今回のしをんさんの小説は、辞書作り。
しをんさんならではの、あまり馴染みの無い未知?のジャンルを、誰もがとっつきやすく、面白く描いてくれています。以前にも文楽の『仏果を得ず』、林業の『神去なあなあ日常』があって、こういったタイプの小説が大好きです。
前半は、もう5つ☆でしょう!!って位、面白くて大好きでした。
まじめさんが、ユニークで純朴で好みだったのと、彼とからむチャラ男の西岡さん(この人のキャラ設定も、しをんさんお得意な感じで、いつもながらに良かった。適当な様で実は彼なりに色々考えているところとか、まじめに対して少し劣等感を持っているとことろか・・・)→最後の章で、出来上がった辞書のあとがきに彼の名前がちゃんとあったのは、嬉しかったなぁ!絶対彼の名前は辞書のどこかに書かれているはず・・って思ったけれどもね
また、板前修業中のカグヤさんと、まじめさんの初々しい恋愛模様も、微笑ましかったです。ただ、ある晩でいきなりの急展開してしまうのには、ちょっとびっくり。もうちょっと引っ張って欲しかったかな~
この2人の、お互いの生き甲斐である仕事を一番に尊重した結婚生活は、上手く行くだろうなぁ~って思いました。子供がいなかったのも良かったのかも。2人の関係とか、ボロい下宿で住んでる処とか「神様のカルテ」もそうでしたね。こういうカップルって、子供がいないと上手く行くと思うんだけど、子供を作っても、それでも関係が上手く行かせるにはどうしたらいいのかな・・・?いつも考えてるんだけど・・・。
中盤の西岡さん目線のパートでは、西岡さんとその彼女の関係が描かれています。両方遊び人同志の自由恋愛って、こういう感じだったりするのね?と、参考になりました。
女性が重視するのは「誠実さ」「自分を一番に大事にしてくれるか否か」というとことは、確かにあるかなぁ~と思いました。
でも、そうじゃない、しょうもない男子にイカンと思いつつも惹かれてしまい、ボロボロになってしまう女子も結構いると思うんだけどねー。(高学歴で才能ある女子に、そういう傾向大な気も・・)
後半部分、15年が経ってからのパートは、今まで登場して来なかった岸部さんという女性目線で描かれる様になっちゃったのが、少々残念でした。
岸部さんと、究極の紙作りの宮本さんの関係よりも、もっと15年後のまじめさんの様子とか(多分変わってないから書く事があんまりなかったのかもしれないけど)お話を読みたかったので・・・。
だって、宮本さんってどんな男子なのか、あんまり姿が浮かんで来なかったし・・2人のラブロマンスの展開も普通だったから・・・。
「ぬめり」感のある紙って、わかる~~! こういう紙のスペシャリストとかって世界も奥が深くて素敵ですね。
ラストは15年かかって辞書がやっと出来るものの、先生は78歳になっていて、ご病気で他界されてしまいます。やっと出来てばんざーい!なのだけれど、なんだろう・・・ラストの盛り上がりが若干少なかったかな・・?なんて思って(すいません!)すごくこの小説面白かったんだけれど、前半がものすごい楽しかっただけに、最後の方が前半よりも若干弱く感じちゃったというだけです。トータル4つ☆半~5つ☆
辞書の「れんあい」や「愛」というところに、異性に対してと限定しているところが引っかかる・・・というのは、私も同感です。同性同士だって良いじゃないですか。
「舟を編む」三浦をん / 2011-09-17
PS 個人的に、イラストが描かれた帯等は、無い方が好きです。
「木暮荘物語」「天国旅行」
「まほろ駅前番外地」
星間商事株式会社社史編纂室
神去なあなあ日常
「光」
「悶絶スパイラル」「人生劇場」「仏果を得ず」感想
「きみはポラリス」感想 三浦しをん
「むかしのはなし」三浦しをん と「最後の恋」感想
「桃色トワイライト」「まほろ駅前多田便利軒」感想 三浦しをん
「秘密の花園」、「風が強く吹いてる」
辞書の編纂には膨大な時間と労力が必要なんですね~。 なので、新しいキャラも入れていかないといけなかったのでしょうか。岸部さんが案外スンナリと馴染んでいけたのは、やっぱりあのファイルの御蔭?
