こんにちは~ここも久しく留守をしてしまったけど、今日はこの本を紹介したいと思うだす~~
「食べるのが大好き」 by鳩山エミリ
最初の出会いは、たぶん図書館だった。
なんといってもこのタイトル。率直というか、正直すぎるというか・・・(笑)
この直球ストレートなタイトルの背表紙がまっすぐ目に飛び込んできて、思わず手に取ってしまったのでんな。
だって私も大好きだから。食べること・・・・
そんな縁で初めて読んだけれど、やっぱり手元に置きたくて、古本で手に入れてしまった。
したら、その本が偶然にもサイン入りで。(笑)ちょっと嬉しかったなぁ。
著者は、中山・・・じゃない、辺見・・・でもない。鳩山エミリさん。
かの鳩山邦夫さんの奥さんで・・・っっってことは、政治家の妻じゃぁありまへんか!
でも、このエミリさんの経歴は、およそそれらしくない・・・っっって言っちゃぁいけないかな?
エミリさんのサイン。
6歳で少女フレンド創刊号の表紙モデルでデビュー。少女タレントとして活躍するが、高校卒業と同時に鳩山氏と結婚。
御曹司に見染められ、ハタチになる前に引退しちゃったのでんな。
私はタレント時代の彼女も鳩山氏の奥さんとしての彼女も存じ上げなかったけど、この本でいっぺんに好きになってしまった。
バラエティに富んだ得意料理のレシピもイイけど、やっぱりひかれちゃったのは、少女時代の愛くるしい写真。
もっと写真見たかったなぁ・・・もっと大きいサイズで、カラーでたくさん。それくらいかわいかった。
そして同じくらい好きだったのが、少女時代の思い出のエッセイ。
得意料理の一つ一つに、すてきなエッセイが添えてあるんだけど、とくに印象深かったのが、お父さんについて書かれた文。
お父さん。64歳のお誕生日に
母は厳しかったが、父は本当に私にも姉にも優しかった。・・・
お父さん、わりに早くお亡くなりになったのでんな。
料理が大好きで、娘たちの誕生日やクリスマスには、ローストチキンやローストビーフなどの得意料理をふるまってくれたという。
そんな料理好きの父が作るスコーンは格別だった。
『エミリ、スコーンには重曹を入れるけど、入れすぎると苦くなるから』とよく言っていた。
ホイップクリーム、バター、いちごジャムをたっぷり塗って食べていると、いつも父の笑顔を思い出す。
大好きな父は横浜の外人墓地に眠っている。
毎月会いに行くが、今でも父は私の心の中に生き続けている。
父も庭の手入れが好きで、暇を見つけては庭先に出ていた。
また、主人のように野菜作りもしていた。
ある日父が、「やっとあったよ。エミリにも似合う白いシャクナゲの木が」と嬉しそうに持ってきて庭に植えてくれた。
それからすぐに父は倒れて、帰らぬ人になってしまった。
中表紙。モデル時代の写真。
・・・ほかにも、5歳まで台北に住んでいて、チャイナドレスを着た母と人力車でパーティーに出かけたこと。
当時マンダリン語が話せたということ。
鳩山氏と出会った当時、自宅に招かれた時の思い出(なんと14歳!)。
彼のおばあさまがいつもにこやかに迎えてくださったこと。
「エミリちゃん、青森からとっても美味しいりんごが届いたから一緒に食べましょう」
・・・そう言ってりんごをむいてくれたこと。とてもうれしくて胸がいっぱいで、りんごを味わうどころではなかったこと。
そして、パイ作りが得意だったオーストラリアの祖母が言っていた言葉。
「エミリ、デザートは最後の仕上げ。お化粧でいうなら口紅よ。どんなにきれいなお化粧をしたって、口紅を忘れたら台無しよね」・・・
母、姉とともに。生まれて間もないエミリさん。
そうなのなぁ・・・・
エッセイには他にもいろんなことが書かれてあるんやけど、不思議ね。こんなくだりが本当に印象深くて。ずっと忘れられなかった。
エミリさん、鳩山氏、ご長男。
それにしても政治家の妻の割には・・・っって言っていいのかな。
そっちの世界はよくわかんないけれど、ほとんど表に出てくることが無いエミリさん。
引退後は裏方に徹しているという。自粛してるところもあるのかな。
でも元芸能人なのに、意外に地味好み?・・・あまり派手なことが好きじゃない性格なのかもしれない。
経歴と肩書に似合わず、質素で飾らないお人柄なのかなって。勝手に思って、勝手に好感を寄せていた。
だって、だってさぁ。こんなに愛された思い出を持ってる人だものね、、、
お父さんやお祖母さんが、そしてご主人の家族が、小さなエミリさんにかけた言葉を、まるで自分がかけられたように聞いていた。
なんてやさしい言葉なのやろうねぇ。いつのまにか心の中で反芻し、そして甘やかな気持ちになっていた。
お化粧した姉とともに。
エミリさんのようなかわいらしい少女に帰って、まわりの大人たちに温かくくるまれているような気持ち。
いつまでたっても、それを思い出していたいのなぁ、私も・・・・
子どもの頃やさしくされた思い出は、年月を経れば経るほど輝きを増す。
ふわふわと甘くて、キラキラと輝いて。何度反芻しても飽きない。
たとえ他人の話でも、子ども時代の幸せな思い出話は大好き。
食べるのが大好き。でも食べ物に彩られた幸せな思い出は、もっと好き。
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