いわゆる「歌もの」はあまり聴かない。
アーティストの作曲能力や演奏・アレンジにこそ興味が向いていて、歌が上手いとか下手とかは、そもそもの音楽性には影響しないというスタンスだからだ。
「ノラ・ジョーンズ最高!」とか言われると、ドン引きしている自分がいた。
ところが、このたび8年前の作品、ダイアナ・クラール「ウォールフラワー」の新品レコードとCDをオトナ買い。
友人宅で聴かせてもらった際に、カバーしている選曲が素晴らしかったことと、音のまろやかさ(音質)にすっかりと魅了されたからだ。
そう、「音楽性」至上主義の私が、「音質」にしてやられたわけだ。
で、気に入った録音盤はCDとアナログの聴き比べをしたくなる。
まあ、ほとんどのお気に入り名盤は両方所有しているわけだ。
で、このDIANA KRALLは、一聴してアナログ(LP盤)の圧勝。
なんか、解説する気も起こらないくらいの差。
百聞は一聴にしかず、といったところだろうか。
ただ、だからと言ってCDよりレコード盤が優れていると言っているわけではない。
CD(デジタル音源)は、激安の中華デジタル・アンプとペア2万円台程度のフルレンジ・スピーカーでも立派にハイファイな良い音を奏でることができる。
なかには、USB-DACがぁ!なんて主張するオカルト派もいるが、たいていのDAC(CDにもPCにも標準装備!)は元のデータをそのまんま再現してくれる。
CDプレイヤー、2万円台のエントリーモデルと数十万の高級モデルで音質変わりません。
駆動部が壊れやすいので安いの買うのが正解です。
あ、語弊ありますかね。
多少音が変わっていたとしても、大差はありません。
ブラインドテストでわかる人はいないと思います。
(オカルト系マニアは、必ず「俺はわかる!」と主張します)
つまり、CD(デジタル音源)はお金をかけずに最高の音質を楽しめるのです。
レコードは、ダメです。
まず、カートリッジはMC型にしないと繊細さが出ません。
オルトフォンの高額なMM型も聴きましたが、全然です。
そして、MCカートリッジの音を再生するには、MCポジション内蔵のプリメインアンプが必要です。
「外付けの昇圧トランスの方が音質が上!」なんて人も多いですが、そもそも外付けはカッコ悪いです。ダサいです(個人の感想)
なので、MCポジション標準装備のプリメインアンプがマストですが、それだけで価格帯が上がっていきます。
スピーカーは5万円も出せば満足なものが買えるでしょうが、アンプは10万円前後は必要になるでしょう(新品の場合)。
つまり、レコードを良い音で楽しもうとしたら、システム全体で最低でも20万円近い出費がマストになります。
お金、かかります。
アナログ・ブームなんて言って、廉価なプレイヤーや再生機器が巷に溢れていますが、
断言しちゃいます。
そんなんでレコード聴くくらいなら、CDやサブスクの方がよっぽど心地よい音が鳴ります。
レコードの音、ショボイっす!!
レコードがCDより良い音を奏でるには、それなりのシステム、つまりは投資がマストなのです。
ここだけは、勘違いしてはいけないポイントだと思います。
さあ、次はノラ・ジョーンスにでも手を出してみようかしら…