キリスト教映画「天国への危険な道」抜粋シーン(5)パリサイ人が神に敵対するのは何故か 宗教界のパリサイ人は皆、聖書に精通していて、長年主に仕えてきた者達です。しかし彼らは受肉された神の出現とその働きを求め学ぶどころか、逆に激しく批判し、非難し、反抗します。本当に信じ難いことです!宗教界のパリサイ人が神を非難し拒絶するのは何故でしょう。神は次のように仰っています。「荘厳な教会で聖書を読む者たちは毎日聖書を暗唱するが、一人として神の働きの目的を理解しない。一人として神を知ることができない。さらに、一人として神の心と一致していない。」「人が神に逆らう理由は、一方では、人の堕落した性質に起因しており、もう一方では神を知らないこと、神の働きの原則や人に対する神の意志についての理解に欠けることが原因である。これらの二つの要因が人間の神への反抗の歴史を成している。」
「メールが届いています」 マッシモ・イントロヴィーニャ、韓国のキリスト教の反カルト・メディアにメールを送信
2018-09-11マッシモ・イントロヴィーニャ
韓国の3つのキリスト教系のメディア、CBS、 CTS、国民日報は、韓国国内での、全能神教会に対する誤った認識に基づくデモについて報じた。記事では、当該メディアが肯定できない神学理論を有する「カルト」に対して怒りの態度をあらわにし、迫害をし、罪のない難民を弾圧する中国共産党の肩を持った。以下に、本誌の編集長が当該メディアに送った手紙を掲載する。
拝啓
世界各地の新宗教運動の研究者の世界最大のネットワーク、CESNUR(新宗教研究センター)の会長を務める、マッシモ・イントロヴィーニャと申します。Bitter Winerという、中国における宗教弾圧や人権問題を取り扱うオンラインの日刊紙の編集長も務めています。私は、中国における新宗教運動の専門家であることは、中国当局からも認められており、中国からこれまでに数回招待を受け、全能神教会をはじめとする、中国国内の新宗教団体についての講演を依頼されました(https://kknews.cc/society/rrr2m8o.htmlなど参照)。
私はこの度、御社が報道した、韓国における全能神教会(CAG)の難民を標的としたデモの記事を拝見しましたが、この記事が、御社の読者の皆様に、不正確な情報を与えてたのではないかと危惧しております。
中国国内で、全能神教会が、残忍な迫害を受けていることに疑問をはさむ余地はありません。何十万人もの人々が逮捕され、その多くに対して、拷問が行われ、裁判もなく、死刑となっていることは、複数のNGOによって報告されています。CAGのメンバーが中国に帰国した場合、逮捕は免れません。この件に関する一般的なコメントにつきましては、ピエールルイジ・ゾッカテッリ教授の論文をご覧ください(
https://cesnur.net/wp-content/uploads/2018/02/tjoc_2_1_1_zoccatelli.pdf)。
迫害の動機としては、中国共産党の、独立した宗教全般とのイデオロギーの相違、CAGの神学、そしてCAGが急激に成長することに対する党の恐れが考えられます。中国当局は迫害を正当化するため、同教会を大変重い罪で告訴しています。しかし迫害は、1995年かそれ以前から始まっており、2014年のマクドナルドでの殺人事件の後からではありません。世界中の学者らが、マクドナルド殺人事件殺害に関する書類を精査した結果、あの事件は、CAGとは異なるグループによって行われた、と結論づけました。詳細は、https://cesnur.net/wp-content/uploads/2017/09/tjoc_1_1_6_introvigne_ter.pdf
および
https://wrldrels.org/2017/10/16/lu-yingchun-zhang-fan-group/
をご参照ください。その他のCAGに対する告発も、中国当局が組織した、大量の偽ニュースのキャンペーンの一環であったことが証明されています。以下の二つのサイトを、ご参照ください。
https://cesnur.net/wp-content/uploads/2017/12/tjoc_1_2_5_folk.pdf
https://cesnur.net/wp-content/uploads/2018/08/tjoc_2_4_2_introvigne.pdf.
