もう何年前に購入したのか記憶にないフラッシュ、Nikon SPEEDLIGHT SB-700。
高価だった割に、風景写真ばかりの私にはほとんど活躍の場がなかった。
室内でのブツ撮りだけ。
個人で購入しておきながら、正直、業務で使用することがほとんどだ。
この写真はZ5に装着して撮影したものだが、それほど明るくはない。
直接照射せず、いわゆる「バウンス撮影」と言われる反射光のみを当てているからだ。
プロはレフ板などを用いて近距離から反射光を当てる工夫をするが、ひとり自室撮影では反射する白い壁は2メートル近く離れた場所になる。
つまり、フラッシュの効果は思うほど得られない。
それでもSB-700を必需品だと考えるのは、いざという人物撮影の際に陰影を和らげる力があるからだ。
それに、巨大な見た目もなんだかそれっぽい。
ようは、カメラもその備品も、デザインとブランドが大事だというオーディオと同じ結論に達してしまうのです。
全くもって個人の好き嫌いでしかないけれど、フラッシュに「SONY」とか銘打ってあると、性能どうこう以前に萎えてしまいます。
そういうものです。
自動車もそうですが、ブランドというものは性能ではなく歴史によって築かれるもの。
韓国車や中国車がいまや日本車を凌駕しても、トヨタや日産やホンダのようなブランドたり得ないのは、ひとえにそのメーカーと国家に良質製品を産み出してきた歴史がないから…
ソニーは、αのブランド名ではなくミノルタというブランド名を守っていたら、また違う展開をしていただろうなと感じています。
ソニーという名前に一流カメラのブランド力が備わるには、あと20年は必要でしょうな。