辞書製作という長い時間の物語だっただけに端折り感が大きかったですね。
後半は駆け足で物足りなかったです。もっと壮大な物語でもよかった。
登場人物はみんな素敵でした。
あ、私も帯ないほうが好きです。本屋さんに並ぶにはあの帯ないとかなり地味なんでしょうね。帯にしててくれてるので、外せばいいんですけど。
しをんさんはいつもコアなテーマなので今度は何がテーマなんだろうととても楽しみにしています。
辞書がテーマとは思いませんでした。
でも、すべて読み終えた後にタイトルを見返すと「舟を編む」という言葉がなんて素敵なんだろうと思いました。
今度何を書かれるのか楽しみです。
あのファイルは役立ちましたねー。
こにさんちのレスで初めて知ったのですが、イラストのまじめさんは、カッコイイんですね?
私は図書館で借りたので、そのイラストをまだ見ていないんです(本屋さんで、この本が売られているのは見かけていましたが、立ち止まってイラストをじっくり見た事が無かった)
本を読み終わった事だし、今度じっくり見てこようっと
そうですね、一人くらい意地悪な人が出て来たりするのが普通なんですが、この本は、みんな良い人だったのは、読んでいて気持ちが良かったです。
そういわれてみれば、しをんさんの本って、救いようの無い意地の悪い人ってあんまり登場して来ない様な・・・)
ちきちきさんも、帯無い方がお好きですか。
確かに取り外し出来る様にしているので、苦手な人は取れば良いですね。
そちらは雪が積もってるみたいですねー。
そういえば、先週は雪祭りの様子を、旦那がニコニコ動画の実況中継で見てました。今は昔と違って、出店が一杯出る様になってるんですね、お安い値段で色々な食べ物が売られていて、あれは良いですねー。
そうそう、初音ミクって札幌出身なのを今回初めて知りました。
しをんさんの次回作、楽しみですねー。
今度はどんな世界を見せてくれるんでしょうか?
でも、同感、後半いまいち、失速したかな、って思いました。
やはり、岸部さんっていう女の方のキャラが割と読者目線で、結構、物語牽引力のある人の方が良かったかな、って思います。
チャラ男が前半読者の視点で、平凡地点から発言を発信してましたので、仕事の業務と同じくリレー形式なんだと思うけど・・・
まあ、変人ばっかりだと辞書は出来ないんだろうけど・・・
先生の人生を思うと、それだけで盛り上がる多くのドラマがあるので、後半彼女に割くページをもっと先生に焦点を定めてほしかったかな、って思います。
でも、それは欠点を探せば、ってことで、私はこの小説やっぱ何回も爆笑したし、好きです。
そういや、「大奥」ドラマ、映画キャストご覧になりまして?
私は浮き輪のようなお腹を見てから、堺さんはちょっと・・・(スレンダーだと思っていたのにっていうショックが大きかった)頑張って色気出してほしいものです。
牧場主さんも、これ、後半失速したかな・・・って思われたんですね。
>先生の人生を思うと、それだけで盛り上がる多くのドラマがあるので、焦点を定めてほしかったかな、って思います。
同感ですー。後半彼女に割くページの割合が、ちょっと多かったな・・って思いました。彼女とその彼部分のところ・・。恋愛モードは削っても良かったんじゃないかな~。メインのまじめさんと奥さんの処で、恋愛部分があったので。
>でも、それは欠点を探せば、ってことで、私はこの小説やっぱ何回も爆笑したし、好きです。
そうそう!そうです。私もこの小説好きだし、とても良いお話だと思います。
ついつい欠点ばっかり書いちゃって、いけない癖です・・。
>「大奥」ドラマ、映画キャスト
知らなかったので、びっくりでした。。。
堺さん・・・小柄ですよね・・・。
う~~ん、、、、
大奥は多分なんだかんだ言っても見ますけど。
面白いといいなと思います。
「悪の教典」の映画のハスミンの伊藤英明さんはどうですか?
私は「・・・」って感じ・・・
花粉、いかがですかー。こちらは最盛期のようで・・・
>辞書作りの醍醐味
多分しをんさんの事だから、色々徹底的に辞書や辞書に携わる人など調べたと思われ・・。小説には書かなかったウンチクやネタが、きっと残ってると思うと、もったいなくてー。もっと聞かせてくれぃ~~!って気持ちなんです。
え~~っ、知らなかった。
悪の教典も映像化ですか??
伊藤さん?? ふーん・・・なるほどー。確かに人気者で悪そうに見えないってところはあってますね。ただ、ブラックな面が彼にはあんまり見えて来ないなあ・・・。
そうそう、3ヶ月くらいまえ、NHKで生命保険についてのドラマがあって、それに伊藤さん主演してたんです。冷血漢だけど・・って役だったのですが、やっぱり彼って優しくて良い人って印象が・・。
それよか、苦役列車の主演が山本未来君で、その山本君に、作家の西村さんが「自分の若い時に似てる」とか何とか言ったらしいと聞いて、妙に可笑しくて(色々な意味で)