私の写真を見て結婚を前提に会いたい?
美佐江の彼への夢が膨らむ
父親の持ち帰った写真を見ては溜息
カッコ良すぎる
写真に恋した美佐江
『パパ・・・この人と会いたい』
『美佐江も気に入ったか、じゃあ先方さんにOKの返事するよ』
顔を赤らめ、うつむき加減に
『この人は何歳なの?』
『26歳って言ってたな』
『えっ?私より3歳も年下なの?』
『年下は駄目か?』
『本当に私の写真を見て会いたいって言ったの?』
『写真を見せちゃ駄目だったか?』
『恥ずかしい』
『何が恥ずかしいんだ、美佐江の可愛い所を見つけたんだよ』
『・・・2週間待ってくれるかな?』
『1ケ月でも待ってくれるさ』
『私、ダイエットしてエステにも通う』
写真の彼に一目惚れの美佐江
短期間のダイエット&エステ
ついでに生け花&お茶教室にも通い始めた
その頃、父親は写真の彼に会い説得
身長183㌢の長身、ちょっとホスト風だが柔らかい物腰でものを言う男
『うちの娘は素直で性格もいいし、何より君を気に入ったようだ』
『でも俺、まだ結婚なんて考えてないし』
『君には借金があるそうじゃないか』
『親の借金です』
『親の借金を君が返しているのか?』
『聞こえが悪いんで、俺がギャンブルで借金した事にしてます』
父親も彼を気に入った
この男ならば娘の美佐江と結婚させて会社を任せられる
『どうだ?その借金全額を私が立て替えましょう』
『見返りは娘さんとの結婚・・・ですか?』
『どうしても娘と付き合えない時は立て替えた借金を私に払えば良い』
『借金は大きいですよ』
『幾らだ?』
『800万です』
『分かった立て替えよう』
『けど娘さんに借金の立て替の見返りで付き合ってるってバレたら』
『可愛い1人娘なんだ、その話は墓場まで持っていってくれ』
『それとも君に付き合ってる女性がいるなら別だが』
『先月別れたばかりです』
『君のように男前なら美人の彼女だったんだろうね?』
『綺麗な女でした、でも美人の欠点ってあるもんです』
『美人の欠点?どんな?』
『忘れました、思い出したくないです』
『娘は・・・容姿は人並み以下なんだ、父親の私が言うのも何だけど』
『人は顔じゃないですよ、誰かの為に一生懸命な女性が理想です』
『おぉ~そうかそうか、娘は君の為に必死にダイエットとエステに通ってるよ』
『まだ会った事のない俺の為に?』
『写真の君に一目惚れってやつかな?』
『そうですか・・・じゃあ会って成果を見なくては』
くったくのない笑顔を見せる彰
益々、美佐江の父は彰を気に入った
正直、気が進まない話だが、彰(あきら)は真弓に
『貧乏な男は嫌い』
そんな言葉を投げつけられて喧嘩別れしたのだ
親の借金を支払う為に指輪の一つもプレゼント出来なかった彰
そんな彼女の薬指に一生掛かっても買えないような高価な指輪
打ちのめされた
世の中は金持ちが勝つ
『愛だけじゃ生きていけないのよ』
元彼女、真弓の言葉が虚しい
心の中で、"俺が金持ちだったら嫌々の見合いなんかしない"
『再来週の土曜日の夜7時頃にどうだろう?』
『再来週の土曜日の7時ですね、分かりました』
美佐江はダイエットに励んだ
天然パーマの髪をストレートにし化粧の練習
身長148㌢と小柄だが体重が70㌔
2週間では効果がみられない
はやる気持ちと焦る気持ちが交差する
そして約束の土曜日がやってきた
朝から落ち着きの無い美佐江
『パパ・・・私怖い』
『大丈夫だよ、パパとママが付いてるから』
『うん・・・そうだね』
写真の彼と会う今日の為に化粧の練習もした
ツケまつげにアイシャドウもバッチリ
支度の出来た美佐江を見て両親は言葉を失った
『私の顔、変?』
『変じゃないけど化粧が濃くないか?』
『これって今流行のメークなの』
流行のメークと言う美佐江に化粧を直せと言うのも可愛そう
そのまま予約してある料亭にタクシーを走らせた
『先方様はお待ちですよ』
彰はとっくに料亭の小部屋で待っている
今流行のメークをした美佐江は父親の後ろに隠れるように部屋に入った
(ノ⌒∇)ノ*:・'゜☆。.続く:*:・'゜゜'・:*:.。.:*:・'゜:*♪