天糠戸命
(あめのぬかとのみこと)
鏡作の遠祖・鏡作部
天の岩戸神話では
天照大御神を天の岩戸から
誘い出すために鏡をつくったといいます。
別名
天糠戸神(あめのぬかとのかみ)
天抜戸(あめのぬかと)
天糠戸者(あめのあらとのかみ)
天糠戸者(あめのあらとのかみ)
「日本書紀」では
巻第一 神代上 第七段
第二の一書では、
このように登場しています。
“ゆえに恚恨をもち、すなわち天の石窟に居まして、その磐戸を閉じてしまいました。時に、諸神はこれを憂い、乃ち、鏡作部の遠祖・天糠戸者に鏡を造らせ、忌部の遠祖・太玉者に幣を造らせ、玉作部の遠祖・豊玉者に玉を造らせ、また山雷者には、五百箇眞坂樹を八十玉籤を採らせ、野槌者には、五百箇野薦野薦を八十玉籤採らせました。これ諸の物を皆、聚集して来ました。“
鏡作部の遠祖です。
天岩戸(あめのいわと)に引きこもった
天照大御神を誘い出すための
鏡を造りました。
祀る神社
鏡作坐天照御魂神社(奈良県磯城郡)
石凝姥命
(いしこりどめのみこと)
鏡作の遠祖で天抜戸の子。
石凝姥命は、鏡づくりの神で、
指物工芸の守護神としても
崇敬されています。
この女神神は、
三種の神器の一つとして有名な
八咫鏡をつくった神です。
別名
伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)
石凝戸辺
石凝戸邊命
石凝姥(いしこりどめ)
石凝戸辺
石凝戸邊命
石凝姥(いしこりどめ)
神名の「石凝」とは、石を利用した鋳型に溶鉄を流し込んで凝固させ、鏡をつくるという作業から連想されたものと考えられます。
神格
金属加工の神
鍛冶の神
「日本書紀」では
巻第一 神代上 第七段
第一の一書では、
このように登場しています。
“時に、高皇産靈の息、思兼神というかみがいました。思慮の智があり、乃ち思いをしらし「彼の神の象を圖し造りて、招いて奉り祈りましょう。」故にすぐに、石凝姥を冶工とし、天香山の金を採り、日矛を作りました。また、眞名鹿の皮を全剥し、天の羽韛を作り、これを用いて神を造り奉りました。これすなわち、紀伊国に坐する日前神です。“
天の岩戸隠れの神話では八咫鏡を作りました。
第七段 第一書では、
石凝姥命は天香久山で採れた金を用いて
日矛(ひぼこ・立派な矛)を
作ったとも記されています。
日矛とは太陽神の依り代として
用いられる祭具です。
また、天孫降臨では瓊瓊杵尊に随伴しました。
そのほか
・鏡は日の神の依り代であり、農耕祭祀における非常に重要な祭具でした。
・中国では、古くから銅鏡は悪霊を退ける霊力を持つと考えられ、日本でも古墳時代にはそうした信仰が重んじられたようで、大型の古墳から出土する銅鏡はほとんどが宗教祭祀に使われたものです。
神徳
鍛冶・金属加工の神として鉄鉱
金物業守護
産業開発など
祀る神社
鏡作坐天照御魂神社(奈良県磯城郡)
生國魂神社 摂末社 鞴神社(大阪府大阪市)
中山神社(岡山県津山市)
古墳時代に作られた銅鏡。
間近で見ると
その細工の細やかさに
目を見開きます。
道具も余りなかったと考えられる時代。
当時の技術で
あそこまで作り上げるとは、
脱帽です。
そんな方々の遠祖が、
今日ご紹介した神様です。
日本の物作りの原点を
築き上げた方々。
感謝です。
さて、今日はこれにて。
明日も神様シリーズ続きます。
読んで頂き
ありがとうございました。