『カラスの親指』の続編。今作も見事に騙されました!
ストーリー
「久々に、派手なペテン仕掛けるぞ」詐欺師から足を洗い、口の上手さを武器に実演販売士として真っ当に生きる道を選んだ武沢竹夫。
しかし謎めいた中学生・キョウが「とんでもない依頼」とともに現れたことで彼の生活は一変する。
シビアな現実に生きるキョウを目の当たりにした武沢は、ふたたびペテンの世界に戻ることを決意。そしてかつての仲間――まひろ、やひろ、貫太郎らと再集結し、キョウを救うために「超人気テレビ番組」を巻き込んだド派手な大仕掛けを計画するが……。
前作から十数年後という設定で、だいぶおじさんになったタケさん(武沢竹夫)と、すっかり大人になった仲間のまひろ、やひろ、貫太郎、そしてやひろと貫太郎との間に生まれたテツ。また再会できて嬉しい。
テツ、まだ小学生のくせに、めちゃくちゃ優秀に育っている!(その優秀な頭脳をペテンに使っていいのか!w)
謎めいた中学生のキョウが持ち込んだ依頼は、彼らを巻き込み、二転三転しながら予想外の結末へ。すべてがネタバレになってしまうので何も言えないのがもどかしいんだぜ…。
ペテンにはペテンで対抗するということが正しいのかどうかはわからないけど、竹夫が仕掛けるペテンは自分の利益というよりは他人のため。そして奪われたものを奪い返すだけ(+αはあるけど)。それは過去の哀しい出来事が大いに影響しているけれど、前作で感じたヒリヒリするような哀しみではなく、前向きな姿が描かれていた。
何となく感じていた違和感も、気づかぬうちに散りばめられていた伏線も、最後にはちゃんと回収されてすっきり。そして読者である私も見事に騙されてたよね。さすが道尾さん。
一つだけ気になっていることがあるんだけど、まひろとナガミネさんどうなったかな??
ますます道尾ファンになりました。