リートリンの覚書

縄文時代・縄文人の健康事情と葬儀


縄文人の妊娠事情

古人の骨を研究している研究者は、
縄文人の初出産は
18歳から19歳ぐらいではないかと
しています。

数に関しては、
確かなことはわかりませんが、
世界各地に残る
狩猟採集民のデータから推測して、
おおよそ4人ほどではないかと
考えられています。


縄文人の病気・怪我について

縄文時代後期から晩期の遺跡である、
福島県相馬郡新地街三貫地貝塚から
出土したこの頭蓋骨には、
内部から穴があき、
転移したがんに蝕まれた形跡が
残されていました。
この頭蓋骨の主は
30代で亡くなったと考えられています。

他にも怪我や足首の関節炎を患った
縄文人の骨がたくさん見つかっています。

骨折は、女性よりも男性が多く。
上半身に多くの痕跡が見られることから、
狩猟・漁撈の際、
骨折したのではないかと考えられています。

中には、
推定50歳以上と思われる男性の
左足大腿骨が大きく変形した
人骨が見つかりました。

その人骨はさらに、
変形した周囲の骨には
長期間にわたり強く圧迫されてできた
溝のような変形も認められました。

これは、
大腿骨を骨折したあとに完治できず、
足が動かなくなり、
膝を曲げて紐できつく
縛っていたことでできた
溝ではないかと考えられます。

そんな状態にもかかわらず、
この人物は50歳過ぎても
生きていたことになります。

それは、
周りから支援なしでは無理なことです。

おそらく手厚く介護されながら
暮らしていたと思われます。

また、
北海道洞爺湖町の入江貝塚から
ポリオ(小児麻痺)にかかった
とても細い骨が見つかっています。

頭蓋骨の大きさは普通でありながら、
腕と脚の骨がとても細く、
筋肉が付着した痕跡が
ほとんどありませんでした。

20歳前後で亡くなったようですが、
ポリオにかかってから
10年間ほど人の助けを受けながら
生きていたのです。


縄文人の寿命は?

民俗事例から考えると
10歳まで生きられるのが6割から7割。
15歳まで生きられるのが
5割ぐらいと言われています。

以前は縄文人の平均寿命は
30歳ぐらいと言われていましたが、

詳しい調査が進むにつれて、
今ではおおよそ40歳以上に
なるのではないかと考えられています。

※岩手県蝦島貝塚や千葉県祇園原貝塚など9つの遺跡から出土した計86体の人骨は、65歳以上が32・5%を占めていたという研究報告もされています。


縄文人の歯

縄文人ですが、
見つかる骨の中には
虫歯や歯槽膿漏の痕跡が
あるものもあります。

その上、
世界の狩猟採集民族と比べても、
虫歯になっている人の率が高い
というデータもあります。

その原因は、
縄文人たちが
普段食べている食料にあります。

彼らの主食は、
木の実やイモ類などの
デンプン質を多く含む食べ物です。

デンプンには糖質が含まれていますから、
これが虫歯の原因になるのです。


縄文人の埋葬

縄文人たちは亡くなると
「土抗墓(どこうぼ)」と呼ばれる
地面に穴を掘ったお墓に埋められました。

これらの墓は、
環状集落の真ん中に
埋められていることもあれば、

青森県・三内丸山遺跡のように
集落の入り口と思われる場所に
並んでいることもあります。

中には、住居から離れた場所に、
墓だけが集まっている場合もあり、

大人と子どもを離して
埋葬したりすることもあったようです。

地域や時代によって、
墓事情に違いがありました。


縄文時代の埋葬方法

・伸展葬(しんてんそう) 
膝を伸ばしたまま埋葬されます。

・再葬 
一度埋葬したのち取り出してよく洗い、
一体ずつ入れた土器を逆さに伏せ、
並べて埋葬します。

・土器棺墓(どきかんぼ) 
赤ちゃんや幼い子どもが亡くなった時には
土器にいれて埋葬する
場合もあったようです。
その土器は家族が暮らす住居の入り口や、
例えば母親が座っていたと
思われる席の下に埋められて
いることもあったようです。

・屈葬(くっそう)
多くの埋葬はこの方法でした。
膝を抱えるような状態で埋葬されます。
屈葬が行われていた理由として、
様々な理由が考えられています。

1・死者の霊が生者に危害を加えるのを防ぐために封じ込めた。

2・胎児の姿を真似て、母なる大地にかえした。

3・墓穴を掘る労力を減らした。


縄文の副葬品

縄文人の場合、
基本的には副葬品がないことが
多いようです。

しかし、
集落の首長や呪術師(シャーマン)と
考えられる人の墓からは出土しています。


感想

初出産が18歳か19歳。
以外に遅いと思いましたが。

しかし、
当時の栄養事情を考えてみると、
初潮が始まるのは、
今より遅いことが推測されます。
納得です。

さて、
縄文時代は想像していたより、
人々の結びつきが強かったようですね。

例にあげた、
骨折した男性、ポリオにかかった女性。

おそらく、
骨に残された情報から
普通に歩くことが
出来なかったのではないかと思います。

そうなると、
狩猟、採集も出来なかった可能性が高い。

それでも、彼らは天寿をまっとうできた。

これは、
周りが彼らを
サポートしたから成り立つことです。

それは、
家族だけでなく、
集落全体で彼らを支えていたことでしょう。

本当に素晴らしいことです。
見習いたいものです。

また、
縄文人に虫歯が多かったとは、
ちょっと驚き。

白くて頑丈な歯を
もっていたようなイメージでしたから、

まさかの虫歯。

治療法がなかったでしょうから、
痛かっただろうなぁ。

もしかすると、
抜歯をしたのは
歯並びの間隔を開けて
歯に食べ物が詰まらないようにしていた?

なーんて。

虫歯も抜歯も
想像しただけで痛い😖

さて今日はこれにて。

明日も縄文時代を詳しく調べてみます。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。







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