電力、盆明け危機か…冷房需要増と火発トラブル
読売新聞2013年8月19日(月)07:18
電力、盆明け危機か…冷房需要増と火発トラブル
(読売新聞)
厳しい暑さが続く中、電力各社が週明けの電力需給に警戒を強めている。
冷房需要の高まりに加え、需要が大きいオフィスや工場などの稼働が再開するためだ。原子力発電所の停止で、フル稼働を続ける火力発電所のトラブルなど安定供給への懸念材料も多く、各社は8月下旬にかけて難しい対応を迫られそうだ。
今月9日、全国各地で気温が上昇し、電力6社で電力需要が今夏最大となった。東京電力は、東日本大震災以降で最大となる5093万キロ・ワットだった。12日には高知県四万十市で国内観測史上最高の41・0度を記録した。ただ、お盆休みで産業向けの需要が減り、10日以降、需給はおおむね80%台後半と比較的安定して推移した。
昨夏は、東電が8月30日、東北電力と北陸電力が同22日に最大電力需要を記録した。今夏もお盆が明けてからも油断はできず、8月下旬に最大需要を更新する社が出る可能性がある。
最も大きな不安要素は、供給の柱となっている火力発電所のトラブルだ。九州電力は、8月に2基が停止し、一般的な原発1基分に相当する計106万キロ・ワットの供給力を一時喪失した。
北海道電力は6月下旬、1基の停止で供給力不足の恐れが生じ、東北電から融通を受けた。四国電力は、機器の故障で1基全てを2週間程度止める必要がある修理を延期し、出力を抑えて夏を乗り切る方針だ。7月以降、火力発電が1日以上停止していたトラブルは電力6社で計8件発生している。