ聞いてショックでねー。
あ、ごめん言葉が足りなかった。
ジャンレノさんの「役」が30歳って設定だったのね・・。ってことです(笑)
あの子と、恋愛?ぽいシーンは無かったと思うけど・・・まさか、12の女の子と30のおじさんが??は、ありえない、ナイナイナイ!!
恋愛に、何歳差があっても良いと思うけど、未成年に対してはダメだわ~~~。
家電の話、笑った。私もだよ^^
ね~あるあるだよね。今の子は、み~んなケータイを持ってるから、そーいうのが無いんだろうね。
なんか懐かしいね。
映画でのレオンの年齢の設定も、ジャンレノの当時の年齢も両方解らなかったんだけど、気になって今ネットで調べて来た。
当時のジャンレノは何と46歳だったよ!!(30歳位には見えなかったけど、46歳はびっくり)
ナタリーポートマンは12歳位だったみたい。アワワ・・・
ただ、これは当時も今も問題になってるみたいだね。
家電の話、反応してくれてありがとう
昔、携帯電話やネットがあったら・・・って思う事あるよ。
遠距離恋愛なんて特にね。
別れる事なく続いていたカップルも多いんじゃないかな?と思う。