「 ヴォイスコンサルタント 林重光 のブログ 」

声・話す・読む・歌うことの悩みを解決するヴォイスコンサルティング MAKE UP VOICE 代表。ヴオイストレーナー。

息を吹くこと、吐くこと。声における双方の比較。

2009年12月07日 | 体感記録日記
先週土曜日、「 いきいきこえあそび 」の打ち合わせがありました。この活動は子どもを対象としていて、「 声が出しやすい体つくり 」を目指して遊戯を取り入れてプログラム作成しています。プログラム作成には僕も含めて約10名。小児科医・保育士・音楽療法士・言語聴覚士・作業療法士・読み聴かせ家・音楽家などにより構成されています。僕が体の使いかた、声の出し方を研究していて、とても刺激を受けている大切な活動です。この「 いきいきこえあそび 」の活動詳細は改めて書かせていただきたいと思います。この打ち合わせの時に、息を吹く動きを遊戯に取り入れようという話しがでました。例えば色水を紙の上に作り、それをストローで吹くという案がでました。そこから話しはシャボン玉へ。子どもにとってシャボン玉を上手に作ることは難しいようなのです。ゆっくり一定に吹かないとシャボン玉は大きく膨らまない。そこから吹くことと、吐くことの違いは何だろうと思ってしまった。ここから僕の一人言のように「 吹くことと吐くこと。双方の違いは何か 」の話しが始まってしまいました(汗)。双方をまとめてみます。

「 吹く 」
・お腹の筋肉( とくに腹直筋 )がよく働いている状態。
・呼気持続時間は短い。
・瞬発力が強い。
・吹いた時、吹き始めが強く、その後は一気に弱くなる。
・息の温度は冷たい。そのためか、やけどをした時、熱いものを食べる時、息を吹いて食べる。

「 吐く
・お腹の筋肉( とくに腹斜筋 )がよく働いている状態。
・呼気持続時間は長い。
・瞬発力は弱い。
・吐いた時、吐き始めから終わりまで、息量は安定している。
・息の温度は温かい。そのためか、手が冷たい時、息を「 ハー 」と吐いて手を温める。

以上から、同じ息でも「 吹く息 」と「 吐く息 」は体の使いかたも違い、息そのものが違うということに気づきました。
そうすると、子どもには「 吹く 」こと、「 吐く 」ことの両方を行わせてあげられるあそびが大切と感じました。
シャボン玉が上手にできない子どもがいることもうなずけます。しゃぼん玉は、「 吹く 」ことと「 吐く 」ことの両方が必要となる動きです。シャボン玉を作る時、これは「 吹く 」体の使い方が基本にはあると思います。しかし「 吹く 」は一定に息を出し続けることを苦手とします。ですから「 吐く 」という体の使い方がシャボン玉を膨らませる時に必要となる。難しく言うと、呼気持続時間が必要ということです。呼気持続時間では「 吐く 」体の使いかたが必要となります。
「 吹く 」+「 吐く 」=シャボン玉が膨らむと言ったらいいでしょうか。

「 温かい声 」は吐く息から。「 冷たい声 」は吹く息から生まれてきているのかもしれません。
吹く体の使い方で声を出すと腹直筋がよく働くとは先程か書きました。腹直筋がよく働くと、声帯の上に位置する喉頭室が動き、声は雑音成分が増え、硬く、こもった声になることがわかっています。
吐く体の使い方で声を出すと腹斜筋がよく働きます。腹斜筋がよく働いている時、喉頭室はあまり動かず、純音で柔らかい、通る声になることもわかっています。冷たい声と感じる声は前者、温かい声と感じる声は後者の体の使い方の場合が多いと経験上は思います。

「 息を吹く 」「 息を吐く 」は呼気でも違う呼気であり、体の使い方も違うということに気づきました。これをこれから遊戯に取り入れていくと、声が出しやすい体になっていくのではと思っています。もちろん辻褄を合わせて簡単に考えてはいけませんが。
吐く息、吹く息。今後の展開が楽しみです
シャボン玉からの気づき。面白かったです。どこへ行くのかわからない話しに耳を傾けてくださったみなさん、ありがとうございました


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