短編集の中で
登場人物が気持ちのいいほど
属する階層を体現してくれている。
武士は
殉死を許されないことを歯噛みして悔しがるし(「阿部一族」)、
下男下女は
小狡く台所の物を持ち帰ったり米を売り払ったり(「鶏」)。
芸者は
酒席の客の顔色をうかがうことに長けていて
大抵の表情の見当はついてしまうし(「余興」)
官吏ともなれば
昔の恋人がドイツから追ってきても
最早気持ちは国家のもの、
かたくなに追い返すよりほかはない(「普請中」)。
指揮者鴎外が招聘したソリストが
余すところなく奏でる明治という時代。
鴎外の作品はシンフォニーという感じはしないけど。
🦜 🦜 🦜
「普請中」の会話は今でも通じるくらい新しい。
嘘だと思ったら、読んでみて🙋
モテ男、鴎外、面目躍如。
48歳でこんなの書いてるなんて、
枯れてない。
でも現実にはエリスのモデルには会わず追い返したというから、
これは彼女へのレクイエム・・・・?
「余興」は今回の読書で一番鴎外を身近に感じられた作品。
端々に私好みのユーモアがあるので😆
読んで下さってありがとうございました😊
暑い夏の日、
皆さまご自愛下さいませ🌿