敬愛する梅宮敬之さんから「ペイフォワードで」と一冊の本をいただいた。
『天国への橋』総合法令出版
ハイブロー武蔵著/定価 1,260円(税込)/四六判・上製
ネイティブ・アメリカンの伝承と言われる二つの短い物語。そして著者の三つの物語からなる絵本。作者不詳の二つの物語は「虹の橋」という題名で、インターネットを通じて世界中に浸透している。
7頁目で涙があふれた本も珍しい。この世に誕生し、今の今まで、命のとても素直な願いが上手く叶わなかったことを、必死に忘れようと努力してきた。
「愛されたかった」
それを率直に感じ、そして表現するには、あまりにも欲求通りではない現実を突きつけられ、たくさん傷ついてきたことを、この魂はよくわかっている。でも、それは叶う。その希望をストレートに与えてくれたことに感謝したい。
小学校4年。母親が手提げ袋に一匹の子犬を入れて帰ってきた。その子犬の寂しそうな、今にも泣き出しそうな瞳を忘れない。ずっと孤独に感じていた子供時代。一匹の小さな犬の存在はそれまでの私の世界を大きく変えた。マリと名づけられた子犬。毎日、散歩にでかけ、公園で走り回った。いろんなところに一緒に歩いた。ガラスの破片を踏んで足を切り、血を流すマリの姿をみて、この世が終わるのではないかというほど心配した。野良猫を追いかけて、逆にやられてしっぽをまるめて逃げてくる姿をみて笑った。
そのマリに子犬が生まれた。5匹の子犬たちはそれぞれ、知己の人にもらわれていった。その頃からだろうか。マリは近所の子を噛んだり、祖母の手を噛み、何針も縫うケガをさせた。二度目の出産。5匹産み、2匹は死産だった。近所からは噛み犬として評され、祖母からは蛇蝎の如く嫌われた。
ある日、マリは消えた。母はどうしても飼えなくなったマリを保健所に連れて行った。私は母を責めずに、マリをしっかり飼えなかった自分を責めて泣いた。一緒にいられたのは、たった数年だったが、未だに忘れはしない。
愛する者との別れる痛みを受け入れることとは。私たちはいったい何者なのか。何に生きているのか。そんな大切なことに大きな示唆を与えてくれる『天国への橋』。
マリ。そして今まで一緒にいて、旅立った小さな動物たち。きっと虹のふもとで私を待っている。愛されたい、許されたいと願って歩いてきたこの魂を待ってくれている。天国への橋である虹のふもとで。また会える。君たちも頑張ったんだ。だから、私も頑張るよ。ずっと待っててくれている君たちにありがとう。
『天国への橋』総合法令出版
ハイブロー武蔵著/定価 1,260円(税込)/四六判・上製
ネイティブ・アメリカンの伝承と言われる二つの短い物語。そして著者の三つの物語からなる絵本。作者不詳の二つの物語は「虹の橋」という題名で、インターネットを通じて世界中に浸透している。
7頁目で涙があふれた本も珍しい。この世に誕生し、今の今まで、命のとても素直な願いが上手く叶わなかったことを、必死に忘れようと努力してきた。
「愛されたかった」
それを率直に感じ、そして表現するには、あまりにも欲求通りではない現実を突きつけられ、たくさん傷ついてきたことを、この魂はよくわかっている。でも、それは叶う。その希望をストレートに与えてくれたことに感謝したい。
小学校4年。母親が手提げ袋に一匹の子犬を入れて帰ってきた。その子犬の寂しそうな、今にも泣き出しそうな瞳を忘れない。ずっと孤独に感じていた子供時代。一匹の小さな犬の存在はそれまでの私の世界を大きく変えた。マリと名づけられた子犬。毎日、散歩にでかけ、公園で走り回った。いろんなところに一緒に歩いた。ガラスの破片を踏んで足を切り、血を流すマリの姿をみて、この世が終わるのではないかというほど心配した。野良猫を追いかけて、逆にやられてしっぽをまるめて逃げてくる姿をみて笑った。
そのマリに子犬が生まれた。5匹の子犬たちはそれぞれ、知己の人にもらわれていった。その頃からだろうか。マリは近所の子を噛んだり、祖母の手を噛み、何針も縫うケガをさせた。二度目の出産。5匹産み、2匹は死産だった。近所からは噛み犬として評され、祖母からは蛇蝎の如く嫌われた。
ある日、マリは消えた。母はどうしても飼えなくなったマリを保健所に連れて行った。私は母を責めずに、マリをしっかり飼えなかった自分を責めて泣いた。一緒にいられたのは、たった数年だったが、未だに忘れはしない。
愛する者との別れる痛みを受け入れることとは。私たちはいったい何者なのか。何に生きているのか。そんな大切なことに大きな示唆を与えてくれる『天国への橋』。
マリ。そして今まで一緒にいて、旅立った小さな動物たち。きっと虹のふもとで私を待っている。愛されたい、許されたいと願って歩いてきたこの魂を待ってくれている。天国への橋である虹のふもとで。また会える。君たちも頑張ったんだ。だから、私も頑張るよ。ずっと待っててくれている君たちにありがとう。