50mmが標準レンズと言われることに、ずっと違和感を覚え続けていた。
なにせ、普段使うカメラは24mm前後の広角ばかりだ。
いや、広角という言い方にさえ違和感を感じていた。むしろそれくらいが標準的な画角のカメラであり、使い勝手が良いし慣れているからだ。
これだからカメラおたくは…、的な感じさえした。
このNIKON Z5(フルサイズ)とNIKKOR Z 50mm f/1.8Sの写真は、キヤノンの22mm(フルサイズ換算:約35mm)で撮影したもの。
カメラ本体はCANON EOS M100(APS-C)。
話は逸れるが、よくNIKON派とかCANON派とか言われるけど、あんま意味ないなぁと思っている。
この写真はZ5と50mmZレンズで撮影したもの。
暗所や室内はフルサイズセンサーの方がAPS-Cセンサーよりノイズ少なくて有利なんだけど、ブログやSNSレベルの画質じゃあこのとおり差は出ない。
このキャノンのコンパクトで安価なミラーレス、総合的に非常に優秀で大好きである。
じゃあなんでニコンのカメラばかり集中的に購入するかといえば、ブランドイメージだけだ。
ニコンは、NASAで採用されてるとか日本軍が使用していたとか、とにかく堅牢なイメージがある光学メーカー。(レンズ主体)
キャノンは、コピーとかファクシミリとか家庭用プリンターとかも作っている、総合印刷物メーカー。(画像仕上がり主体)
そのイメージの違いだけ。
ちなみにソニーは、数年以内に必ず故障する、先進テクノロジーには長けた家電メーカー。(新しさ主体)
で、話を50mmレンズに戻すと、このZ50mmは実に陰影に富んだ描写力を持っていて驚愕したわけです。
腕がなくても良い絵が手にできる。
で、最近はこいつを使用することが多い。
なんというか、描写がリアルなんですよね。
そして、見事なる陰影の再現!
実は、いままでもAPS-C用のNIKKOR 35mm f/1.8G(フルサイズ換算:約50mm)は使ってたわけです。
しかし、ほぼ人物撮影専用。
それは綺麗にボケが出て人物が際立つからなのだけど、風景だと画角が狭く感じられて平凡な絵ができちゃうから。
この蒸気機関車も、写りは良いんだけど、やっぱ平凡感あって、標準ズーム(Z 24-70mm f/4S)とほぼというか全く差は感じられない。
となると、広角側にもズーム側にもゆとりがあるズームレンズのが圧倒的に使い勝手良いということに…
ところがZ 50mm単焦点レンズは、室内でブツ撮りする時に本領を発揮する。
フルサイズなのでノイズは少なめに撮れるし、明るいレンズなのでストロボなしでも手ブレを起こさない範囲にシャッタースピードを置くことができる。
さっきの客車内車両なんかも、薄暗い中で本領発揮してくれた例。
木陰の光量不足気味な風景でも、明るいところは明瞭に、暗いところはノイズのない黒で表現してくれる。
このコントラスト感、標準レンズで出すのは難しい。(テクニックいるのでフルマニュアルマスト)
ところが、この写真は絞り優先モードにしてISOだけ上限つけて撮影しただけ。
実に、簡単だ!
室内である程度引いて撮影しても、ノイズ少なく、なおかつ明瞭に描写してくれる。
まあ、50mmを「標準レンズ」と言ってしまうことにある程度の抵抗感は残っているものの、
描写を優先すれば、風景でも十分に常備レンズとして活躍させたいという気になってしまった。
ようは、画角はちょいズーム入ってるって感覚は拭えないけど、自分にとっての「標準的にカメラにつけとくレンズ」にはなったわけ。
「50mmは標準レンズ」という意味、画角ではなくて良質な写真を安易に量産できるって意味でなら、私も理解することができた。