CAGが「家族制度に反している」という点は、ベイラー大学のInterdisciplinary Journal of Research on Religionという学術誌に投稿した、拙論の中で、その偽りを暴きました。論文は以下のURLからご参照ください。
http://www.religjournal.com/articles/article_view.php?id=135
本論の結論は、CAGは家族制度に反対していない、というものでした。現在韓国で暮らしているCAGのメンバーは、中国共産党の迫害から逃れたのであって、家族から逃げたのではないのです。
韓国で行われたデモは、自然発生的なものではなく、Bitter Winerが以前報道したように、中国共産党が秘密文書の中に具体的に表現した計画の結果だったのです。もし彼等が中国に送還されたら、CAG難民は、「家族のもとに返される」のではなく、刑務所や再教育収容所に送られるのです。
国際法の下では、CAG難民は韓国への亡命が認めらるべきなのです。これについては、外交官で、人道援助に関する欧州連合専門調査委員会の前議長でもあるロシータ・ショリーテ氏の記事を、ご参照ください。
https://cesnur.net/wp-content/uploads/2018/02/tjoc_2_1_5_soryte.pdf
30年以上にわたって、「カルト」に反対するキリスト教の文献を研究してきた者として、韓国のキリスト教徒の中に、CAGの教えに断固反対する人がいることも理解できます。これは、宗教多元主義における、健全な力学の一側面です。
私自身は、個人的には、ローマカトリック教会の活動家としてよく知られています。グーグルやウィキペディアなどで検索すれば、すぐにわかることです。ゾッカテッリ教授は、バチカン・アカデミック・システムの一つ、ポンティフィカル・サレシアン大学で教えています。CAGと家族に関する拙著は、プロテスタントの一つ、バプティストのベイラー大学から出版されました。先述のロシータ・ショリーテ氏はカトリック教徒です。Bitter Winerは、イタリアのトリノ市に本部を置く、CESNUR(新宗教研究センター)が母体となって、運営されています。その理事会には、国際的に有名なカトリックとプロテスタントの学者が名を連ねています。
カトリックやプロテスタントの学者たちが、自分たちのものとは明らかに異なる神学理論を有する、CAG難民を擁護することを疑問に思うかもしれません。答えは、簡単です。私たちは、神学理論を擁護しているのではなく、不当な仕打ちや暴力、迫害や拷問に対して、信者である人間を擁護しているのです。
私たちは、1人ではありません。CAGとは神学理論が明らかに異なるにも関わらず、ドイツ福音主義教会(EKD)は、ドイツ国内にいるCAG難民の人権のために戦っています。CAG難民は、中国に送還されれば、「消える」か逮捕されるのです。詳細は以下をご覧ください。
https://www.evangelisch.de/inhalte/151945/04-09-2018/mitglieder-von-verbotener-chinesischer-sekte-von-abschiebung-bedroht?kamp=b-012
EKDの態度は、極めてキリスト教的で人道的だと感じました。もちろん、私たちはCAGの神学理論に賛同してくれ、と頼んでいるわけではありません。中国共産党が行っている迫害や偽ニュース・キャンペーンに、進んで協力するのではなく、神学理論の議論と人権問題を切り離して、報道に携わってほしいとお願いしているのです。
敬具
マッシモ・イントロヴィーニャ
CESNUR(新宗教研究センター)会長
この文章はマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)による『BITTER WINTER』である 。
「お母さん、家に帰らない方がいい」
2019-05-23白勝一
全能神教会の信者の息子が韓国を訪れ、海外逃亡した母親に中国に戻らないよう説いた。帰国すれば即座に逮捕されるからだ。
中国最大のキリスト教 新興宗教団体 である 全能神教会 は国内では 中国共産党 により禁じられ、暴力的な迫害を受けている。数百人の信者が保護を求めて韓国へ脱出している。
その1人に唐璐(タン・ルー)さん(安全のため、本名は公開しない)という女性がいる。彼女も、韓国に行ったからと言って見逃されたわけではない。韓国における全能神教会信者の政治的亡命の申請を妨害するため、中国共産党は脅迫などの手段を使って教会員の中国に住む親族を募っている。そして彼らを韓国に連れて行き、現地で「親族を探す」という口実のもと、デモを行っている。全能神教会信者を中国に引き戻すのが目的だ。先日、唐璐さんの息子も韓国に赴いた。しかし、政府が組織する「親族を探す団体」に属する人々とは異なり、母親に絶対に帰国しないように、と告げた。
