ネタバレ感想「ダンデライオン」中田永一

よくあるタイムリープものですが、そうは言っても、どうなるどうなる？と、先が気になって集中、一気読みさせてもらいました。4つ★

以前、たしか乙一さん（中田さん）が映画「バタフライ・エフェクト」が大好きだと言っていて、私も大好きなんですけど、それと雰囲気が少し似た小説でした。
でもこちらは途中も後味も良いです。

小学生でも安心して楽しんで読める小説ですね。
エログロも無いし、登場人物も少ないので、ホントに読みやすいです。

★以下ネタバレ★
自動車事故に遭って肩を怪我してしまい、野球を諦める事になるその日付を聞いていたのに、1年早かった・・・というのは、わざと自分が彼女に1年早い日付を伝えていたんですねー！野球を諦めるのは辛かったけれど、31歳になるまでの人生、そして現在が幸せだからこそ、なんですね。事故に遭わずに済むも、自分の運命が変わってしまうのを恐れて。ここが一番私が印象に残った処でした。
あと、ロトとか株のグラフ(笑）で大儲けをして、その大金で大震災の前に対策としての工事をしたり、ネットで大きな地震が来ると予告をしまくったりとか、その辺りは良いなって思いました。　　太ったおじさんが犯人だったとはね・・・。
11歳の少年が鎌倉の家にかけつける際、彼も覆面をかぶって訪ねる様に・・とかで、顔を犯人に見られない様に対策すればよかったのにな。あ、でもダメか、お母さんの財布を落として、それから少年の身元が知られてしまうんだし・・。　
最後は無事に31歳の彼が1999年から20年後に戻って来れて彼女と変わらずハッピーエンドで良かった。
ただ、これからが人生勝負！今までのように決められてるレールがなくなって、手探りで明日は何が起こるか解らない人生を歩んで行くのね。今まで楽してお金持ちになれた兄と弟、この後の人生大丈夫かな？以上

色々よく考えれば、ツッコミどころとかあるんでしょうけれど、そういうのが気にならず、楽しんで私は読めました。

でもなあ、将来こうなる・・って事が解っていたら、あんまり人生楽しくなさそうね。（特に恋愛の醍醐味の「出会い」という点では）
決まったレールの上を辿る様なのって、ワクワクしないっぽい・・・。
でも不安症の私なら、少なくとも未来元気で幸せに暮らしてるっぽい、ってのが11歳時に解るのは安心できるし良いかも。人によるかもな。

ダンデライオン 　2018/10/25　中田永一
11歳の下野蓮司はある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた。20年の歳月が流れていた。そこに恋人と名乗る西園小春が姿を現す。子ども時代と大人時代の一日が交換されたのだ、と彼女は話した。
一方、20年後の蓮司は11歳の自分の体に送り込まれていた。ある目的を達成するために、彼は急いでいた。残された時間は半日に満たないものだった--。


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