つれづれ日記

徒然なるままに日々思うことを書いていきたいと思います

アルツハイマー型認知症の治療

2023年04月26日 06時00分00秒 | 医学

認知症…増えていますよね。高齢社会の宿命です。内科学会でも教育講演がありました。

現在よく使われている薬は、主に対症療法となります。

①ドネペジル…軽症から高度認知症まで使用。不安、抑うつに効果あり。

②ガランタミン…軽度から中等症に使用。焦燥、不安、激越に効果あり。

③リバスチグミン…張り薬。軽度から中等症に使用。元気がない、不安、夜間異常行動に効果あり。

④メマンチン…中等度から高度の認知症に使用。攻撃性、幻覚・妄想に効果あり。

一方、最近話題になっているのが、エーザイの抗体療法です。エーザイの株価上がりましたね…。

アミロイド仮説(アミロイドβが沈着してアルツハイマー病になるという仮説)に基づいて、アミロイドβを除去しようとする試みです。

最近承認されたのは、抗アミロイドβ抗体を点滴で投与して、脳内のアミロイドβを減少させようという方法です。最初にFDAで承認(条件付き)されたのがアデュカヌマブ(バイオジェン/エーザイ)。抗アミロイドβ抗体です。ただし、これはアミロイド関連画像異常 (Amyloid-related imaging abnormalities; ARIA) という、頭痛、悪心・嘔吐、精神状態の変化などを認める副作用の頻度が高く、日本では継続審議になっています。

次に承認されたのが抗プロトフィブリル抗体(プロトフィブリルはアミロイドβの前段階)であるレカネマブ(バイオジェン/エーザイ)。これはARIAも少なく、FDAで迅速承認されました。

今後もより良い薬が出てくると思いますが、自分たちでできることとして、十分な睡眠(睡眠でβアミロイド除去される)、バランスのとれた食事、有酸素運動(脳の血流をよくする)で、認知症を予防することです。