春 山笑う季節。3月11日なれど「啓蟄」七十二候では「笑う」時。
24節気、72候を楽しむ。
3月、啓蟄に入りました。啓蟄とは陽気に誘われて土の中の虫が動き出す頃のこと。
一雨ごとに春が近づく、そんな季節の間を感じながら。
「石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも」志貴皇子
訳「雪解けの水が岩からほとばしる滝のほとりに、ワラビが芽を出す季節が来ましたね」
万葉集巻八を開くと、春雑歌から歌が始まります。
古の人の自然への思いにふれるたび、感受性豊かな祖先に畏敬の念を覚えます。
3月初候は「啓蟄戸を啓く」です。この時季に祭事や農事を始めることを「コトハジメ」といいます。
お事汁という食べ物をいただくのが習わしで、豚汁の豚肉抜きの味噌汁といったところでしょうか?
初候をすぎると、「桃始めて笑う」です。桃の花が咲き始める頃、この花が咲くことを昔は「笑う」と表現したのですね。
四季の山の表現も
「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山蒼翠とし滴るるが如く、秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し 」(中国北宋の画家郭煕 『郭煕画譜』)とあり、
「山笑う」は春の季語にも成っています。
3月11日、東日本大震災から10年。そろそろ、一区切りを迎えたのでしょうか。
震災の翌年に発表されたチャリティーソングが「花は咲く」です。
「真っ白な 雪道に 春風香る
わたしは なつかしい
あの街を 思い出す
叶えたい 夢もあった
変わりたい 自分もいた
今はただ なつかしい
あの人を 思い出す
誰かの歌が聞こえる
誰かを励ましてる
誰かの笑顔が見える
悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう
夜空の 向こうの 朝の気配に
わたしは なつかしい
あの日々を 思い出す
傷ついて 傷つけて
報われず 泣いたりして
今はただ 愛おしい
あの人を 思い出す
誰かの想いが見える
誰かと結ばれてる
誰かの未来が見える
悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう
花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
わたしは何を残しただろう
花は 花は 花は咲く
いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く
いつか恋する君のために」
「咲く」とは、昔の言葉で「笑う」です。
震災の日に思いを寄せて、花が笑うように、私たちも笑って過ごせますように。
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