おっと、ところでよ。こないだ書いた「青春の門」ではあるけれど、後で気づいた。
信介と源氏にはさらに共通点があって、産みの母の顔を知らないってコト。
どちらも義理の母によって育てられる。
が、父もわりと早くに死んで、義理の母は未亡人になる。
そしてその母も長生きはしない。
病に倒れ、信介は10代のときに、そして源氏は20代のときに義理の母も見送っている・・・
若き日の源氏と藤壺
な?どちらもこんなカンジでよ、なんつうかなあ。
実の親にも育ての親にも早くに死に別れるという、肉親に縁が薄いというか。こういう人っているのなぁ、、、
そして源氏も信介も、何にのめりこんでいくかというと、他でもない。女でアルよ、な?
信介はタエを看取ってから大学入学のため上京。
ここから、まるで源氏さながらの華麗なる女性遍歴が始まる・・・・(笑)
タエ役は松坂慶子さん
とはいっても、源氏は天下のスーパー美男子、しかも天皇の御子であるからよ。
思い通りにならない女なんてこの世にいない。想像くらいはつくざんしょ。
その女性関係がどんだけ手広く派手だったか・・・
田舎から上京してきただけの、今の世の大学生である信介とは比べ物にはならないが、そこはなんつうか、アレっすよ。
古今東西あの年頃の男の子だけに訪れる世界つんすか?目の前に広がる、まさに開かれたばかりの性の世界。
男の子が男に変わっていくまでには、多くの女たちを通り過ぎなければならない。
実際に肉体関係を結ぶか結ばないかはおいといても。
大学生になった信介は数多くの女性と出会う。
田舎にいた頃は、せいぜい幼なじみの織江と憧れの女教師・梓先生だけだったが、都会に出ていろんなタイプの女性を知る。
気の強い子、やさしい子、グラマーな子、スリムな子。年上の女、インテリな女、お金持ちのご令嬢。
定食屋の娘、下宿屋のお嬢さん、女郎、そして水商売の女・・・
信介と娼婦・カオル役の桃井かおりさん
全員と寝たわけではないけれど、思いを寄せたり寄せられたり。時により場合により、信介の気になる女性は変わる。
あの子もいいしこの女もいいで、結構見境無し・・・。
そしてどの子を見ても服の下の身体の線が気になる。抱いた時の感触を想像してしまう・・・
しかしそんな節操のない女性遍歴の中でも、信介はときおり思い返す。それは義理の母の記憶。
とくに亡くなるまでの病床の、透き通るように美しくなった母の姿。信介にとって、母の思い出はいつも特別である。
もともとグラマーで気性の激しい姉御肌だったタエは、病に倒れて以降、別人のようになった。
タエ役は鈴木京香さん
肉感的だった身体はほっそりとたおやかになり、穏やかにいつも優しく微笑んでいるようになった。
肉をまとい血の通ったリアルな女というよりは、むしろ菩薩か女神・・・。生きながらそんな存在になってしまっていた。
亡くなってからも信介の記憶の中で、その透明な美しさは増していくばかり。
源氏にとっての藤壺もそうであった。彼女たちは、彼らにとって唯一無二の女なんやね。
どんな女たちの中にあっても特別である。「あの子もいい、この子もいい」の中には、彼女たちは入らない。
性欲の対象となるゴマンといる女たちとは対照的に、どこまでもかけがえのない、神聖な、侵しがたい存在・・・
かっわいー。織江役大竹しのぶさん
初恋の人にして、母。しかも早死に。これが男にとってどんだけ「運命の女」か・・・・まぁ、そういうことっすな。
汚されたくない、聖なるモノなんスよ。初恋も、母性も、そして死者もね。
ところで信介はん、生きてたらもう80歳なんスよね。
私は第8部は読んでないけど、彼の「青春」はきっとまだ終わってないはずでっせ。
どないしてケリつけるのか、まぁ今となってはどうでもエエ気もしますけどなぁ。。。(笑)
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