私が、小学校1年の時の下校の途中であった。一台のタクシーが傍らに止まった。
当時、車をほとんど見かけることはなく、けげんに思っていたら、父が「のらんね」と
声をかけた。母も一緒だった。「大学病院の帰りたい」その時母がどういう顔をしていたのか
まったく記憶にない。30代半ばで 脳梗塞の診断をうけた。左半身麻痺・・・
4人の子供を抱え、どんなにか辛かっただろうか。幸い祖母(母の親)が同居していたので、
家事は助かったろう。 畑の隅に母が、植えたたちあおいの花が、神々しかった!
夏の夕ぐれ、生まれて間もない、初孫をしっかりと両手で、抱きしめたちあおいの花の下で、
まだ、目も見えない幼子に、一生懸命語りかけていた母の姿・・・その孫もまもなく50才を
迎える。めっきり私のまわりで、見なくなったたちあおい。我庭で、育てて母の仏壇へ
供えて、親不孝を詫びたい。
花言葉<豊かな実り、野望> ネットより