仮に、あなたが建築士でお客様の新築工事の監理(または管理)しているとします。
「これは良くない」と思った時、気の強そうな大工や各職人に「やり直し」を命ずる事ができますか?。
やり直しというのは、「造ったものを壊し(撤去し)、処分し、また同じ材料と道具を準備し、同じ作業をする」とても無駄な時間と労力とお金、そして精神的な負担がかかります。
その後の工程にも影響してきます。期限にも間に合わないかも知れない。
もしかしたら、あなたの説明や図面の表記が不十分だったかも知れない。
そして、あなたの指値で金額を取り決めして、利益や収入に余裕のない仕事をさせているかも知れない。
それでも妥協無くやり直しを命ずる事ができますか?。
私たち建築技術者は、膨大な知識と経験を元に建築物を設計し、そして施工しています。
しかし、それが現場に反映されなければ、それは悲しいくらいに全く意味の無いものとなってしまいます。
一例ですが、作業終了後であろうが、現場発泡の断熱材が既定の厚さに満ちてなければ、部位によっては大部分を撤去してでもやり直さなくてはいけません。
断熱材を入れ忘れたのなら、たとえそれがコンクリートであろうが、いくらかかろうが、壊してやり直さなくてはいけません。
人間が造るものなので、「いつも完璧」というものでは無いです。
けど「ダメなものはダメ」。
自分が責任を取る(持つ)事。
場合によっては責任を負わす事。
そして最も大切なのは、「そうならない様に、しっかり監理(管理)」する事。
あたり前の様で、なかなか難しいものです。
しっかりした知識と、それを反映させる技術を身に付け、何よりそれを貫き通す精神があっての建築技術者です。
そうそう。
設計者の立場で行うのが「監理」で、施工者が行うのが「管理」です。
そして、私達の仕事です。