今回の旅で一番驚いたのは
桐に花が咲くということ。
薄紫色で、
暮れなずむ空を背景に美しかった。
恥ずかしながらこの年齢まで
キリに花が咲くことを知らなかった。
帰ってから見た本には、
ほの甘い香りがする、と書いてあるのだけど
記憶にない。ざんねん。
キリは、会津藩の「要七木」の一つだった。
藩のお触れで、植栽して子孫に伝えることを命じられた木である。
会津は周囲を山で囲まれているから
さぞかし木材には不足しないだろうと思うのは現代人の考えることで、
燃料、土木、農業資材として切り尽くされて常に木は不足状態であったらしい。
要七木のほかに第七木というのもあって、
さらに時代が下がると八木というのも制定し直されており、
「どれだけ不足してたの」というかんじである。
福島出身の薬草講座の先生が
「ヨモギは成長すると木化するから農家では焚き付けに使う」
とお話されたことがあったけれど、
そんなことも思い出された旅でした。
ご一読、ありがとうございました。