級長戸辺命
(しなとべのみこと)
風の神
本来は農耕に適した
風雨をもたらす神でしたが、
元寇以降は日本の国難に際して
日本を救う祈願の対象となりました。
別名
級長津彦命(しなつひこのみこと)
志那都比古神(しなつひこのかみ)
志那戸辨命
志那都比売神など
神格
風の神
「日本書紀」では
日本書紀 巻第一 神代上
第五段の第六の一書では、
このように、登場しています。
“伊弉諾尊と伊弉冉尊とは、共に大八洲国を生みました。その後で、伊弉諾尊は、「私の生んだ国は、朝霧がたちこめ、薫に満ちている」
といい、朝霧を吹き払いました。その息が神となりました。名を級長戸辺命といいます。または級長津彦といいます。これは風の神です。“
伊弉冉尊が朝霧を吹き払った息から
級長戸辺命
またの名を級長津彦命という神が生まれ、
これは風の神であると記載されています。
「古事記」では
神産みにおいて、
伊邪那岐命と伊邪那美命の間に
生まれた神であり、
風の神と記述されています。
そのほか
・伊勢神宮には内宮の別宮に
風日祈宮(かざひのみのみや)、
外宮の別宮に風宮があり、
どちらも級長津彦命と級長戸辺命を
祀っています。
元寇の際に神風を吹かせたのは
風神社の神であるとされたことから、
「風日祈宮」の宮号が宣下されました。
祀る神社
内宮・風日祈宮(三重県)
外宮・風宮(三重県)
倉稲魂命
(うかのみたまのみこと)
日本の代表的な食物神「お稲荷さん」
普段は稲荷神として活躍し、
俗に「お稲荷さん」と呼ばれて
親しまれています。
別名
宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
稲荷大明神
三狐神(さぐじ)
御食津神(みけつかみ)など
名前の「宇迦」は
穀物・食物の意味で穀物の神です。
神格
稲荷社に祀られる稲の神
食物の神
「日本書紀」では
日本書紀 巻第一 神代上
第五段の第六の一書では、
このように、登場しています。
“また、空服の時に生まれた子を、倉稲魂命と名付けました。”
伊弉諾尊・伊弉冉尊が大八洲を生んだあと、
飢えを感じて倉稲魂命を生んだと記され、
食物との関係が明らかに示されています。
「古事記」では
「古事記」においては、
素戔嗚尊と神大市比売に生まれた子どもと
されていますが、
詳しい詳細は示されていません。
そのほか
・稲荷信仰は、
奈良時代に発生したものと考えられます。
伏見稲荷大社の社伝には、
和銅四(711)年に
稲荷山三ケ峰に稲荷神が鎮座したとあります。
現在の伏見稲荷大社のとるところです。
この稲荷信仰のルーツは
当時山城国一帯に住んでいた
渡来系の豪族・秦(はた)氏が、
自分達の氏神として祀った
穀霊神、農耕神です。
稲荷は「稲生る」が
転訛したという説があるように、
その信仰の核は、
「百穀の首座にある稲霊(穀霊)」に
ほかなりません。
それは倉稲魂命の性格とも一致します。
秦氏の勢力拡大にともなって
稲荷神の信仰圏が次第に拡大します。
その家庭で古くから信仰されてきた
穀霊神の倉稲魂命と結び付いたものと
考えられます。
のちに稲荷神は、仏教と習合したり、
さまざまな民間信仰を巻き込みながら
やがて日本の民俗宗教のなかにおける
代表的な霊威神の位置を獲得しました。
やがて商業・工業の発展と社会変化のなかで、稲荷信仰は仏教的な
現世利益の思想を取り入れ、
人々の新たな欲求に
自在に対応するようになりました。
現在、この神様を祀る
全国の稲荷神社・稲荷社は三万二千社、
名もない小社を含めると
四万とも五万とも言われています。
・稲荷神は、神仏習合の思想で
荼枳尼天(だきにてん)と同一化され、
豊川稲荷(愛知県)、最上稲荷(岡山県)などの
寺院でも祀られています。
仏教の神・荼枳尼天は人を選ばずに
願いを成就するとされ、
階層を問わず人々から信仰を集めました。
神徳
五穀豊穣
産業興隆
商売繁盛
家内安全
芸能上達
百貨店の神
麻雀の神
煙草屋の神など
祀る神社
伏見稲荷大社(京都府)
豊川稲荷(愛知県)
笠間稲荷(茨城県)
祐徳稲荷(佐賀県)
級長戸辺命は、
神風を吹かせたと有名な神様ですね。
去年の暮れ、
伊勢神宮参拝の際…
風日祈宮に寄らずに
帰ってきてしまいました😅
何故?
それは、混みはじめたので😔
関東に長年住んでいるのですが、
実は、人混みが苦手なのです。
メチャクチャ疲れる。
静かに参拝するのが好きなので、
次回が、あったら早朝参拝します。
宇迦之御魂神は、
ご縁の深い神様です。
農村部出身ですから、
町のあちこちに、
稲の神様、
お稲荷さんが祀られていました。
もしかすると、
こちらの神様が産土神かもしれません。
近所のお稲荷さんは、
小さなお社でしたが、
氏子さんが大切にしていましたので、
心地よい神社でした。
懐かしい。
お稲荷さんと言えば、
伏見稲荷ですね。
相方の実家が京都なので
以前行きました。
朱色の鳥居が美しい。
「枕草子」にも登場する神社。
清少納言も登った山。
昔に思いを馳せ参拝…
しかし、
ちょうどお祭りで…
半端ない観光客。
京都、観光客多すぎ。
昔は、空いていてよかったなぁ。
これを機に、
少し制限してくれないかなぁ…
そう、お稲荷さんと言えば、
宇迦之御魂神ですが、
たまに、
荼枳尼天が祀られている場合もあります。
荼枳尼天…気をつけましょう。
人を選ばずに願いを成就。
もしかすると…
何かを
代償とされているかもしれませんよ😱
それでは、今日はここまで。
明日も神様シリーズつづきます。
読んで頂き
ありがとうございました。