息子からの電話
5月10日、全能神教会の信者仲間である王(ワン)さんが、中国の唐璐さんの息子から電話があり、彼女を探していることを伝えた。唐璐さんが国外逃亡以来、3年ぶりに息子から受けた連絡だった。中国共産党がインターネット、電話回線を厳しく監視しているため、唐璐さんは家族に危険が及ぶのを恐れて一度も連絡をしたことがなかったのだ。
唐璐さんは息子が詩を朗読した録音をずっと大切にしていた。彼女は家を出たときに息子の写真を持参しなかったことをBitter Winterに語った。万一通関で逮捕されたら家族を巻き込んでしまう可能性があるからだ。唐璐さんは録音だけを持ち込んだ。3年間、その音声は心中の不安を委ねられる何よりも大事な宝物だった。
母親の懸念
息子が韓国に来るという知らせに唐璐さんは驚喜した。しかしすぐに小さな不安が頭をもたげてきた。近々、韓国の中国共産党支持の活動家、呉明玉(オ・ミュンオ)氏が次の「親族を探す団体」を韓国に連れて来て、全能神教会の難民に嫌がらせをしようとしているのを知っていたからだ。息子もまた中国共産党が管理する「親族を探す団体」の一員で、彼女を無理に中国に帰らせようとするかもしれないのだ。
唐璐さんは、知り合いである熱心な信者、張福氏の事件に言及し、Bitter Winterに次のように報告した。「2016年5月18日に張福兄の妻が子どもを連れて済州島に夫を探しに行きました。彼女の旅に同行したのは中国共産党の工作員でした。工作員の命令で張さんの妻は夫をホテルに閉じ込めました。密かに旅券を抜き取り、財布、クレジットカード、全所持金70万ウォン(約65,000円)を奪いました。そして一緒に中国に帰らせようとして脅したのです。中国共産党の工作員は済州島の空港まで彼を追いかけ、強制的に中国へ誘拐しようとしたほどです。結局、張兄は間一髪で逃亡しました」。
この件を持ち出したとき、唐璐さんはまだ恐怖を引きずっていた。もし息子が中国共産党の工作員と共にやって来たら、どう対処すればいいか分からないだろう。
家族再会
5月14日の午後、唐璐さんは不安と期待の入り混じった気持ちで息子の連絡先番号を受け取った。過去数年間、中国共産党の宗教迫害がますます激しくなっていることをニュース記事で読んでいた。全能神教会は容赦なく迫害されている。亡命の道を選んだときから、再び息子に会うのは難しくなるのは分かっていた。予想に反して今、息子が外国に彼女を訪ねて来るというのだ。唐璐さんは興奮のあまり、考えるのももどかしく急いで息子の番号に電話をかけた。
「電話に出た息子は『ママ』と叫び、泣き続けました」と、唐璐さんは回想した。「胸が痛み、涙があふれました」。そして息子を慰めながら、ソウルにある全能神教会の温水の施設で会う約束をした。
「戻ってはいけない」
ついに再会し、唐璐さんは息子の韓国訪問に中国共産党は関わっていないことを知った。息子は、地元の 公安局 の 国保大隊 の職員が継続的に母親の状況を調査していることを伝えた。最近は自分を訪ねて来たという。彼らは唐璐さんの現在の居場所を追跡するため、家族の中に他に全能神信者がいないかを調べていたのだった。
「ママ、何があっても家に戻ってはいけないよ。僕はもう大人だし、自分のことは自分でできる。お母さんがここで元気でいるのを知って僕は安心したよ」と、唐璐さんの息子は言った。
息子はさらに、国保大隊勤務の友人が国外に住む全能神教会信者の情報を集める部署にいるのだと言った。その友人は韓国にいる全能神教会信者の写真を大量に保持し、その中に唐璐さんの写真もあるという。警察は既に唐璐さんの海外での状況をつかんでいた。彼女が通っている教会堂や教会でのクリスチャンネームまで知っていた。
「国内のウェブサイトに掲載されているニュースはどれも全能神教会を攻撃している。絶対に中国に帰ったらだめだよ」。息子は強く説いた。
惜別
別れの午後、唐璐さんは息子を地下鉄の駅まで送って行った。彼女は泣かなかった。2人とも笑顔を浮かべていた。息子は母親に家に戻らないように、ともう一度言い含め、家のことは自分に任せてほしいと話した。唐璐さんも、自分に会いたくなったときは韓国に来ればよいが、中国共産党に操られないように気を付け、党が組織するいわゆる「親族を探す団体」の一員として来ることがないようにと注意した。
この文章は白勝一による『BITTER WINTER』である 。