天上天下唯我独尊

プラドとハリアー


どっちが格好いい?
私は、ハリアーだと思った。1999年のことである。いや、当時はプラドなんて眼中になかった。
この2車、3400CCV6プラドと3000CCV6ハリアーでは価格帯がほとんど同じである。まさに、競合車。
しかし、外観はどうみてもハリアーの方が洗練されていたし、内装も比較にならないくらい先進的に映った。
レクサスというブランド感が虚栄心を満たしさえした。
したがって、私は迷うことなくハリアーを新車で購入した。
しかしそれから6年経った今、私は中古で購入したランドクルーザー・プラドに乗っている。
この2車、似て非なるものというか、まったくコンセプトが違っていた。
ハリアーは220psを発揮するV6エンジンがなによりも優秀。低速からトルクがあり、一方で高回転まで素直に回る。しかも静粛に。乗り心地もソフトで快適だ。
だが、それだけの車だったのだ。
成り立ちは、ウィンダムの車高を上げたワゴン。つまり、エンジン横置きFF乗用車。
FF特有のアンダーステアは顕著だし、フロントヘビー故にハンドリングのフィールは最悪。モノコックボディだから河原や林道のデコボコではボディが軋む。

一方の95系プラド、2700CC直4エンジンはガサツだ。騒音が酷い。しかも回らない。最高馬力も150ps。当然、高速道路ではハリアーのような余裕はない。乗り心地は硬く、振動は酷い。最初は、とても同じ時期の設計とは思えない、時代物の車のように感じた。
しかし、普段走るのには十分なパワーだし、慣れてくると騒音と振動が心地よく感じるものであることに気がついた。そう、ハリアーの前に乗っていた直4エンジンの懐かしいフィールだ。ドラーバーの感覚を満足させる、スポーツ・フィール。
また、ラダーフレームのもたらすガッチリ感は、いつもの河原を走ったときに愕然とさせられた。ハリアーとは別次元のボディーだったのだ。
さらに、前後荷重がほぼ50:50である上、駆動がFRベースであるため、ハンドリングがとても素直で楽しいのである。
まさに、スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル!
ハリアーで抱いていた不満点は全て、解決した。
勿論、プラドの方が走破性が高いことなど説明するまでもないだろう。
つまり、外観と内装にお金をかけたのがハリアーであり、機械としての理想を追求してそこにお金をかけているのがプラドだったのだ。
機械としての性能がコレほど違う自動車を同じ値段で売るというのは、犯罪に近い。あきらかに、ハリアーはボロ儲けしているのだろうし、プラドの利幅は狭いのだろう。
そりゃ、同じ売り上げなら、メーカー(TOYOTA)はハリアーを売りたいだろう。
6年前、私はまんまとTOYOTAの戦略に騙されたのだ。
しかし、2005年、見わたしてみると21世紀になって発表されたSUVはハリアー同様の”まがいもの”だらけだ。ムラーノ、エレメント、エクストレイル、トリビュート、エアトレック、クルーガー・・・、どのメーカーも「エンジン横置きFF乗用車ベース」ばかり。ムラーノに至っては、ベースがミニバンのプレサージュらしい。うーむ。
メーカーの利潤に貢献する”まがいものSUV”ばかりが増え、この期間(1999年~2004年)に発売されたまともな国産SUVといえばサーフと120系プラドとパジェロのみという悲惨さ。
しかも、その3車はどれもこれもアメリカを向いて設計され、とても首都圏では使いこなせない大きさ(全幅1900mmに限りなく近い)に膨らんでしまった。
私が、新車の120系プラドを購入しなかったのは、その大きさゆえだ。また、外観や内装がハリアーに近づいてしまったのもいただけなかった。ランドクルーザーなのに、フロントスクリーンが寝かされているというのはいかがなものだろう?
95系プラドは確かに内装安っぽい。けれど、アナログ時計やフィールドモニターには「らしさ」がある。120系は、時計はデジタルだし、フィールドモニターも味気ないデジタル表示。
内外装の流行を追及して、「らしさ」を失ってしまった120系。あるいは、これもコストダウン戦略なのだろうか?

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