今回はCharlie Frye氏の紹介です。といってもいつものようにカップ&ボールに特化した形での紹介となります(;^ω^)
昨年(2023年)、氏の本「Sleightly Absurd」がリリースされました。約300ページの大型ハードカバーの本で、50以上のマジックが1000以上の写真を使って解説されています。国内でもいくつか取り扱っているお店があり、今回はGINさんのページを紹介します。
この本の7章(Act7)に「The Cups & Balls」があり、そこに3つの手順が解説されています。今回はこの3つを簡単に紹介したいと思います。
<CLOSE-UP ROUTINE>
1つ目はクロースアップで最も演じていると書かれているこの手順です。まずは演技動画です。
この手順は氏の作品集である「Eccentricks」のVol.1に収録されています。いくつかのお店でダウンロード版を購入できますが、MAJIONさんのページを示します。
このビデオ(当時VHSを買ったような…)はかなり古いので、氏が最も古くから行っていた手順だと思われます。いわゆるバーノンの手順とは大きく違う、独創的で不思議な手順ですね(;^ω^)。しかも、あのカップを使ってますので、いきなり公明正大な貫通が行われ、そのあと技術でさらりと続けるので貫通現象が非常にクリーンに見えますよ。その後もギャグとジャグリングが入った氏らしい手順だと思います。
ただ、あくまで個人的な意見ですが、カップの置き方が統一されてなかったり、少し違和感を感じるところがあるのも確かなんです。これは私がカップ&ボールを見過ぎて、一般的なカップ&ボールと違うから違和感があり、普通の人が見たら違和感がないのかもしれません(-_-;)
あと、まあ難しいですね(笑)。私はうまくできる気がしません(笑)。また、ファイナルロード用のボールも少し特徴的なものが必要で、少し伸縮性のあるボールが望ましいのです。いいものを見つけるのは意外と大変だと思います。よいボールがありましたら、情報頂けると幸いです。今回、伸縮性のあるボールを探していて見つけたのがガチャガチャ商品である「むぎゅっ!ビリヤードボール」(コロコロコレクション むぎゅっ!ビリヤードボール)です。メルカリで出品されていたのでいくつか購入してみました。確かに少し握ると縮むというか変形してまあまあ良いのですが、個人的にはもう少しだけ柔らかい方が扱いやすいかもという感じでした。さらにカップの形やサイズは様々なので、やはり自分のカップにあった適切なボールを見つけるのは大変だろうなぁとも思いました。
ちなみにここで使われている素敵なカップはカップはデュッセルドルフ(ドイツ)の「Wolfgang Kaps」という友人が作ったカップだと本には記載されています。
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2つ目は、テニスボールを使った手順で、カップ&ボール用のカップを使っていますが、小ボールを使わず、全てテニスボールで行う手順です。ですので、一般的なカップ&ボールとは少し違う感じがする手順です。演技の出だしはスリーシェルゲームのような当てもので、そこから不思議な事が起こるという演出です。
実演動画です。
これも、ちょっと特殊なテニスボールが必要です。チャーリー・フライ氏は有名なAlan Wong氏のものを使っていたと思います。実は、この手順はストレートマジックショップさんが2022年に行ったレクチャーでチャーリー・フライ氏が演技・解説をされてました。残念ながら今はその映像を購入することはでき無いと思います... (必要でしたら直接ご確認下さい。クロースアップではなくパーラーで行うことが多いと言ってたような気がします。
氏のようなギャグをはさみながらの手順を私が実演するのは難しいのですが、このテニスボールは使ったことないものの、持ってますので、今度、通常のカップ&ボールの最後の出現に使ったらどんな反応が得られるかやってみたいと思っています(笑)
最後にウォンドでカップを叩き、音楽を奏でています。私はよく知らないのですが、トワイライトゾーン(米SFテレビドラマ?)の音楽の一部のようです。このカップは、1つ目の手順で出てくるカップとよく似ているように見えますが(少し1つ目のカップの方がスリムな形です)、ニュージーランドのAnton van Heldenという友人からもらったとのことです。で、この手作りカップを叩いたときの音がそれぞれ違ったので、それで音楽が奏でられないかと考え、いろいろ試行錯誤してこのメロディーになったとのことです…
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<CUPS & BALLS ON STEROIDS>
最後は、これまた、通常のカップ&ボールからは大きく離れた面白い手順です。
実演映像です。
どこかで見たようなカップとスポンジボールの組み合わせ…。このブログでも何回か紹介させて頂いた、Johnny Paul氏の手順にチャーリー・フライ氏がインスパイアされ出来上がった手順だそうです。
貫通現象から始まり、どんどんボールが増えて、最後少し大きなボールも出てきます。7個の3インチボールと1個の4インチボールです。大きいですよね!カップもJohnny Paul Cupよりも一回り大きいカップで、氏が使っているのはIckle Pickle製のカップです。Ickle Pickle社は多くのアルミカップを出しており、その中の一つで「Cups & Balls Large Beaded」だと思います。ちょっと前まで品切れで、私はebayで購入しましたが、今見たら販売されてますね。恐らくこのカップだと思いますが違ったらすいません…
非常に楽しい手順なのですが、このサイズのスポンジボールを消したり、出したりという、これまた、やはり基本技術の問題で私には実演はちょっと厳しいかと思っています…(T_T)。また、Johnny Paul氏のときもそうですが、カップとスポンジの関係も正直難しいです。Charlie Frye氏の本では、このあたりの問題を解決するために少しカップに工夫することも解説されています。
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どの手順でも氏らしく、一般的なカップ&ボールとは違い、かなり個性のある手順です。ですのでなかなかこれらをそのまま演じる方はいらっしゃらないかと思いますが、いろいろヒントは隠されていると思います。全ての手順は本に解説されていますので(英語ですが…)ご興味のある方は他にも氏の代表作が詰まっていますし、本を購入されると良いかと思います。