歌舞伎町、あらゆる負の情念が集まる街。
いわゆるスピ系、スピリチュアル的な言動や商法はあまねく否定して憚らないものの、
場所の持つ独特な「雰囲気」に関しては確実に存在すると感じられる。
金曜日夜、その強大なエネルギーが世界中から人間を集めていた。
ほとんどの店が、白人系外国人で埋め尽くされていた。
このエリアの共通語、すっかり英語になっていて隣人と会話するのに日本語はほとんど役に立たない。
で、このマイナスパワースポットとしか呼びようのない薄汚いエリアに、なんで人が集まるのか考えてみた。
たぶん、自分も含めてここにくる人間は、世間の生活で精神がすり減った薄汚れた人間ばかりだ。
マイナスな場所にマイナスな人間が集まってくる。
で、何が起きるのかと言えば、数学的な現象。
マイナスかけるマイナスはプラス、っていうアレだ。
マイナスな場所でしか、マイナスな感情を吐き出すことは許されない。
しかし、マイナスなスポットで吐き出されるマイナスなスピリットは、必然的にプラスに転化されているのである。
必要悪とでも言うべきなのか。
人間、美しい側面だけでは生きていけないのである。
清濁あわせ飲む、それを知って人は大人になる。
純粋で美しいものだけを肯定して穢れを全否定しているうちは、子供なのである。
なんとなく、そう気付かされる街。