見慣れた景色も違うところのようでした。聖地巡礼できそうです(笑)
ストーリー:
転勤で岩手に移り住んだ今野は、慣れない土地で出会った同僚の日浅に心を許し、次第に距離を縮めていく。2人で酒を酌み交わし、釣りをし、遅れてやってきたかのような成熟した青春の日々に、今野は心地よさを感じていた。しかし、ある日突然、日浅は何も言わずに会社を辞めてしまう。しばらくして再会を果たした2人だったが、一度開いた距離が再び縮まることはなく、その後は顔をあわせることなく時が流れていく。そしてある時、日浅が行方不明になっていることを知った今野は、日浅を捜すが、その過程で日浅の数々の影の顔、裏の顔を知ってしまう。
なるほど、これは賛否両論ありそうです😅
淡々と今野(綾野剛)の日常を追っていくシーンがかなり多いのです。そこまでしなければ、もっとコンパクトな時間で済むのではと思うくらい。しかし、そこに意味があると言いますか、表情の奥で語られているものがあって目が離せないのもまた事実。綾野剛くん、今野の脆く不安定な心理をうまく表現していたんではないでしょうか。一方で日浅を演じる松田龍平の不気味さ。それもつかみどころのない不気味さ。うまいよね~こういう雰囲気を出せる俳優さんはそういないと思うので。日浅の印象的なセリフ、「人を見るときは、影の一番濃い部分を見んだよ」的なやつ、ぞわっとしました。
この2人で本当に良かったと思います。配役は私の中では完璧です!
他に登場して驚いたのは中村倫也くん。カメレオン俳優たるさすがの演技でございました!!あまり詳しく言えないのがもどかしいけど、一瞬誰かわからなかったくらいで、見惚れるってこういうことかぁ・・・って感じでした。
岩手の風景描写は、住んでいる者も驚く美しさなので、そこはお勧めできます(笑)濃密な空気とか匂い立つような草木の描写。自然の姿そのままの川。釣りはしませんが、あんなに釣れるもんなんです??
概ね褒め称えまくりなんですが、ちょっと気になるところもあるにはありまして。原作にはないシーンが追加されていたのですが、その点については私は必要なかったのではという気もしました。ゲイの男性だということをはっきりさせたかったのかもしれませんが、何となく匂わせるくらいのほうが好みでした。そうでなくとも、今野の日常描写にはどこかそういう雰囲気をいい感じに漂わせていたのになー。あと、あんなに「さんさ踊り」必要??いいんですけど、地元推しが過ぎるんではと気になりました。
と、いろいろ書きましたが、今なかなかこういう作品も出会えないと思うので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。岩手の良さも知ってほしいし、震災のことも。
どうでもいいですが、ザクロをがぶっと齧ってみたいです。