『ありがち日記』

寺地はるな『水を縫う』

「らしさ」って何だろう?


ストーリー
いま一番届けたい 世の中の〈普通〉を踏み越えていく、新たな家族小説が誕生! 「そしたら僕、僕がドレスつくったるわ」“かわいい”が苦手な姉のため、刺繍好きの弟は、ウェディングドレスを手作りしようと決心し——。

手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、結婚を控えた姉の水青は、かわいいものや華やかな場が苦手だ。そんな彼女のために、清澄はウェディングドレスを手作りすると宣言するが、母・さつ子からは反対されて——。「男なのに」「女らしく」「母親/父親だから」。そんな言葉に立ち止まったことのあるすべての人へ贈る、清々しい家族小説。第9回河合隼雄物語賞受賞作。 

男らしさや女らしさという言葉で今まで傷ついたりしたことがあるか?と問われたら、私の場合は「ある」。「女なんだから」○○しなきゃダメでしょ、とか、お前に何がわかるんじゃ!っていうことが今まで何度あったことか…

だから女子力という言葉も好きではない。料理や裁縫ができたら女子力高いの?可愛いものが好きじゃないとダメなの?女が理数系の教科が好きだったらおかしいの?女子なら甘いものが好きに違いないって決めつけている人もいるけれど、私はケーキが苦手だし甘いものは多く食べられない。逆に男性だって甘党はいるじゃん。

きっと男性側から見ても、男らしさとか男なんだからってことで立ち止まったことのある人はいるんだと思う。

もちろん、体格や力の差はあるもんだし、男女の違いはあるのだけれど、それを男、女とかそういう括りではなく一人一人の人間の違いとして見て欲しい。

母親らしさ、父親らしさもそう。

今までのこういう想いを無視せず、無かったことにせず、むしろ乗り越えて先へ進もうとする人たちにも届いて欲しい。そして私自身がそういう考えに囚われていないか。

一つの家族の物語ではあるけれど、今見ているドラマや社会で起こっている出来事がちょうどリンクして、いろいろと考えを深めるきっかけになりました。
素敵な本に出会えて感謝。


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