『ありがち日記』

「牯嶺街少年殺人事件」

1991年のエドワード・ヤン監督作品が、25年の時を経て
デジタル・リマスター版としてよみがえったというものを鑑賞。
地元で観られると思っていなかったのですが、1週間限定で、
全国公開からは少し遅れつつもまさかの公開に、ずっと楽しみに待っていました。
なんといっても、チャン・チェン少年が見られるんですからね!
気がかりなのは、4時間という長さ。
トイレに行かず、決して座り心地の良いとは言えない椅子で耐えられるのか…
ある意味ドキドキしながら行ってきましたが、結果、無事に完走(笑)

公式サイトより、ストーリーのあらすじです。
1960年代初頭の台北。建国高校昼間部の受験に失敗して夜間部に通う小四(シャオスー)は不良グループ〝小公園“に属する王茂(ワンマオ)や飛機(フェイジー)らといつもつるんでいた。 小四はある日、怪我をした小明(シャオミン)という少女と保健室で知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ〝217”のボスと、小明を奪いあい、相手を殺して姿を消していた。ハニーの不在で統制力を失った小公園は、今では中山堂を管理する父親の権力を笠に着た滑頭(ホアトウ)が幅を利かせている。
小明への淡い恋心を抱く小四だったが、ハニーが突然戻ってきたことをきっかけにグループ同士の対立は激しさを増し、小四たちを巻き込んでいく。。。

この頃の台湾というのは、とても複雑な社会だったようです。
私も台湾事情については少しかじった程度とはいえ勉強したので何となくわかります。
1コマ1コマが絵画のようなとても印象的な画面からも、様々な情報が読み取れます。

主人公の小四は、まだ肉体的、精神的にも成長し切っておらず、
口数は少なくでも素直などこにでもいるような少年といった感じです。
ところが、その複雑な社会をバックボーンとして持つ親世代の焦燥感みたいなものが、
子供たちにも不穏な圧力みたいな形でのしかかっています。
不良グループ間での暴力的な抗争にもやがて巻き込まれていき、
また、そこで出会った少女・小明との出会いから、
次第に小四は何かとても不安定で自分自身に制御できないものを抱えていくのです。

一見、無駄に思えるほどの長さで日常が描かれていきますが、
最後の衝撃的な展開を考えると無駄ではなかったと思えます。

登場人物が多いので、最初は混乱しましたが、
家族構成と、仲間との関係が一度把握できると後は何とかなりました。
顔の見分けも、私は大丈夫だったなぁ…

正直、うまく感想を書けるような簡単な映画ではありません…
とても重く響いてくるものがあったのに、私のような語彙力足りない者には、
なかなか気持ちを表すことができなくてもどかしいです。
未成年の殺人事件という一言で片づけられるような問題ではなく、
その背景には一人の少年を取り巻く様々な要因があって、
彼にもどうにもできないところまで行ってしまった結果なのだろうと思います。
加害者である小四に感情移入して観ている自分がいました。
小明とはそもそも出会った時から考え方がすれ違ってたんですよね…

劇場で観て良かったです。
1日2回上映の1回目に行きましたが、私も含めて10人くらいでしょうか。
これから同じ劇場で「百日告別」や「私の少女時代」も続けて上映されます。
今月は別趣味のほうでも忙しく、全て観に行けそうにもないのですが、
なるべく観に行きたいな~とは思っています。果たして。。。 


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